文献レビュー literature review
文献レビューとは,あるテーマに関して既存の文献情報をもとにまとめた研究のことで,一定の手順と技術に基づいて実施され,それ自体が独立した研究方法論です.文献レビューを作成するときの論文構成は,一般の学術論文と変わりません.緒言,方法,結果(本論),考察と結論,引用文献リストの要素が含まれているのが一般的な内容です.文献レビューについては,様々な定義や方法論が論じられていますが,執筆の際には大きく分けて「網羅性(情報量)」と「独創性(新規性)」の2側面が要求され,独りよがりにならない論旨が求められます.網羅性・独創性ともに高い文献レビューほどシステマティックレビューに近くなり,独創性だけが高い文献はナラティブレビューに近くなります.システマティックレビューに近い文献レビューには,より時間と予算が必要となり,ナラティブレビューに近い文献レビューは,根拠が薄く思いが先行した文献レビューになる危険性を含みます.また,倫理面については,人を対象とした倫理的配慮が生じないのが一般的で,それゆえに文献レビュー研究が増えている背景も見られますが,著作権,盗用,剽窃などの倫理問題(出版・公表に関する倫理)は生じ得るので,筆者はこの点に対し注意することが必要です.
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