イラストで見るEBPTの実践
第6回 「中枢神経疾患治療に新しい風を送ろう」

社会医療法人財団慈泉会相澤病院 リハセラピスト部門
大塚 功

イラスト執筆:
大阪電気通信大学 総合情報学部
デジタルアート・アニメーション学科
しもはたふゆ

3. 脳卒中患者に対するEBPTを探る

脳卒中患者に対するEBPTを探る
先輩PT:
Aさん、脳卒中患者さんのEBPTについて何かわかりましたか?
新人PT:
はい、教えていただいた協会のホームページにある「EBPT はじめの一歩」を参考にPICOに基づいて考えてみました。○○さんの状態から、
P:脳卒中片麻痺患者
I:神経生理学的アプローチ
C:課題指向型アプローチ
O:歩行能力の改善
で設定してみました。そこで、PEDroでstroke and motor and recoveryというキーワードで文献を検索すると、Lancet NeurologyからMotor recovery after stroke: a systematic review という二次情報が得られましたので訳してみたら、脳卒中患者さんの運動性、歩行能力の改善に効果的な介入として、課題の繰り返しトレーニングが神経生理学的アプローチよりも効果的であると述べられていました。さらに、フィットネス・高頻度リハ・体重免荷トレッドミルトレーニング(BWSTT)も歩行能力改善効果が期待できると記されていました。他には上肢機能の改善にはバイオフィードバックや機能的電気刺激(FES)が有意な効果があると・・・。
先輩PT:
よく調べましたね、でもPTが患者さんにかかわれる時間は限られていますよ。
今回調べた結果を、○○さんに適用できるかどうか検討してプログラムを考えましょう。

第6回 「中枢神経疾患治療に新しい風を送ろう」 目次

2011年12月08日掲載

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