ナラティブレビュー narrative review
「ナラティブ」とは,患者が語る罹患の経緯,病気に対する考えなどの「物語」を通じて,病気の背景や人間関係を理解することを指します.ナラティブレビューは,システマティックレビューのようにバイアスを最小限にするための手法を用いずに書かれた総説のことで,書籍の中に典型的にみられるもので,疾患の原因,診断,予後または管理の1つまたは複数の局面に関わる考察が含まれ,多くの背景疑問,前景疑問および倫理的疑問が扱われています.レビューの著者は,クリニカルクエスチョンを挙げる際,滅多に報告されない疑問かいくつかの一般的疑問についての検討を行っていることが一般的で,1次研究論文を選択する際には滅多に報告されない研究サンプルか,報告されていてもバイアスがかかった研究サンプルを選択することもあります.さらに1次研究結果の質的評価や要約については滅多に報告されないか,報告されていても系統的でない場合が多いという特徴があります.しかし,自身が担当している疾患に対して疑問がある場合,その臨床病態に関する大まかな概要を得るために役立つレビューが,ナラティブレビューです.
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