局所管理 local control

 フィッシャーの三原則の一つ.データを記録するとき,例えば実験を行う時間帯や場所(系統誤差)に影響を受ける可能性があります.その際に実験を行う時間帯や場所を均等にした条件(実験計画法の用語で,ブロックといいます)を作り,そのブロック内でのバックグラウンドができるだけ均一になるように配慮することが「局所管理」です.「局所管理」によって,「無作為化」よりも,さらに系統誤差を小さくすることができます.
 例えば,比較したい条件がA,B,Cの3つあり,1日に6回の実験ができる場合を想定します.午前の測定ではやや高めに,午後の測定ではやや低めに記録される(系統誤差)ことがわかっているとします.そこで,各条件に午前と午後の測定における偏りが無くなるように調整する方法が「局所管理」です.「局所管理」は次に示すように実験を行う時間を午前と午後の2つのブロックに分けてブロック内にA,B,Cの条件が均等に入るようにします.高めに測定される午前と,低めに記録される午後のバックグラウンドがA,B,C,それぞれの条件に均等に割り振られて,互いにその効果を相殺することができるメリットがあります.
 
  1日目 2日目 3日目
処理(午前) ABC CAB BCA
処理(午後) BCA ACB CBA

なお,フィッシャーの三原則をすべて満たすこの例では,乱塊法による実験デザインと呼ばれることもあります.
EBPT用語集の参考文献はこちらのページ下段に掲載しています。ご参照ください。