「若手研究者ネットワークシンポジウム」

第8回 基礎理学療法学 若手研究者ネットワークシンポジウムが開催されました

2024年8月24~25日に奈良県北葛城郡にて「第8回 基礎理学療法学 若手研究者ネットワーク シンポジウム」が開催されました。
 
【開催概要】
日時: 2024年8月24日(土)~25日(日)
場所:畿央大学&信貴山観光ホテル(合宿形式)
代表: 大住 倫弘(畿央大学)
準備委員長:林田 一輝(宝塚医療大学)

「第8回 基礎理学療法学 若手研究者ネットワーク シンポジウム」を終えて
 
代表 大住 倫弘
(畿央大学)

 
第8回基礎理学療法学若手研究者ネットワークシンポジウムにご参加頂き有難うございました.今回はコロナ前のように『合宿形式』で実施し,約60名の方にご参加頂き,約40題の話題提供をして頂きました.
1日目の口述発表では,発表5分,ディスカッション10分という普段の学術集会ではないスケジュールにした甲斐あって,ディスカッションは予想以上に盛り上がり,発表者にとっても「良い練習の場」になったと思いました.また,ポスター発表でも「普段の学術集会ではあまり質問がないが,今回は多くの質問をもらった」というコメントもあり,いつもながらの盛り上がりがあったように思います.また,夜の企画においても,海外留学事情や最近の研究事情について複数の講師の先生にラフにトークをして頂きました.食事をしながらの形式ということもあってか,普段では聞くことができない情報を得られたように思います.2日目の特別講演,シンポジウムでも,良い雰囲気のままの実施であり,多くの質問があり,成功裏に終えることができたのではないかと思います.
最後に,ご参加,ご協力いただきました皆様に心より御礼申し上げます.また,来年も熱いディスカッションができれば幸いです.

参加者の声

今回の参加は,第4回基礎理学療法学夏の学校以来2回目でした.大学院生(修士)として参加した前回と比較して,今回はより多くの研究者や教育機関の方々と密な情報交換ができて大変うれしく思っております.
私は「脊髄に対する深部刺激用の静磁場刺激(シン磁場)がH反射に及ぼす効果の検証」というテーマでポスター発表をさせていただきました.非侵襲的な脳刺激法に関する研究は数多く行われていますが,今回私が使用した静磁場は,ヒトの神経活動を調節する技術に応用され始めてからわずか10数年の歴史しかありません.他の非侵襲的脳刺激法と比較して,静磁場が人体におよぼすメカニズムや効果に関する知見はまだまだ少ないですが,近年ではいくつかの神経疾患に対する有望な結果も報告され始めております.本シンポジウムでは,臨床で活躍されている先生方や基礎研究を進められている先生方など多方面の視点から次の研究に繋がるアドバイスをいただけた点が非常に有益であったと感じております.様々いただいたご意見を踏まえて,より一層研究活動を進めていきたいと思えるようなシンポジウムでした.
最後になりますが,第8回若手研究者ネットワークシンポジウム代表の大住 倫弘先生をはじめ,開催にあたりご尽力いただいた運営委員の皆様,ご関係者の皆様に心より厚く御礼申し上げます.ありがとうございました.
(新潟医療福祉大学 リハビリテーション学部 理学療法学科 星 春輝)

私は修士・博士課程を通して,「運動学習を促進させる非侵襲的脳刺激法の開発」を目標に研究活動に励んできました.これまでは目の前の研究課題に一心に向き合ってきましたが,研究者として飛躍するためには,研究者間のネットワークを通じて情報交換をしながら,研究の質を高める必要があると感じていました.そこで,今回初めて若手ネットワークシンポジウムに参加いたしました.
私はヒトを対象とした研究内容として,「小脳に対する経頭蓋直流電流刺激と経頭蓋ランダムノイズ刺激は小脳と一次運動野の経路に異なる作用をもたらす」というタイトルで口述発表をさせていただきました.質疑応答や2日間にわたる交流を通じて,動物実験から臨床研究まで,幅広い分野に取り組まれている先生方から貴重なご意見をいただき,異なる視点は新しい発見を生むことを実感しました.
合宿形式の本シンポジウムでは,温泉を堪能し,美味しい食事を頂きながら世界でご活躍される先生方のお話を拝聴し,最初から最後まで楽しくて充実した時間を過ごすことができました.また,同世代の研究者同士の交流では,研究だけでなく日々の悩みを共有する機会ともなり,同世代ネットワークの重要性を強く感じました.
今回の学会で吸収した知識とエネルギーを,今後の研究活動へ繋げ,若い世代のネットワークが今後の日本基礎理学療法学会を牽引していけるよう努力し続けたいと強く思いました.最後に,このような貴重な会を提供してくださった運営委員の先生方に深く感謝申し上げます.
(新潟医療福祉大学大学院 川上 紗輝)

