批判的吟味 critical appraisal
EBPTの5つのステップの一つには,「ステップ3 収集した情報(検索文献)の批判的吟味」があります.批判的吟味とは,入手したエビデンスの結果を鵜呑みにするのではなくバイアスを含んでいないかどうかを判断するための手続きのことを指します.一次資料の文献を批判的に吟味する場合のチェックポイントとしては,①研究デザインは適切であるか (ランダム化比較試験(RCT)であるか),②比較した群間のベースラインは同様であるか,③盲検化[→盲検法(ブラインディング)を参照]されているか,④患者数は十分に多いか,⑤割り付け時の対象者の85%以上が介入効果の判定対象となっているか(脱落者が15%以内であるか),⑥治療企図解析(ITT解析)がされているか,⑦統計解析は妥当であるか,⑧結果と考察との論理的整合性が認められるか,などの点があげられます.システマティックレビューなどの二次資料を入手した場合には,専門家によって内的妥当性[→妥当性を参照]が吟味されているため,ステップ3の文献の批判的吟味は行わず,ステップ4の患者への適用についての吟味に進みます.
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