統計解析 statistical analysis

統計解析は,統計的解析,統計(的)手法,統計(的)方法など,様々な呼称がありますが,どれが正しい用語ということはなく,何れも用いられます.これらのうち,近年では「統計解析」を用いるようになってきています.
また,「統計処理」という用語も散見されますが,言葉の意味を考えても統計解析に代わる用語ではありません.
統計解析とは,統計学の理論に従い,統計をもとにして解析を行うことです.統計とは,集団の特性を客観的な数量(平均や中央値)で表すことであり,求められた数量を統計量といいます.統計量の計算の基となるものがデータです.
統計解析には,推定と統計的仮説検定があります.推定は,データから得られた推定量に対して,統計学の理論をもとにして母集団の様相を推測することを意味します.統計的仮説検定は,何らかの判断を行うために,両極端な仮説(差があると差がない,など)を設定し,統計学の理論を利用して仮説が受容できるかできないかを調べるものです.
たとえば,データの平均を求める,中央値を求める,95%信頼区間を求めるといったことから,重回帰分析を行って回帰式を求める,主成分分析を行って主成分負荷量を求める,などの手法は推定の範疇に入ります.2標本t検定,相関の検定,Tukey法による多重比較法を行って,有意確率を求め,何らかの判断(差があるとか,相関があるなど)を下すことを統計的仮説検定といいます.これらの解析全てをひっくるめて,統計解析と呼びます.
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