今回,初めて合宿形式の若手研究者ネットワークシンポジウムに参加させていただきました.以前に一度,若手研究者ネットワークシンポジウムに参加したことはありましたが,コロナ禍であり宿泊を伴わない限られた中での交流となっておりました.やはり,対面形式での開催そして,食事をしながら意見交換できることの良さを強く実感いたしました.普段は研究室内での議論にとどまりますが,こうした会に参加することで分野が異なる研究者も交えて夜遅くまで交流できることは,将来にとって大変貴重な機会だったと思いました.
さて,私は「関節間協調性を分析する手法の検討:段差跨ぎ動作に着目して」というタイトルでポスター・口述の両方で発表をさせていただきました.この研究は,これまでにほかの研究のために取得した高齢者と若齢者が段差を跨ぐ際のデータを再解析したものです.特殊な分析を用いて,障害物回避時の関節間協調性を定量化する試みとなります.本研究の結果では,高齢者と若齢者の間で動きの違いを見出すことはできませんでしたが,今後は脳卒中患者など疾患を持つ対象者にて分析していくことで,有意義な評価方法となることが期待されます.シンポジウムの中でも,今後の発展性については多くの議論をさせていただくことができました.私がこれまでに持ち合わせていなかった神経生理学的な視点やより深い運動制御の視点などこれからの研究活動に生きていくような意見をいただき,視野を広げることができました.
また,研究活動の発展だけでなく多くの若手研究者の仲間ができたのが,本シンポジウムの大きな特徴です.名刺交換だけにとどまらず,今後の研究生活において重要な存在になってくれると確信しています.最後に本シンポジウムの開催にご尽力されました先生方には深く感謝申し上げます.
(東京都立大学人間健康科学研究科/日本学術振興会特別研究員 須田 祐貴)

若手研究者ネットワークシンポジウムに2回目の参加をさせていただきました.前回参加したのはオンラインで開催された第5回のシンポジウムであり,修士課程1年目の時であったため,他の先生方とディスカッションするのに必死だったことを覚えています.今回は初めての対面での参加ということで,前回よりも多くのディスカッションとネットワーク形成ができ,大変有意義な会となりました.特に,今回から合宿形式が復活し,夜中までお酒を交わして研究について語り合ったことが印象的でした.
私は「立位姿勢制御における注意焦点の優位性とその神経メカニズム」というタイトルで口述発表とポスター発表をさせていただきました.脳波研究とニューロモデュレーション研究から,注意機能の個人差に基づいた個別最適型リハビリテーションの有効性を示唆する内容でしたが,多くの貴重なご意見をいただけて自身の研究を整理するいい機会となりました.また,今後どのように研究を発展させていくべきか悩んでいましたが,参加された先生方との活発なディスカッションを通じて,新たな可能性を見出すことができました.今回交流できた先生方とともに基礎理学療法分野を盛り上げていけるよう,より一層研究に邁進したいと思います.
最後になりますが,大住倫弘先生,林田一輝先生をはじめとして,企画や準備にご尽力くださった運営の先生方に御礼申し上げます.ありがとうございました.
(京都橘大学大学院健康科学研究科 澤井 舜)

今回,初めて若手研究者ネットワークシンポジウムに参加させていただきました.現地に到着するまでは参加される先生方と打ち解けることができるだろうかという不安を抱えていましたが,各プログラムや懇親会の中で様々な先生方に優しくお声掛けいただき,とても有意義な時間を過ごすことができました.このシンポジウムを通して「お会いできた同世代の先生方との繋がりを大切にしていきたい」,「この学会の次世代を担う若手研究者の先生方にもお話を伺ってみたい」と強く感じました.
また,私は若手研究者講演にて「異なる契機で発生した線維化が関節可動域制限におよぼす影響 ―関節固定モデルと除神経モデルの比較―」というテーマで登壇の機会をいただきました.発表時の質疑応答だけでなく,発表後にも多くの先生方と意見交換できたことは私にとって大きな財産となりました.同時に,自身の考えを言語化する難しさも痛感し,これから改善に取り組むべき課題に気づくこともできました.今回の経験を糧に,研究者としてさらに成長できるよう自己研鑽に励んでいきたいと思います.
最後になりますが,このような素晴らしいシンポジウムの企画・運営にご尽力賜りました先生方に心より御礼申し上げます.ありがとうございました.
(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 瀬口 千晶)

第7回 基礎理学療法学 若手研究者ネットワークシンポジウムが開催されました

2023年8月26~27日に宮城県仙台市にて「第7回 基礎理学療法学 若手研究者ネットワーク シンポジウム」が開催されました。
今回は「基礎と臨床の橋渡し」をテーマに開催し、個々の専門領域や立場の垣根を超えたクロストークが行われました。

【開催概要】
日時: 2023年8月26日(土)~27日(日)
場所:東北文化学園大学(対面開催:一部ハイブリッド開催)
代表: 鈴木 博人(東北文化学園大学)

「第7回 基礎理学療法学 若手研究者ネットワーク シンポジウム」を終えて
 
代表 鈴木 博人
(東北文化学園大学)

 
第7回基礎理学療法学若手研究者ネットワークシンポジウムにご参加いただき、誠にありがとうございました。今回はコロナ禍への多様な対応状況を鑑み、合宿形式を控え、ハイブリッド形式で開催いたしました。通常と異なる開催方式であるため皆様に参加いただけるか不安なところもございましたが、おかげさまで75名の方にご参加いただき、57題の話題提供をいただきました。
一日目は対面形式で開催いたしました。話題提供者の中から18名の方を選出させていただき、6つの若手研究者講演を実施いたしました。今回は「発表15分・質疑応答5分」で運営させていただきましたが、質疑応答の時間が足りなかったと感じております。この課題については次大会へ引き継ぎ、新しいスタイルでの実施を検討しております。また、ポスターセッション会場についても、熱気に包まれ「空間にポスターと研究者が集まれば、議論が広がる」という夏の学校時代から引き継ぐ雰囲気を改めて体感させていただきました。二日目はハイブリット開催とし、「基礎と臨床の橋渡し」をテーマにした講演とシンポジウムで構成いたしました。講演・シンポジウムともに、研究環境構築の手解き、マインドセットの仕方や生活上の工夫など具体的なレクチャーをいただきました。講師・シンポジストの皆様のお力により、有益な情報の詰まったプログラムに仕上げていただいたと感じております。
本事業を運営し,対面での交流がネットワーク構築において最良の方法であると改めて実感いたしました。次年度は合宿形式で開催予定であり、コロナ禍で構築した「顔の見える関係」を「温度を感じる関係」に発展させる絶好の機会になると思っております。第7回大会がその橋渡しの役割を果せていれば幸いです。最後に、ご参加、ご協力いただきました皆様に準備委員会を代表して心より御礼申し上げます。

