大会長あいさつ
このたび、第12回日本呼吸理学療法学会学術大会を2026年10月31日(土)・11月1日(日)の二日間、香川県高松市のサンポートホール高松およびかがわ国際会議場にて開催させていただきます。2013年に日本理学療法士学会における分科学会として設立され、2021年の一般社団法人化を経て、益々発展する日本呼吸理学療法学会の学術大会長を務めさせていただくこととなり、大変光栄に存じます。
本学会は、呼吸理学療法にかかわる臨床と研究、教育活動を推進し、呼吸理学療法を普及・発展させることで、国民の健康の維持・向上に寄与することを目的としています。この目的のもと、これまで11回にわたり学術大会が開催され、歴代の学術大会長をはじめ、準備・運営にご尽力いただいた方々の創意工夫と呼吸理学療法への熱意がつながれてきました。一方で、呼吸理学療法にも多大な影響を及ぼした新型コロナウイルス感染症によって、人が集まり、知識や技術、思いを直接伝えあい議論することが難しい世界を経験しました。我々理学療法士にとっては、依然、With コロナではありますが、皆が一堂に会することのできる社会が戻ってきた今に喜びを感じ、日々呼吸理学療法に勤しむ全国各地の仲間と英知が結集する機会を設けられることが、私の唯一の願いです。
そこで、本学術大会のテーマは「All in One ~紡ぎつながる呼吸理学療法~」とさせていただきました。超高齢社会、多疾患併存患者の増加、薬物療法や医療機器の開発を含めた呼吸管理・呼吸ケアの進歩などにより多様性、複雑性が広がる中で、呼吸理学療法の力がより一層必要となってきます。呼吸器疾患は呼吸理学療法の最たる対象であり、新たな知見が日々蓄積されています。一方で、呼吸器疾患が主病名でなくとも、「呼吸」を考慮した理学療法が求められる場面が増えていることは、実臨床において皆様もお気づきのことかと思います。本学術大会では、より質の高い理学療法につながるよう、多領域の視点から見た「呼吸」も含めて様々な企画を設けたいと思います。呼吸理学療法の全てをひとつに、ご参加いただく皆様と紡いで強まる呼吸理学療法の力が患者さんの笑顔につながることを信じてやみません。
香川県高松市は「うどん県」として知られ、瀬戸内海に面した美しい景観と穏やかな気候が訪れる人々を温かく迎えてくれる魅力的な街です。会場のあるサンポート高松はJR高松駅の目の前に位置し、アクセスの良さに加え、周辺は県立アリーナの開業や遊歩道の整備が進み、週末には多くの人で賑わうエリアとなっています。歴史ある栗林公園や金刀比羅宮、地元の美味しいグルメなども併せてお楽しみいただければと思います。
ご参加いただけるおひとりおひとりのつながりを大切にし、「呼吸理学療法に携わっていてよかった」「呼吸理学療法っておもしろい」「呼吸理学療法をもっと知りたい」と感じていただける学術大会を目指し、準備委員一同、誠心誠意準備を進めてまいります。昨今の理学療法士の勤務体制やご家庭の事情などにより、現地参加が叶わない方、足を運んでいただいた会場以外のプログラムも視聴したいと思っていただける現地参加の方もおられると思います。本学術大会では、一部プログラムを後日オンデマンド配信出来るようご準備させていただく予定としておりますので、ぜひ多くの方にご参加いただきますようお願い申し上げます。
KKR高松病院 リハビリテーションセンター長
第12回日本呼吸理学療法学会学術大会 大会長 宮崎 慎二郎
