第3回学術集会

第3回学術集会は第51回日本理学療法学術大会との同時開催です

お知らせ

第51回日本理学療法学術大会(第3回日本呼吸理学療法学会学術集会)の事前参加登録期間が延長されております。
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開催概要

開催日 平成28年5月27日(金)-29日(日)
会場 札幌コンベンションセンター/札幌市産業振興センター
学術集会長 玉木 彰(兵庫医療大学)
準備委員長 山下 康次(市立函館病院)
第51回日本理学療法
学術大会ホームページ
http://www.c-linkage.co.jp/jspt51/index.html
日本呼吸理学療法学会
Facebookページ
https://www.facebook.com/jsrpt/

学術集会長挨拶

第3回日本呼吸理学療法学会学術集会
会長  玉木 彰
(兵庫医療大学大学院医療科学研究科 研究科長・教授)
 
 このたび第3回日本呼吸理学療法学会学術集会を、第51回日本理学療法学術大会における分科会学会として平成28年5月27日~29日の日程で札幌コンベンションセンターおよび札幌産業振興センターにおいて開催させて頂きます。
 昨年、一昨年は当学会で単独開催をして参りましたが、今年は第51回学術大会が連合学会として開催されるため、その中の企画として実施することになりました。
 本学術集会では、当学会企画プログラムとして3つを予定しております。まず一つ目は「若手会員のための役立つ症例検討会」として、経験豊富な講師から急性呼吸不全および慢性呼吸不全の症例を各一例ずつ提示して頂き、どのように評価し、それをどう解釈し、さらに評価結果に基づいてどのような介入を行っていくのかという、最も基本的かつ重要である症例検討会を行います。呼吸理学療法の経験が浅い、あるいはこれから呼吸理学療法に携わろうと考えている若手会員にとって、とても参考になることと思います。
 二つ目は「エキスパートのための呼吸理学療法~早期離床におけるPro-Con~」という企画です。呼吸理学療法における早期離床は、早期の回復を促すためには非常に重要であることは様々な研究から明らかになっていますが、現在ではその言葉だけが先走り、とにかく早く離床させることが良いことであるといった誤った風潮になっているように感じることもあります。そこで今回は、早期離床の有用性や必要性に対する賛成派(推進派)と反対派(慎重派)の立場分かれ、会場の皆様とともにディスカッションしたいと考えています。
 そして三つ目は「神経疾患の呼吸管理と理学療法:up to date」として、この分野の第一人者であるお二人の先生に、医師と理学療法士のそれぞれの立場から最新の情報を御講演頂くことになっております。
 また日本呼吸理学療法学会からの演題発表としては、全分科会学会総演題数1758題の内、口述30題、ポスター59題の計89題(約5.1%)が予定されています。今回も急性期から慢性期まで様々な研究発表がされる予定ですので、是非活発な議論が繰り広げられることを期待しております。
 このように今年の学術集会も運営幹事の先生方の協力により、大変魅力的な企画を立てることが出来ました。
 本学術集会が、会員の皆様の明日の臨床や研究に様々な示唆を与えてくれることを願っております。

第3回日本呼吸理学療法学会学術集会         会長 玉木 彰

第3回日本呼吸理学療法学会学術集会         会長 玉木 彰

日本呼吸理学療法学会
企画プログラム

「若手会員のための役立つ症例検討会」
日 時:5月28日(土) 9:30~11:00
講 師:瀬崎 学 (新潟県立新発田病院) 宮崎 慎二郎 (KKR高松病院)
司 会:玉木 彰 (兵庫医療大学) 木村 雅彦 (北里大学)