 

受賞者の声

今回,初めて基礎理学療法学若手研究者ネットワークシンポジウムに参加し,思っていた以上に熱心な参加者が多いことに驚きました.特に,ポスター発表会場では,非常に多くの活発な議論が行われており,大変有意義な会であると感じました.
 私は,「運動療法の健康増進効果の万能性の背景にある分子メカニズム解明と,それに基づく模擬運動療法機器の開発と臨床応用」というタイトルで発表致しました.具体的には,マイルドな筋収縮時に生じる筋内圧を再現する介入にて廃用性筋萎縮を予防できること(Saitou et al., Clin Sci 2018, Sakitani et al., J Vis Exp 2019)や,走行運動で頭部に生じる衝撃を再現する介入にて,運動による高血圧改善効果を,ラットとヒトで再現できること(https://www.nature.com/articles/s41551-023-01061-x),そしてこれらの背景には間質液流動を介した力学的な細胞機能制御が関与することなどをお話致しました.これらの研究成果は,理学療法の大きな柱のひとつである運動療法の本質に迫る研究成果のひとつだと私たちは考えております.多くの方にこれら研究の将来性を感じて頂き,賞を頂くことができたことは大変嬉しく思います.
 今回は,ネズミやヒトの頭に衝撃を加える研究で賞を頂きましたが,次は皆様の心に衝撃を与えられるような研究ができるように努力していきたいと思います.
(産業技術総合研究所 生命工学領域 研究員 﨑谷 直義)

参加者の声

私自身,基礎理学療法学 若手研究者ネットワークシンポジウムに現地参加したのは今回が初めてでした.対面開催の雰囲気がわからず少し緊張しながら現地に到着しましたが,その緊張が受付ですぐにほぐれました.理由は,受付の方に明るくて丁寧なご対応をいただいたからです.実際にシンポジウムが始まる前から,準備委員の方々のチームワークの良さ,雰囲気の良さ,明るさを強く感じ,学会開始前にある「重い空気」が全く感じられませんでした.テキパキとした働きぶり含め,準備委員の方々の「人力」が,まず,私が本会に参加して印象に残った点です.
さて,私は,僭越ながら若手研究者講演演題に選出いただき,「リハビリテーション医療デジタルトランスフォーメーションを実現するためのシステムの開発および概念実証試験」というタイトルで,口述・ポスター発表をさせていただきました.おそらく基礎理学療法領域ではあまり馴染みながない,プロダクト開発における概念実証試験の実施・検証という発表内容でしたが,2日目の特別講演として金子文成先生がご講演された「理学療法のための橋渡し研究とアントレプレナーシップ」の内容と照らし合わせて,このような研究開発フェーズがあることについて情報共有ができたのではないかと考えます.発表内容について,非常に多くの質問や重要なコメントをいただくことができ今後の研究開発に早速活かさせていただいています.
最後に,学会運営にご尽力された代表の鈴木博人先生,準備委員長の我妻昂樹をはじめとした関係者の皆様に御礼申し上げます.この度は誠にありがとうございました.来年度の本シンポジウムも盛会になることを祈念し,印象記の締めの言葉とさせていただきます.
 (東京都立大学 桑原 渉)

この度,初めて若手研究者ネットワークシンポジウムに参加させていただきました.通常の学会とは異なり若手研究者だけの集いということで,どのような雰囲気になるのか想像できず緊張しておりましたが,非常に楽しく有意義な機会となりました.
「生体におけるiliocapsularisの機能の検討」という題目で口述・ポスター発表をさせていただきました.Iliocapsularisは股関節前方に位置する深層筋であり,関節安定化に関わると考えられていますが,そのメカニズムなどについては明らかになっていないことも多くあります.そのため,基礎的な研究でiliocapsularisの機能を明らかにした上で,臨床研究を経て,理学療法介入法の考案に繋げることが必要になると考えております.特別講演のテーマでもあった「基礎と臨床の橋渡し」の通り,基礎研究と臨床研究の双方の観点からのご意見を伺えたり,様々な議論ができ,自身の研究に対するモチベーションもぐんと向上しました.また,リラックスした雰囲気で仙台の美味しいお菓子を味わいつつ他愛もない話をする場面もあり,本ネットワークシンポジウムの魅力だと感じました.
最後になりますが,このような素敵な場を設けていただき,開催にあたりご尽力いただいた運営委員の皆様をはじめ,ご関係者の皆様に厚く御礼申し上げます.ありがとうございました.
(京都大学大学院 医学研究科 嚴田光里)

今回はじめて若手研究者ネットワークシンポジウムに参加いたしました.本会は,ヒトを対象とした臨床データから動物を用いた基礎研究まで幅広い内容が含まれた会でした.また,研究結果のみならず今後の研究計画などプレリミナリーな内容など多角的な方向性からの発表も盛り込まれていました.しかも,いずれも理学療法治療やその応用に重要な知見となる内容であると感じました.会の特性上,若い先生方が多く,実際の会場では口述発表,ポスター発表ともに活発的な議論がなされており,活気に満ちあふれた場となり今後の更なる発展が容易に想像できました.私自身,細胞や動物を用いた中枢神経系の基礎研究を行っており,普段ではあまり接する機会のない多分野の研究内容にも触れることができ有意義なものとなりました.理学療法を支えるうえで,細胞や動物を用いた基礎研究からヒトを対象とした臨床データまで一貫した内容を深く議論することができる会は重要で今後も長きに渡り開催されることを願います.最後になりますが,内容の充実した会を提供して下さった運営委員のみなさまに心より御礼申し上げます.
(島根大学医学部 解剖学講座 発生生物学 中川 浩)

