第32回日本神経理学療法学会サテライトカンファレンス東京


【開催概要】

◎日時:2024年11月17日(日)10:05~15:50
◎開催方法:現地+オンライン(ハイブリッド)
◎現地開催場所:東京都立大学荒川キャンパス(〒116-0012 東京都荒川区東尾久7丁目2−10)
◎オンライン:Zoomウェビナー

【開催趣意】
「私たちはただ、絶対的で全面的な知識を気取っている科学の教条主義に反対しているだけです。要するに、人間の経験のあらゆる要素、とりわけ私たちの感覚知覚を正しく評価しなくてはならないのです。」(モーリス・メルロー・ポンティ)
 第 32 回日本神経理学療法学会 学術事業「サテライトシンポジウム東京」は、東京都立大学荒川キャンパス  にて 2024 年 11 月 17 日にハイブリッドで開催することとなりました。学会の法人化から 3 年目を迎え、地方ブロックの設立や戦略的課題解決委員会などの様々な取り組みが徐々に実現してきました。
 しかし一方で、学会の閉鎖的なイメージにより学術と臨床の間の断絶は静かに進み、特に若手の理学療法士たちの間で、学術活動への参加意欲の低下が生じています。また、理学療法士としての熱意は依然として高いものの、日常業務の多忙のため、その維持が困難になっている現状があります。
 本来、仕事への情熱とは、仕事の価値とその達成可能性で決まります。科学的知見の進展は、理学療法士としての仕事の達成可能性を高めていますが、それにもかかわらず、彼らは、自らの仕事の価値を過小評価し、情熱を失いつつあるように見えます。
我々はもう一度、理学療法という仕事の価値を問い直す機会が必要ではないでしょうか。
 日本神経理学療法学会主催「サテライトカンファレンス東京」では脳卒中を患われた方(ここでは脳卒中当事者と呼びます)の理学療法に抱く思いを可視化することを目的として企画しました。脳卒中当事者の方に参加者として参加していただくこと、自身についてお話いただくこと、また共に対話することを通して、今後の神経理学療法の価値とその研究が向かうべき方向性を再確認したいと希望しております。
 本学会は、科学の教条主義に立ち向かい、脳卒中当事者の一人称の経験と感覚知覚をもっと広く正しく認知し、彼らの参加と対話を通して、神経理学療法の未来への指針を明確にすることを目指しています。特に若い理学療法士の皆様には、このカンファレンスを通して、自らの仕事の価値、さらに言えば一人一人の豊かな経験(感覚知覚と行動、さらにそのフィードバックからなる一連のセット)の価値を確認する機会になれば幸いです。
科学の反対語は「〇〇法」ではありません。反証を認めない教条主義に陥る状況はすでに非科学です。仮に、エビデンスといわれるものが金科玉条で不可侵になってしまうとしたら、それはすでに非科学を意味します。我々がそのような状態に陥らないための唯一の鍵は、「当事者の方の声を聞き続けること」にあるのではないでしょうか。

「科学と経験のダンス」を続ける集団でありたいという願いとともに。

 
【プログラム】
○オープニングリマーク・教育講演(10:05-10:35)
テーマ 「脳卒中当事者の方に価値ある『神経理学療法学』であるために」
本会の趣旨をまとめ、近年の理学療法の技術的進歩を供覧することで、神経理学療法学の価値を脳卒中当事者の方と共有する。
講師 大畑 光司 (北陸大学)
司会 髙橋 忠志(東京都立荏原病院)

○特別講演(10:40-11:20)
テーマ 「日本脳卒中学会と脳卒中相談窓口の取り組み」
循環器病対策基本法の設置に伴い、一般社団法人日本脳卒中医療ケア従事者連合の取り組みとして、全国に脳卒中相談窓口が設置されてきている。脳卒中後に生じる様々な問題に対する受け皿となることを目指しているこの窓口についての概要についてお話しいただく。
講師 宮本 享(京都大学、一般社団法人日本脳卒中医療ケア従事者連合)
司会 大畑 光司(北陸大学)

○特別講演(11:25-12:05)
テーマ 「脳卒中当事者として理学療法に抱く期待 -叶えたい私の夢-」
脳卒中当事者の抱く理学療法への経験と期待をまとめ、今後の理学療法研究の方向性を考える機会とする。また、ご自身の夢を叶えるための活動を紹介していただき、一般社団法人 脳フェス実行委員会のサイトからドキュメンタリーとして公開し、その後の結果を第23 回日本神経理学療法学会(2025 年予定)で報告する。
講師 佐川 陸 (脳卒中当事者)
司会 未定

○シンポジウム(13:10-15:00)
テーマ リハビリテーションの意味 -機能回復の先へ-
シンポジスト
田津原佑介(貴志川リハビリテーション病院)
「就労支援・社会参加・ピアサポート(仮題)」
坂 広樹(脳卒中当事者)
「脳卒中当事者 You Tuber の体験記(仮題)」
松川力也(脳卒中当事者・言語聴覚士)
「脳卒中当事者の「復職支援」事業(仮題)」
司会 小林 純也(一般社団法人 脳フェス実行委員会)
回復期病院退院後にどのようなリハビリテーションサービスが展開されているかを知り、社会復帰、復職に至る過程でどのような問題に直面するか、またそれを支えるサービスをどのように展開するかを当事者目線で語ってもらい、現在の問題点を考える機会とする。

○全体ディスカッション (15:10-15:50)
テーマ 理学療法の「学術」の向かう先
司会 大畑 光司 (北陸大学)

【事前参加申込】
◯会員:マイページより申込
・マイページ申し込みURL
https://mypage.japanpt.or.jp/mypage/login
[セミナー番号]
・対面:132020
・オンライン:132022

◯他職種:Payventからお申込みください


【参加費】
PT協会会員:2,000円
PT協会非会員:4,000円
他職種:2,000円
学生会員:事前500円 当日1000円

 
【お問い合わせ】
準備委員:髙橋 忠志(東京都立荏原病院リハビリテーション科)
メールアドレス:32sc.tokyo@gmail.com