イラストで見るEBPTの実践
第2回 「アウトカムってなに?」

3. 介入効果の指標

理学療法士が一人で患者さんの今後を考えている場面

理学療法による介入効果の指標には、いろいろな要素があります。代表的なものとして、国際生活機能分類(ICF)の各要素や、健康に関連した生活の質(Heath Related Quality of Life:QOL)があります。ICFの要素にも心身機能と身体構造・機能障害、活動・活動制限、参加・参加制約の3つがあります。アウトカムの指標を選択する場合には、対象の主要な問題や重点を置いている介入内容、あるいは発症からの経過期間等を考慮して、まずはこれらの中のどの要素に焦点をあてるかを考えます。

機能障害に比較的限定した介入であれば、機能障害レベルの帰結を選ぶべきです。歩行能力などの活動制限に対する多様な介入・練習の効果をみるのであれば、活動制限レベルや課題遂行能力を選択します。さらに、生活指導や運動習慣なども含めて幅広い介入に対しては、活動全般から参加制約、HRQOLに関する指標を選択します。

家事や地域社会への参加、およびHRQOLは、患者さん自身の今後の人生にとって、とても重要な要因です。しかし、急性期や回復期病棟に入院中にはこのような要素を経験する機会もないので、指標としては適切ではありません。退院後に計画的に測定することが望まれます。

第2回「アウトカムってなに?」 目次

2011年04月28日掲載

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