今回,若手研究者ネットワークシンポジウムに2回目の参加をさせていただきました.前回参加いただいた際は,第5回のオンラインで行われた刺激的なシンポジウムでしたが,今回は初めての対面参加で,多くの先生と直接お話しをする機会をいただくことができました.
私は,「運動学習に対する経頭蓋交流電気刺激の修飾作用の検証」というタイトルで口述発表とポスター発表をさせていただきました.健常者の手の運動学習に対する,ニューロモジュレーション介入(経頭蓋交流電気刺激)による効果を検証した報告でしたが,マニアックな内容(?)のため,聴衆の皆様からご意見やご質問をいただけるか少し不安がありました.不安とはよそに,口述・ポスター発表ともに,多くの先生から貴重なコメントをいただき,今後の研究展開に繋がる大変有益な示唆をいただくことができました.加えて,ご参加されている先生の知見の豊富さや熱量の度合いに触発され,多くのエネルギーをいただきました.今回のシンポジウムでいただいたご意見とエネルギーを活かし,研究を推進していきたいと思います.
2日間を通して,議論における「熱量」と,ご準備いただきました東北文化学園大学の先生の「温かさ」,仙台の「居心地の良さ」がとても印象に残るシンポジウムでした.ご準備いただきました運営の先生方に,心より御礼を申し上げます.
(東京大学 大学院工学系研究科 濵田 裕幸)

数年前から気になっていた若手基礎シンポジウムに初めて参加しました.良い出会いや再会が多く,本会に参加して本当に良かったと思います.なぜこれまで参加してこなかったのだろうと思えるほどでした.多くの研究者とつながれる場を築いて頂いた代表の鈴木博人先生をはじめ,運営委員の皆様に心より感謝申し上げます.どの発表もとてもレベルが高く,聞きごたえのあるものばかりで非常に勉強になりました.私は,「歩行中の感覚運動不一致研究 -偶然発見された身体軽量感-」という題で若手講演とポスター発表をさせていただきました.認知科学領域のかなりマニアックな内容なので質問を頂けるか不安でしたが,若手講演とポスター発表ともに多くの議論ができ,有意義な時間となりました.ここで驚いたのは,研究者のみではなく,臨床家の先生にも質問を頂いたことです.本会は基礎理学療法の領域ですが,研究者だけでなく臨床家も共に学べるプラットフォームであることを感じました.頂戴した貴重な意見を参考に研究内容をブラッシュアップしていきたいと思います.来年からは,合宿形式になることをお聞きしておりとても楽しみにしています.これからも是非参加させていただこうと思います.ありがとうございました.
(宝塚医療大学和歌山保健医療学部 林田 一輝)

第6回 基礎理学療法学 若手研究者ネットワークシンポジウム が開催されました

2022年7月23日~24日に初のハイブリッド開催にて「第6回 基礎理学療法学 若手研究者ネットワーク シンポジウム」が開催されました。
多くの若手研究者を対象にハンズオンセミナーが企画され、データサイエンスを修学する上で基盤となる知見を学ぶ場が提供されました。

​【開催概要】
日時: 2022年7月23日(土)~24日(日)
場所: 信州大学医学部保健学科(ハイブリッド開催)
代表: 野嶌 一平(信州大学)

「第6回 基礎理学療法学 若手研究者ネットワーク シンポジウム」を終えて

代表 野嶌 一平
(信州大学)


第6回若手研究者ネットワークシンポジウムを2022年7月23日~24日に信州大学で開催しました.今回はコロナ禍ということもあり,対面とオンラインのハイブリッド開催となりました(両日:95名(オンライン:24名),単日:3名(オンライン:1名)).慣れない研究会運営でしたが,信州大学大学院および医学部保健学科の学生が主体的に関わってくれたことで,無事に終了することができ,安堵しております.一方で,wifi接続不良やデータの受け渡しの不備など,改善すべき課題があり,今後対処していきたいと思います.
今回は,「データ解析」をワークショップ形式で実施することで,参加者の「研究スキルの向上」を大きな目的として実施しました.ワークショップでは4つのグループに分かれ,講義+演習を行うことで,プログラミングの技術の習得や今後の学習の進め方などを習うことで,これまで多くの方が独学で行っていたデータ解析の技術向上を図りました.
開催後のアンケートでは(回答78.5%: 8/3現在),約70%の方が「よく理解できた・理解できた」,約80%の方が「大変満足・満足」と回答されており,開催意義が高かったものと考えます.また,「データサイエンスを扱ったセミナーに今後も参加されますか」という問いに対し,93%の方が参加すると回答され,関心の高さが伺えました.今後は,プログラミングスキルや解析の知識による習熟度を考慮して,ベーシックコースとアドバンスコースなどに分割したセミナーの開催を行うことで,より高い学習効果が提供していくことが重要になると考えます.
ポスター発表に関しては,41演題の発表があり,活発な議論が行われました.特に今回は,演題および参加募集期間の延長を行わず開催しましたが,多くの方が非常に高いモチベーションで主体的に研究会に参加してくださったことで,参加者間の横のつながりもできたものと考えます.また講師の先生方のご好意により,開催後2週間のアーカイブ配信を行うことで,研究会後にも各自が復習または別の演習の学習を行える環境を提供できたことは,非常に良かった点であると考えます.
本会を通し,多くの若手の研究者の方と交流することができ,新しいネットワークを作れたことは良い経験となりました.今後,更なる研鑽を各自が積んでいくことで,理学療法研究の発展に寄与していきたいと改めて実感しました.最後に,今回参加してくださった方々の研究の発展を期待しております.

