バイアス bias
バイアスとは,明らかにしたい真の結果を誤らせる要因のことであり,日本語では「偏り」や「誤差」と訳されています.バイアスの種類には,選択バイアス,情報バイアス,交絡バイアスの3つがあり,対象の選択,データの収集,結果の分析などで起こりやすいとされています.選択バイアスは,母集団から対象を選ぶときと,実験的研究であれば群を割り付けるときに生じる場合があります.選択バイアスを少なくする研究デザインとしてランダム化比較試験(RCT)があります.情報バイアスは,調査や測定によってデータを収集するときに生じるバイアスです.情報バイアスを少なくするためには,対象者,治療者,評価者に研究の情報を伏せる盲検法(ブラインディング)という手法がよく使われます. 交絡バイアスは,原因と結果を検証する際に,その背後に隠れて存在する交絡因子が存在することをいいます.交絡バイアスを少なくするには,ランダム化比較試験(RCT),マッチング,多変量解析,治療企図解析(ITT解析)が有効です.
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