司会の言葉 ~若手会員のための役立つ症例検討会~
 我が国では毎年多くの理学療法士が誕生し,臨床に赴いていますが,医学界の先端知見や技術の進歩はめざましく,そして本邦における高齢者数の増加の程度はさらに加速していることから,卒前卒後に十分な臨床に即した勉学や研修の機会が得られていないことも危惧されます。理学療法士は単にガス交換の改善を図るだけではなく,患者の病態と全身像を把握し,適切な評価に基づく治療介入を行わなければなりません。
 今回は,近年早期離床が推奨される背景の一つともなっているIntensive Care Unit Aquierd Weakness(ICU-AW)やsarcopeniaに代表される栄養障害を中心に,エキスパート理学療法士の視点で病態とその管理状態をどのように評価し,何を目標として実際の介入を行うのかについて解説します。

「エキスパートのための呼吸理学療法 早期離床におけるPro-Con」
日 時:5月28日(土) 11:20~12:50
講 師:山下 康次 (市立函館病院) 岸川 典明 (愛知医科大学病院)
司 会:小川 智也 (公立陶生病院) 笹沼 直樹 (兵庫医科大学病院)

司会の言葉 ~エキスパートのための呼吸理学療法 早期離床におけるPro-Con~
 早期離床は1940年代からLeithause (1941年), Ferguson LK (1941年), Colwell B (1945年)らによりその有効性が示されはじめた。本邦においては1970年代からおもに整形外科症例(渡辺ら, 1977年)や産褥期症例(窪田, 1978年)において報告され,則行ら(1996年),二村ら(1996年)により外科術後の呼吸器合併症の予防に必要であるとの報告がなされた。それ以降,本邦における早期離床は呼吸器合併症予防の見地から急速に拡大した。さらに近年では「痛み,不穏,せん妄管理のための臨床ガイドライン」(日本集中治療医学会, 2014年)によって早期離床の臨床的有用性は揺ぎないものとなってきている。
 しかし一方,臨床現場においては看護師や理学療法士などにより明確な目的や機能改善への機序の理解が不十分なまま早期離床の名の下に,とにかく座らせる,立たせる,歩かせるといった介入が頻繁に行われるようになってきている。また,離床の開始基準や中止基準が明確ではなく,離床の進行度も各施設によって異なるのが現状である。
 本企画のpro-conでは呼吸理学療法の一手段としての早期離床について,エビデンスに基づいた討論を企画している。早期離床がもたらす効果や理学療法の一手段としての理論的背景や妥当性について,フロアを交えた深い討議がなされることを期待したい。

「神経筋疾患の呼吸管理と理学療法:up-to-date」
日 時:5月29日(日) 11:50~12:50
講 師:石川 悠加 (八雲病院) 三浦 利彦 (八雲病院)
司 会:神津 玲 (長崎大学)

司会の言葉 ~神経筋疾患の呼吸管理と理学療法:up-to-date~
 神経筋疾患における呼吸障害は,呼吸筋麻痺に起因した換気運動障害を特徴としています。従来,本疾患群における呼吸管理では,気管切開による人工換気を必須としていました。患者さんにとって,人工呼吸器からの完全な離脱は極めて困難であり,生涯にわたっての人工呼吸管理を余儀なくされていました。しかし,およそ30年前より気管切開によらない人工呼吸管理,すなわち非侵襲的人工換気(NIV)という全く新しい呼吸管理が導入されてきました。NIVは呼吸管理の「革命」とも言え,会話や経口摂食が可能で,離床や身体活動が容易であるという利点は大きく,何よりも患者さんやご家族にとってQOL(生活の質,人生の質)向上が得られ,多くの可能性を豊かにする素晴らしい効果を発揮しています。反面,NIVは気道確保が保証されていないために,特に気道分泌物排出は重要な課題になります。その成功のためには理学療法の実施が必要不可欠です。
 この度,本領域の第一人者で,気鋭の臨床医である石川悠加先生と理学療法士の三浦利彦先生をお迎えし,その最新知見についてご講演をいただける機会に恵まれました。お二人そろってのご講演は意外にも少なく,大変貴重な機会でもあります。参加者の皆様には,ぜひご来場いただき,本領域の進歩について学んでいただきたいと思います。