参加者の声

今回,初めて本学会に参加し,「Rによるオミクスデータ解析」を受講しました.自分自身が今後の研究解析において,RNAシーケンスなどのオミクスデータを解析できるようになりたいという動機から受講いたしました.講義では統計処理を行う前に必要なデータの処理とその意義について学ぶことができ,また,座学だけでなく同時に自分自身でプログラムを動かすことで何の操作をしているのかをより深く理解することができました.データサイエンスに関しては今後必要となる知識であるとは思っていたものの今まで書籍での学習機会しかなかったため,データサイエンス分野の第一線で活躍されている先生方から直接指導を受ける大変貴重な機会となりました.また,自身の研究発展に必要な解析スキルを知ることができました.当然,1回の受講だけでは十分な解析技術を身に着けることはできませんが,データサイエンスを学ぶ貴重な第一歩になったと思います.事前レクチャーや資料配信だけでなくアーカイブも残していただき,講師の先生方と学会運営にあたられた先生方,スタッフの皆様に改めて御礼申し上げます.
久しぶりの対面開催でのポスター発表では,オンラインと比べ気軽に質問,ディスカッションができたように思います.非常に興味深い研究も多々あり理学療法の活躍の幅の拡がりと可能性を多分に感じるとともに,自身の研究意欲も向上し,よい刺激を受けることができました.
今回本学会に参加し,データサイエンスは今後の理学療法研究の発展には必要不可欠な分野だと改めて感じました.また,自己研鑽を積み,自分自身の研究スキルをアップデートしていきたいと思います.
(関西福祉科学大学 保健医療学部 植村弥希子)

私は3年目理学療法士として病院で勤務しながら,大学院に通っています.参加前からRやMatlab等の解析ソフトウェアの使用経験がなく,データ解析に対する苦手意識がありました.今回,病院や大学院での研究に活かせるデータ解析の知識を得たいと思い,「第6回 日本基礎理学療法学 若手ネットワークシンポジウム」に参加しました.
2日間の講義では,苦手意識の高かったデータ解析へのハードルが下がりました.私は宇野 光平 先生の「歩行動作解析の基礎」の講義に参加しました.Google Colaboratoryを使用したOpenPoseでの解析方法を配布資料のコードを参考にしながら,丁寧にご教示いただきスムーズに学べました.解析中のエラーに対しても,スタッフの方々が迅速に対応してくださり,解析初心者でも安心して参加できると思います.
ポスター発表では,対面のディスカッションにより,リアルな情報共有ができました.様々な分野の研究手法や解析方法を聴き,データ解析の知識の幅がより拡げられました.また,異なる分野の研究の手法等のアイデアは,自分の研究を新たな視点から振り返り,ブラッシュアップできる機会になると思います.
講義やポスター発表を通してデータ解析の知識が深まるだけでなく,臨床現場で働く理学療法士の私が研究機関に所属する研究者の方々と対面で意見交換できました.このような機会は,臨床に活かすための研究の重要性を改めて考える良い機会となりました.また,各地で研究に励む仲間が大勢いることを実感し,研究を続けるモチベーションになりました.今回の参加で研究者としてもっとステップアップしたい思いが大きくなり,次回の開催にもぜひ参加したいと思います.
(西大和リハビリテーション病院 リハビリテーション部 藤田大輝)

今回初めて若手研究者ネットワークシンポジウムに参加させていただきました.コロナ禍ではありましたが,現地で無事に開催され,対面形式で学会が行われることの良さを実感しました.様々な研究者とのつながりを形成する場を設けていただいた野嶌一平先生をはじめとして,開催にあたってご尽力くださった先生方,運営委員の皆様に心より感謝申し上げます.
私は,「Laterality Indexを用いた空間性注意に関わる脳内神経基盤の解明」というタイトルでポスター発表させていただきました.ポスター発表の場では,皆さんの学びたい欲を感じるような積極的な質疑応答や意見交換を行う姿勢を見て,自ら行動して学びを得るよう背中を押してもらったような気がいたしました.同じ研究分野の方との討論や意見交換は非常に楽しく,違う分野の方からは様々な視点からアドバイスをいただくことが出来て,非常に勉強になりました.私が今回行っている研究の根本にある「半側空間無視」は神経メカニズムが十分に解明されておらず,病態に対する直接的なアプローチ方法が確立されていません.実際私自身も,臨床現場において半側空間無視を有する患者に対してリハビリテーションを行なっていく中で,治療アプローチに難渋した経験があります.もし,この半側空間無視の神経メカニズムの一端が明らかになれば,治療法の一助になると考えます.今後も研究を継続していくにあたって,今回得られた貴重な意見を参考に,より一層精進したいと思います.ありがとうございました.
(大分大学医学部附属病院 リハビリテーション部 岩切満梨乃)

