母集団 population
研究における対象は,標本(sample)と呼ばれ母集団から抽出された一部とされています.母集団は,実際に調査するのは不可能に近い無限大の大集団です.つまり研究では,母集団から抽出された標本に基づいて,母集団に関する結論を下しています.しかし,臨床的特性,各種の属性,時間的・地理的条件などが加わります.例えば,腰部脊柱管狭窄症に対する運動療法の効果の研究で,A病院の患者さんを対象として無作為に標本を選んだ場合,母集団はA病院の腰部脊柱管狭窄症患者さん全体となります.A病院の腰部脊柱管狭窄症患者さんの特性は70歳以上の者が多いとか,農作業に従事している人が多い,などの特徴がある場合,それが母集団の特性となります.通常は,広い範囲の腰部脊柱管狭窄症患者さん全体に一般化しようと考えるはずです.その,広い範囲の腰部脊柱管狭窄症患者さん全体という理想的な母集団を調査対象集団(universe)と呼びます.調査対象集団は母集団を包含し,母集団は標本を包含するという3段階で考えることにより,標本の母集団のバイアスを把握しやすくなります.
なお,調査対象集団を目的母集団(target population),母集団を研究対象集団(accessible population)と呼ぶときもあります.
なお,調査対象集団を目的母集団(target population),母集団を研究対象集団(accessible population)と呼ぶときもあります.
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