因子分析 factor analysis

 複数の変数から似通った変数をまとめて,変数の小グループ(因子)を作っていく手法です.相関係数を利用して,似通った変数には高い得点(因子負荷量)を与え,各因子で因子負荷量が高い変数を分けていきます.主成分分析と非常に似ているので同様の解析と思ってもらっても差し支えありません.異なるのは,主成分分析が似通った変数をできるだけ多くまとめるのに対して,因子分析は似通っていない変数を出来るだけ分ける,という意味合いの違いがあります.
 たとえば,体力測定を行い,身長,体重,握力,背筋力,垂直跳び,走り幅跳びのデータを群分けしたいときに,因子負荷量の大きさで変数を分けていきます.仮に,第1因子で握力>体重>背筋力>身長>垂直跳び>走り幅跳びの順に因子負荷量が高いとします.そこで身長,垂直跳び,走り幅跳びでは,第2因子の方が,因子負荷量が大きければ,第2因子と考えたほうが妥当かもしれないので,第1因子は握力,体重,背筋力で力の因子,第2因子は身長,垂直跳び,走り幅跳びで跳躍力の因子と考えます.この因子の意味づけ(構成概念の解釈)は,解析者の主観に委ねられます.
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