会場近くのハンバーガー屋が美味しく,写真だけでも共有できたらと思います.
さて,私は学会経験が少なく多分野でご活躍の方々との繋がりも希薄であったため,本会での様々な議論に心を躍らせておりました.その中で,参加目的として①若手研究者の繋がり獲得②各研究者の研究動機の聴取,この2つを置いておりました.
①に関して,私のポスター題目「NBA選手におけるACL損傷の原因となる動作の解析:YouTubeを用いた動画解析」に興味を示した学生を捕まえ,親睦を深めた所でえいや!と連絡先を交換しました.自由活発に議論する雰囲気に起因した出会いだと感謝しています.余談ですが,その彼と本会のような多様な人を巻き込んだヘルスケアイベントを計画しておりますので,興味のある方はご連絡ください.
②に関して,単に研究背景ではなく「なぜその研究をやりたいのか」という個人的な動機を聞かせていただきました.心打たれる機会が多く「これが聞きたかったんだ!」と感じ,参加意思決定をした自分に拍手しております.
松井先生のご講演では「木を見て森を見ず」への警鐘が最も印象的でした.適切な問いの検証にこそ研究意義があり,統計解析は1手段だと再認識しました.仮説構築を統計専門家と共に行う意義についても非常に納得できました.ワークショップでは,Open pose習得のために進捗を逐一確認してくださる丁寧なご指導によって誰1人として遅れず2日間完走できました.他講座を受講した学生とも大変充実したお互いの成果を語っておりました.
最後に,この機会を頂きました代表の野嶌先生やご関係者の皆様に御礼申し上げます.来年度は,深夜までお酒を酌み交わし熱い議論が繰り広げられる場が増えることを祈念しております.
(京都大学大学院 医学研究科 齋藤貴允)

この度,初めて若手研究者ネットワークシンポジウムに参加させていただきました.ポスター発表では「ヒトの胎児標本を対象とした膝関節の発生」というタイトルで研究紹介をさせて頂きました.発生学をメインとした研究であることや,私自身は検査技師養成の専攻出身であるため,理学療法士の方の参加が多いと聞いていた当初は良いディスカッションができるかどうか少々不安ではありましたが,他分野ならではの視点からの意見を伺うことができ,面白い意見交換ができただけでなく,今後の研究方法の改良のきっかけにも繋がり,非常に有意義な経験となりました.また,単純に他分野の研究内容について知見を広げることもとても楽しく,研究内容のアピール方法(話し方)についても大変勉強になりました.
R,MATLAB等の解析ソフトウェアを実際に動かしながらの講義も,医療系の研究に良く使用される系統のデータや,実例を用いながら統計解析を実施でき,スムーズに理解を深めることができました.オンラインでの受講も兼ねていたことから講義のアーカイブを残してくださったことも,復習や同時刻に開催されていた別の講義内容の確認等,ありがたく活用させて頂きました.
コロナ禍で厳しい開催条件だったかと思われますが,現地にて対面でのシンポジウムを成功させてくださり,改めて対面での意見交換の楽しさ,重要性を感じることのできる学会でした.開催に向けてご尽力くださった先生方には感謝申し上げます.
(京都大学大学院 医学研究科 石川 葵)

今回のシンポジウムは,所属大学のゼミ教員に紹介いただき参加しました.研究に興味はありましたが,実際に行ったことはなく,解析とは何か,MATLABとは何か,を知ることが目的でした.実際に参加してみると,講義だけでなく,ポスター発表などを通して,とても多く学ばせていただくことができ,今回の経験が自分の目指す将来を計画する機会になりました.
特に記憶に残ったのは,データサイエンスを実践するために,テンプレート学習を推奨されていた点でした.これまで,Rを勉強するときには書籍を一冊進めるという方法で勉強していましたが,一通り勉強した後では解析を実行するまで時間がかかりすぎると実体験していました.今回の講義で,サンプルコードを配布いただき,テンプレート学習ができるきっかけをいただいたので,さらに学習を進めたいと考えています.
ポスター発表についても,初めての経験で,大きな刺激となりました.一緒に参加した先生と,どのような視点で研究を見たら良いのか,どのような質問をするべきか,など多くのことを学ぶことができました.このポスター発表と講義を受けた経験から,研究の計画を立てる際に,研究のデザインや仮説を熟考することが重要であり,それは解析においても同様であることが理解できました.
今回の経験から,研究や解析に限らず,考察ができ,知識を自分から取り入れていけるような理学療法士を目指していきたいと思います.
私は学部3年生ですが,興味のある学生は,ぜひ参加するべきであると考えます.最後に,この場を借りて,運営や講義をしてくださった先生方,紹介してくださった先生,ポスター発表でご説明いただいた先生方に感謝申し上げます.
(順天堂大学 保健医療学部 大澤 俊)

第5回 基礎理学療法学 若手研究者ネットワークシンポジウム が開催されました

2021年12月25日~26日に初のオンライン開催にて「第5回 基礎理学療法学 若手研究者ネットワーク シンポジウム」が開催されました。
多くの若手研究者が集い、研究計画に関する討論や研究テーマの探索がなされ、若手研究者間の新たなネットワークの形成が進められました。

​【開催概要】
日時: 2021年12月25日(土)~26日(日)
場所: オンライン開催
代表: 福本 悠樹(関西医療大学)

 

「第5回 基礎理学療法学 若手研究者ネットワーク シンポジウム」を終えて

代表 福本 悠樹
(関西医療大学)
 

