理事長挨拶
こんにちは
日本精神・心理領域理学療法学会理事長の上薗です。
2025年4月、本学会は研究会としての活動を経て、新たに「日本精神・心理領域理学療法学会」として学会化いたしました。これは、精神・心理領域における理学療法の重要性が広く認識され、その学術的・臨床的発展の必要性が高まっていることの証左であると考えています。
これまでの活動を振り返ると、診療報酬改定により精神科救急の場面での疾患別リハビリテーションの算定が可能となり、理学療法士の役割がさらに拡大してきました。また、認知症リハビリテーション料の算定開始や、精神科療養病棟での疾患別リハビリテーションの導入を通じ、精神疾患を持つ患者への身体的アプローチが徐々に定着しつつあります。
これまでの11年間、当学会は多施設研究や科研費研究を通じて、学術的な発展に貢献してまいりました。臨床現場では、精神疾患を持つ患者が機能回復を果たし、ADLの改善が確認される事例が増えています。また、精神科療養病棟において転倒・転落事故の予防の重要性が高まり、理学療法士の活躍の場は一層広がっています。
しかしながら、精神・心理領域の理学療法は、まだ学術的にも職能的にも成熟の途上にあります。その発展を促すため、当学会では今後も他分野との連携を強化し、学校教育、嚥下、発達障害、身体疾患に起因したうつなどとのコラボレーションを進めてまいります。これにより、精神症状に対する理学療法の理解を深め、現場での実践の質を向上させることを目指します。
今後は、理学療法士が精神・心理領域でより高度なリハビリテーションを提供できるよう、研修の充実を図り、学術研究の発展に寄与してまいります。本学会が皆様の活動の支えとなり、この分野の発展の一翼を担えるよう努めていきたいと思います。
ぜひ、皆様のご参加とご支援をよろしくお願い申し上げます。
日本精神・心理領域理学療法学会
理事長 上薗 紗映