反復測定分散分析 repeated measure analysis of variance

 ある対象者群に対して,3条件以上の反復測定を行い,それらの平均の差を検定する方法が反復測定分散分析です.たとえば,整形外科疾患の術後患者10名を対象として,術後1週目の膝伸展筋力,2週目の膝伸展筋力,3週目の膝伸展筋力,…,と3つ以上の時期に分けて,術後の膝伸展筋力が変化する(差がある)かどうかを調べる場合に適用します.もしくは,健常人15名を対象として股関節回旋可動域を測定するとき,①背臥位で股関節90度屈曲位,②背臥位で股関節0度屈曲位,③端座位といった,3条件に変えて,回旋可動域がどう変化するかを調べる際にも,反復測定分散分析が適用されます.仮に,術後1週目の膝伸展筋力と2週目の膝伸展筋力だけの差,または,背臥位で股関節90度屈曲位と背臥位で股関節0度屈曲位だけといった2条件の差を調べたいときは,対応のあるt検定[→t検定(差の検定としての)を参照]が適用となります.つまり「3条件以上の対応のあるt検定」と思ってもらえばイメージしやすいと思います.
 対象者は全ての条件に参加している必要があり,ある条件では別の対象者が入る,ということはありません.
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