第5回 基礎理学療法学 若手研究者ネットワーク シンポジウムへご参加頂き、誠にありがとうございました。今回、115名の参加と、36題の話題提供をご登録頂くことができました。初のWebオンライン開催となりましたが、全国各地の若手の先生方による、オンラインであることを忘れさせる熱い討議がなされ、盛会となりました。
 まずは、本学術事業開催に際し、多くの理事の先生方、若手ネットワーク推進部の先生方にお力添えをいただきましたこと、心よりお礼申し上げます。お陰様で無事盛会のうちに終了することができました。また、当会の運営に携わってくださった方々、話題提供やご講演を頂きました先生方のご尽力の賜物と、感謝申し上げます。そして全てのご参加頂いた先生方に深く感謝申し上げます。ポスター討議やその後の討論会で、時間を超過しても皆様が熱心にディスカッションしているお姿を拝見し、「他の学会では味わえない研究者の交流の場に成りえているな」と改めて喜びを感じました。また、若手研究者が能動的に参加することを目的としている当該学術事業において、新規参入の参加者が全体の70%を占め、この点も非常にうれしく感じております。至らない点も多々あったかと存じますが、皆様に積極的に意見交換を行える場を提供できたのではないかと思っております。
 第6回は長野での開催となります。次は対面で、皆様にお会いできる日を楽しみにしております。

 

参加者の声

 私は今回初めて若手研究者ネットワークシンポジウムに参加させていただきました.コロナ禍で非常に難しい状況だったかと思いますが,開催に向けてご尽力くださった先生方に感謝申し上げます.
私は,「リーチングにおけるAfter-effectの経験は学習率を低下させる」という題目で発表し,Most Impressive Presenterに選出していただくことができました.本研究は,外乱への適応度を表現する学習率の変調に影響を与える要因を検討した研究です.これまで学習率は実験的に操作された外乱環境の統計的性質によって変調することが明らかにされています.しかし,私たちが自然に運動する環境は外乱のない運動環境であり,そのような運動環境下において生じた運動誤差が学習率に与える影響については明らかにされていません.そこで我々は,一方向のみの外乱環境と外乱のない運動環境を生成し,外乱によって生じる運動誤差と外乱がないにも関わらず生じる運動誤差(After-effect)の両方を経験するように設定をしました.その結果,After-effectを経験したグループのみ学習率が低下しました.本研究は学習率が外乱に依存せず,経験する運動誤差によって変調することを明らかにし,効率的な学習プログラムを提供するための示唆を与えることが期待できます.
本シンポジウムの参加者は同年代の研究者が多く,まさに研究者ネットワークを広げるのに最適だったと感じております.刺激になる発表ばかりで,私もより良い研究を行えるように引き続き精進しようと思うシンポジウムとなりました.
(茨城県立医療大学大学院 保健医療科学研究科 棚町兼也)

この度,初めて若手研究者ネットワークシンポジウム(旧称; 夏の学校)に参加し,「脳卒中患者の上肢運動課題に対する逆動力学解析の活用」という題で発表させていただきました.
私は理学療法士の資格を取得した時期が少し遅く,様々な分野でご活躍の先生方との繋がりも希薄であったため,このような場で先生方と様々な議論ができることをとても楽しみにしていました.今回はWebでの開催となりましたが,研究の苦労話からたわいもない話まで,ああでもない,こうでもないと夜遅くまで語り合った懇親会が特に印象的で,「あぁ,こういうのをやりたかったんだよなぁ」と思いながら,とても有意義な時間を過ごすことができました.以前は当たり前だった現地での学会の開催や,その後のお酒の席での議論,そこから生まれる新しいアイデアやコラボレーションなど…コロナ禍が落ち着いて来年こそは!そんな良いイメージを膨らませながら,次回のシンポジウムでは,皆様と直接お会いできることを願い,それを楽しみに,日々の研究に精進していきたいと考えています.
私の専門は理学療法士の資格を取得する前から行なっていたバイオメカニクス的研究が主で,現在は上肢の動作,中でもBox and Block Testを対象に,健常者や脳卒中患者様の動作を研究しています.運動方程式のような数式が並ぶと,毛嫌いされてしまいがちな研究かなとも思っておりましたが,この度の発表で,Impressive Presenter賞という身に余る賞をいただくことができ,とても感謝しております.この賞に恥じぬよう,今後も精進していく所存です.
最後になりますが,コロナ禍の中,このような若手研究者のつながりを促進するような場を設けていただき,開催にあたってご尽力いただいた運営委員の皆様をはじめ,ご関係者の皆様に厚く御礼申し上げます.ありがとうございました.
(湘南慶育病院 リハビリテーション部 / 慶應義塾大学SFC研究所 上席所員 榊原時生)
 

今回,初めて第5回基礎理学療法学若手研究者ネットワークシンポジウムに参加させて頂き,「リーチ方向の違いによる下腿前傾角・足部筋活動の変化」についてポスター発表をさせて頂きました.患者様の屋内生活を考える上では,前方や下方へのリーチ動作も重要ですが,上に置いている物を取るということも少なくありません.また,足関節戦略を中心とする運動を促す方法は難しく,それを前上方へのリーチにてできないかという思いからこの研究を始めました.私自身はこれが初めての研究であり,試行錯誤しながら頑張った成果をこのような形で発表できたことを大変感謝しております.日頃から研究をされている先生方から貴重なご意見も頂き,研究の難しさや面白さを改めて感じることができました.臨床現場ではまだまだ何気なく行われている治療や動作練習があるように感じております.それらがどれほどの効果があるのかといった様な研究を行っていければと考えています.
普段は論文を拝見させて頂き,それを臨床に応用して患者様に還元していくことに力を入れてきました.今回参加されておられました先生方の発表を聞き,直接ディスカッションができたことで,論文からだけでは得られない細かな話もでき,充実した時間を過ごすことができました.
最後に,今回の若手研究者ネットワークシンポジウムの代表の福本悠樹先生をはじめ,運営に関わってくださった先生方に大変感謝致します.貴重な経験をさせて頂き,有難うございました.
(医療法人寿山会 喜馬病院 リハビリテーション部 山本勝也)

