「臨床適用が困難と思われるような禁忌条件・合併症等のリスクファクターはない」、「自分の施設における理学療法機器を用いて実施できる」の2点について検討が必要でした。まず、1点目について、症例は筋骨格系疾患の既往を有しており、抵抗運動の実施が疼痛増悪に繋がる可能性があります。しかし、論文内で設定された運動強度によって有害事象が発生した症例はいなかったと記載されていること、筋力増強運動や有酸素運動による疼痛軽減効果については、数多くの報告がされており、その有用性は明らかであることから、セラピストの監督下で疼痛増悪に注意して介入することで安全に実施することが可能と判断しました。次に、2点目について、当院では負荷調整可能な段差昇降マシン(Power-step)を保有していないことから、同様のプログラムの実施は困難と思われました。通常の段差や階段を使用した段差昇降運動では負荷調整が困難であることから、運動の種類は異なりますが、レッグプレスマシンを使用した抵抗運動を行うことにしました。