大会長挨拶

 この度、第10回日本糖尿病理学療法学会学術大会を担当させていただくことになりました。本学術大会は2024年9月21日(土)・22日(日)の2日間にわたり、広島県広島市のコジマホールディングス西区民文化センターで開催いたします。今回が第10回目という節目を迎えるタイミングでこのような機会を与えていただきましたこと、会員の皆様に心より感謝申し上げます。
 
 糖尿病治療における理学療法士の役割は、血糖コントロールの改善はもちろんのこと、合併症の発症・進展予防など多岐にわたります。そのため、患者一人ひとりに対してベストな理学療法を選択するためには、さまざまな視点から病態を評価し、思考しながらプログラムを立案する能力が求められます。さらに、安全で効果的な理学療法を提供するためにはリスク管理は欠かすことのできない重要な要素となります。近年では、糖尿病理学療法に関係する研究成果も数多く報告されるようになり、日々、知識もブラッシュアップしていかなければいけません。このように、現在では一昔前とは異なり、糖尿病治療に関わるうえで知っておかなければいけないことがたくさん増えてまいりました。そこで今回の学術大会では「糖尿病のピットフォール」をテーマにさせていただきました。ピットフォールとは日本語に訳すと「落とし穴」になりますが、効果的な理学療法を提供するためには、「落とし穴」に落ちないように持っている知識をフル活用させ、細心の注意を払いながら治療に関わる必要があると考えています。本学術大会では、糖尿病治療に関係するさまざまな落とし穴について多角的な視点から考え、議論を深める場にできればと考えています。
 
 現在、糖尿病理学療法のビギナーからエキスパートまで、そして理学療法士以外の職種の方々にもご満足いただけるような内容をご提供すべく、準備委員一同、鋭意準備を進めております。まだ完全にコロナ過が終息したわけではございませんが、今回の学術大会は対面のみで開催することにいたしました。一人でも多くの方に会場へご参集いただき、最新知見の集積と活発な討議を重ねていただくことで、活気に満ちた学術大会となることを期待しております。ぜひ広島で皆様にお会いできることを心より楽しみにお待ちしております。
 

第10回日本糖尿病理学療法学会学術大会
大会長 片岡 弘明