PEDro検索のコツ

EBPTの手順のうちの「質の高い情報の効率的収集」と「情報の批判的吟味」は二次情報源であるPEDroを用いることにより省力化できます。

PEDroの検索から得たエビデンスを「情報の患者への適用」のステップにおいて利用し、臨床の問題点に適用する妥当性を判断した後、最終的に「適用結果の分析」へと進むことができます。エビデンスの検索を円滑に行うためには「患者の問題の明確化」と適切なキーワードの抽出が重要となります。

PEDroのデータベース検索のおおまかな流れ
【Simple search page (検索ページ)から入ってPEDroデータベースを検索する手順】

1. Simple search pageにある検索項目にキーワードを入力して検索を開始します。

例として、キーワードを trunk (体幹) 、 hemiplegia (片麻痺)と入力して検索してみます。

キーワードを入力して検索を開始

キーワードを入力して検索を開始

2. 検索をかけると一連の登録文献がsearch results (検索結果)に出ます。

検索結果には表題とPEDro score (評点)がリスト表示されます。

系統的総説(systematic reviews)が一つ、 無作為化比較試験(Randomized controlled trials)が3つ表示されました。

検索結果

検索結果

3. 表題をクリックして選択するとdetailed search result(詳細な検索結果)が出ます。

そこに著者、表題、方法、評点、抄録が表示されます。

今回は、抄録が表示されませんでしたが、そのような場合でも赤い文字で表示されているアドレスで見ることができるかもしれません。

詳細な検索結果

詳細な検索結果

実際にクリックしてみると、収録雑誌のホームページが表示され、その総目次から検索した文献を選択して、そのフルテキスト(全文)のページを開き、無料で見ることができました。

収録雑誌

収録雑誌

フルテキスト

フルテキスト

Detailed Search Result (詳細な検索結果)のページには、検索している文献の抄録や全文がPubMed経由で入手できるかどうかを自分で確認できるように、PubMedへのリンクがページの最後についていることもあります。

PubMedへのリンク

PubMedへのリンク

そのような時はそのアドレスをクリックすると、PubMed Single Citation Matcherという画面が別ウィンドウで開きます。その間、PEDro内の検索画面は、引き続き開かれたままになっています。 このPubMed Single Citation Matcherの検索ボックスに求めている文献の書誌情報の項目をいくつかPEDroの画面からコピーアンドペーストで入力します。通常、著者名(名前の最初のみで可)と掲載誌の最初のページ数だけの入力でヒットする場合が多いですが、そうでない場合は、文献のタイトルやジャーナル名などを追加して入力すればよいでしょう。

検索開始

検索開始

そしてページ下段にある「Go」をクリックすると、検索が開始され、文献の抄録を見ることができます。

文献の抄録

文献の抄録

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検索方法の詳細
【Advanced search pageから入ってPEDroデータベースを検索する手順】

1. Advanced search page(検索ページ)を開きます。

検索ページ

検索ページ

2. 検索フィールドのテキストボックスへキーワードの英文字をタイプ入力するか、治療方法、問題、身体部位などはプルダウンメニューから選択します。

Abstract&Titleの枠にひとつ以上のキーワードをタイプ入力することが最も効率的です。(入れすぎると文献がヒットしにくい場合があります)
さらに、出版年やPEDro scoreを指定して検索することも可能です。
より最新の文献を探したい場合には、Homeの画面のupdatesがおすすめです。
専門分野ごと月に1度更新されています。
分野は9つあり次の通りです。

  • cardiothoracics (心胸部)
  • continence & womens health (失禁と婦人保健)
  • ergonomics and occupational health (人間工学と産業保健)
  • gerontology (老年学)
  • musculoskeletal (筋骨格系)
  • neurology (神経学)
  • orthopaedics (整形外科学)
  • paediatrics (小児科学)
  • sports (スポーツ)

3. search pageの一番下のReturnで一度に表示する文献の数を(5~50件まで)選択できます。(標準設定では各ページに20件の文献を表示します)

4. Start Searchボタンをクリックすると検索作業が始まります。

【検索フィールドのキーワード入力】

Abstract、 Author、Source、Titleのテキスト入力枠のいずれでも有効です

【ワイルドカードの使い方】

例1

enthesopathyやenthesopathiesという単語を含む文献を検索する場合、enthesopathとタイプすれば、それが単語の頭に付くenthesopathyやenthesopathiesのどちらの単語も含む対象を検索してくれます。

例2:*

単語の頭に*(アステリックス)のマークをつけると、異なるつづりの同一語を探すことができます。たとえば、edema、oedema、lymphedema、lymphoedemaについての文献を探したい時、テキストフィールドに*edemaとタイプする。アステリックスはあらゆる文字の代わりになります。

例3:@

単語の中の1文字が不明な時、@記号を使うことができます。たとえば、もし著者名がRawsonかRawsenなのかわからない文献を探す時、Raws@nと入力するといずれも検索することができます。

例4:=

検索語の前に「=」を入力すると完全一致での検索ができます。たとえば、「=Bo」は「Bo K 」や「Williams BO」を含むすべてのデータを表示するが、「Boers M」を含むデータは表示しません。

例5:...

たとえば、1990年から2000年に発表されたデータを検索したい場合、出版年(Published Since) のフィールドに「1990 ... 2000」と入力すると検索が行えます。1990年に発表された臨床試験を探すときには、「1990...1990」と入力するとよいでしょう。この演算はクオリティスコアが特定の範囲であるデータを検索する場合にも使えます。

【キーワード組み合わせ検索】

AND演算子の使い方

入力したすべてのキーワードを含む文献を探す場合はAND演算子を使います。(search pageの一番下にあるMatch all search terms の隣のボタンをクリックすると有効になります)
これにより、すべてのキーワードを含む文献のみが検索できます。
ひとつだけのキーワードを使って出た文献が多すぎる場合は、絞り込みのためにキーワードを組み合わせてこのボタンをクリックします。

OR演算子の使い方

入力したキーワードのうちどちらかを含む資料を探す場合はOR演算子を使います。(search pageの一番下にあるMatch any search termsの隣のボタンをクリックします)
これにより、どちらかのキーワードを含む文献すべてが検索されます。
ひとつだけのキーワードを使って出た文献が少なすぎる場合は、検索範囲を拡大するためにキーワードを組み合わせてこのボタンをクリックするとよいでしょう。

テキストフィールドに連語でひとつの意味を持つ単語を入力した場合はそれぞれが単独の単語として扱われてしまいます

(例)入力の枠にlateral epicondylitisとタイプし、Match all search termsボタンをクリックすると、lateralとepicondylitisの両方の単語が含まれる文献のみが出てきます。その代わりに、Match any search termsのボタンをクリックすると、lateralかepicondylitisのどちらかが含まれる文献すべてが出てきます。

ふたつ以上の単語をカッコでくくってひとつの単語と同じ扱いになります

(例)間にスペースやコンマをはさんだ二つ以上の単語を逆さコンマでカッコにくくることで、ひとつの単語のように扱うことができます。たとえば、“lateral epicondylitis”はAND演算子で二つの単語を結びつけることと同じ効果を持ちます。

ふたつ以上の単語をカッコでくくりワイルドカードを入れると可能となる機能

(例)逆さコンマのカッコの間に*記号や@記号のワイルドカードを入れることもできます。たとえば、“Medicine *Rehabilitetion”とすると“Physical Medicine and Rehabilitation”と“Physical Medicine & Rehabilitation”のいずれの用語も含む文献を抽出することができます。

2010年04月17日掲載

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