イラストで見るEBPTの実践
第4回 「アウトカム評価指標を臨床で活用しよう」

群馬大学 医学部 保健学科
臼田滋

イラスト執筆:
大阪電気通信大学 総合情報学部
デジタルアート・アニメーション学科
しもはたふゆ

2. アウトカム評価指標のデータベースにアクセスしよう

アウトカム評価指標のデータベースにアクセスしよう
新人PT:
学生時代に読んだ教科書や体験した評価項目からは、10m歩行テスト位しか思い出さないのですが、他になにがありますか?
先輩PT:
もっといろいろありますよ。理学療法の評価に関係した書籍や、臨床評価指標についての書籍、脳卒中に対する理学療法の書籍やガイドラインなど沢山ありますよ。ネットで探してもヒットするかもしれませんね。
新人PT:
いっぱいありそうですね。調べてみます。
先輩PT:
評価指標の情報源は沢山あります。どのような測定法があるのか分からない場合には、先程の書籍やネット上のデータベースなど幅広く調べる必要があって、使えそうな評価指標が見つかるまで少し時間がかかるかもしれません。
評価指標の名前を知っている場合には、書籍の索引を当たったり、ネットのデータベースで検索すれば評価指標の開発や活用に関係した文献のリストが手に入ります。文献名が分かれば、PubMedでフルテキストをダウンロードできるかもしれませんし、大学の図書館で申し込めば、原文が手に入ります。書籍では、評価指標の使用方法や、信頼性などの尺度特性、その評価指標が使用されている文献のレビューなどが解説されています。ガイドラインでは、これらの情報に加えて、推奨グレードが示されているので、評価指標を絞り込むときの参考になります。
新人PT:
普段からいろいろな書籍に眼を通しておく必要がありますね。
先輩PT:
そうですね。今回は、ネット上で利用できる理学療法に関連したアウトカム評価指標のデータベースを使用してみましょうか。
アメリカ理学療法士協会(APTA)の神経系部門ではEDGE(Evidence Database to Guide Effectiveness)というデータベースを公開しています。
そこには、脳卒中版も含まれており、StrokEDGEと呼ばれています。
また、EBRSR (Evidence-Based Review of Stroke)の アウトカム評価指標のデータベースや、IN-CAM(Canadian Interdisciplinary Network for Contemporary & Alternative Medicine Research)のデータベースなどがあります。
今回は、APTAのStrokEDGEのデータベースで使用できそうな評価指標があるか調べてみましょう。
新人PT:
調べてみました。全部で54個の評価指標が収録されています。ICFの心身機能・身体構造の要素が16、活動が27、参加の要素が12ありました。この中で歩行能力に関連して活動の要素に該当する評価指標は8個ありました。

第4回 「アウトカム評価指標を臨床で活用しよう」 目次

2011年09月02日掲載

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