代表運営幹事挨拶

 平成24 (2012)年、文部科学省「今後の健康診断の在り方等に関する検討会」は、「保健調査票を活用し、家庭における観察を踏まえたうえで、学校側がその内容を学校医に伝え、学校医が診察するということが適当である。そこで異常が発見された場合には、保健指導や専門機関への受診等、適切な事後措置が求められる」と答申しました。その後、省令改正を経て学校保健安全法に基づき、今年(2016)の4月1日から学校定期健診に運動器検診の項目が付加されました。それに対応した学校教員および学校医の現状を把握するとともに新たに学校保健分野における職域拡大として理学療法士の介入支援の可能性とその在り方が問われています。
 一方特別支援教育分野では、本協会は2011年度に「リハビリテーション支援に関する調査研究事業」を実施した結果、児童・生徒の保護者は医療の専門家であるリハビリテーション専門職(以下、リハ専門職)の支援を望んでいること、またそこでは、教育的リハビリテーション支援としてリハ専門職へは身体機能のみならず発達障害を含めた障害に起因する特別なニーズを有する児童・生徒の性格や成長も含めた評価・関わりが重要であること、専門職・教育職として特別支援学校の教諭や児童・生徒の保護者と随時連携し学校生活全体や地域社会への参加を支援することが求められていることも明らかになりました。
 これまで本協会では、理学療法士が教育の場へ支援を展開し、理学療法学に基づく教育的リハ支援を実践していくために必要な方法論(支援モデルと実際的支援方法)について検討を重ねてまいりました。
本協会では学校保健や特別支援教育に携わる現役教諭に対する調査や有識者の見解をもとに調査研究を進めています。
 会員諸氏の学校保健・特別支援教育部門へのご理解とご支援を賜れば幸いに存じます。

 

2016年7月25日
学校保健・特別支援教育部門
代表運営幹事 眞鍋克博