この度,「第5回基礎理学療法学若手研究者ネットワークシンポジウム」に参加し,「サーマルグリルイリュージョンが及ぼす脳活動の変化に関する研究」というタイトルで研究者講演およびポスター発表をさせていただきました.私にとって口述発表は初めての経験であり,オンライン開催ということもあって非常に緊張もしましたが,発表の際には,疼痛について研究されている先生や,その他多くの先生方から貴重なご意見をいただいたこともあり,自身の研究についての考察をより深めることができた大変良い機会となりました.私の研究テーマである「サーマルグリルイリュージョン」とは,非侵襲的な刺激を与えながらも疼痛様の刺激が誘発されるという現象のことで,このサーマルグリルイリュージョンを疼痛研究における一つのツールとして確立することができれば,新たな治療法の検討など,さらなる応用も可能になるのではないかと考え,現在研究を行っています.今回多くの先生方とのディスカッションを通じて,特に時間変化の検討に関してのご意見を多くいただき,また自分にはなかった視点からのご意見も多数伺うことができ非常に参考になったと感じています.今回の発表を通じて,本研究のさらなる可能性について考えることができたことから,今後も,解析方法の検討などを行いながらさらに発展させていきたいと考えています.
最後に,代表の福本先生はじめ,実行委員の先生方に深く感謝申し上げます.ありがとうございました.
(大分大学大学院 福祉健康科学研究科 福祉健康科学専攻 健康医科学コース 近藤美咲)

今回オンラインで開催された「第5回 基礎理学療法学 若手研究者ネットワークシンポジウム」に参加し,若手研究者講演とポスター発表の機会を与えていただきました.私は研究計画を発表させていただいたので,多くの先生方からご質問やご意見をいただくことで改めて計画を検討することが出来ました.様々な研究をなさっている先生方から研究計画の段階でご意見をいただけたことは,これからの研究につながる大変貴重な機会になりました.私は今回が初めての学外発表の機会であり,加えて不慣れなオンラインでの開催だったので始まる前はどのように発表するか,初対面の先生方と交流できるかが不安でした.しかしオンラインでも参加者の先生方がルームを活発に移動なさっていて,多くの先生方と楽しく意見交換をさせていただくことが出来ました.また,自分の発表以外の時間には様々なテーマの講演を拝聴することが出来ました.私の質問にも丁寧に答えていただけて,大変勉強になりました.講演のなかで先生方が熱意をもって患者さんのために研究をなさっている姿が印象に残り,私も知識を深めつつ研究に取り組んでいきたいと思いました.
 夜から実施された懇親会では女子会に参加させていただきました.普段女性の研究者の先生方とお話しできる機会が少ないので研究や働き方など多くのお話を伺えて嬉しく思いました.
最後になりましたが,このような貴重な機会を与えていただきました,運営委員の先生方に厚く御礼申し上げます.
(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 保健学専攻 理学療法学分野 大楠怜奈)

過去の「夏の学校」

第4回 基礎理学療法学 夏の学校 が開催されました

先日の8月24日~25日、鹿児島にて「第4回 基礎理学療法学 夏の学校」が開催されました。
多くの若手を中心とした研究者が集い、熱いクロストークが行われました。

​【開催概要】
日時: 2019年8月24日(土)~25日(日)
場所: ホテル京セラ(鹿児島県)
代表:角園 恵(九州看護福祉大学)

「第4回 基礎理学療法学 夏の学校」を終えて

代表 角園 恵
(九州看護福祉大学)

 
 第4回基礎理学療法学夏の学校へご参加頂き,誠にありがとうございました.今回,103名の参加と,64演題のご登録を頂くことができました.足元の悪い生憎の天気での開催となりましたが,全国各地の若手の先生方による,それ以上に熱い討議がなされ,盛会となりました.
 貴重な知見をご提示して頂きました講師の先生,ポスター発表による話題提供をして下さった先生,そして全ての参加者の先生に深く感謝申し上げます.ポスター討議やその後の討論会で先生方に「本当に楽しい会です.先生ありがとうございます.」とお声かけいただき,頭が下がる思いでございました。皆様が熱心にディスカッションしているお姿を拝見し,「夏の学校は本当に若手にとって重要な会だ」と感銘を受けました。
至らない点も多々あったかと存じますが,皆様に積極的に意見交換を行える場を提供できたのではないかと思います.
 また,アンケートにご協力頂き,ありがとうございました.高い満足度を得られたとのご回答や準備運営委員に対し温かいお言葉を多数頂き,ほっと胸をなでおろしております.その他に頂いたご意見,ご要望を今後の夏の学校の運営に活かしたいと考えております.
最後に,このような機会を与えて頂き,準備および運営にご協力いただいた榊間先生,準備委員の方々に厚く感謝申し上げます.また,開催に際し,ご助言,ご協力頂きました運営幹事の先生,若手研究推進委員会の先生に,深謝申し上げます.
 第5回は大阪での開催となります.また,皆様にお会いできる日を楽しみにしております.

 

100名を超える参加者が集い、若手研究者の勢いを感じる盛会となりました。

100名を超える参加者が集い、若手研究者の勢いを感じる盛会となりました。

参加者の声

この度はこのような素晴らしい賞を頂きましたことを驚くとともに,大変光栄に思っております.今回の夏の学校は,北海道大学の高松泰行先生にお誘い頂き,今回初めて参加させていただきました.若手の研究者のご発表を拝聴し,研究デザインや実験条件,評価項目に至るまで大変レベルの高い研究で,参加されている先生方の忌憚のない活発な討論に,2日間大変勉強させていただきました.また,夜には飲み会があり,私は女子会(レディース)での飲み会では,教員の先生のあるある話,研究や子育てと仕事の両立など,パワフルに活動されている先生方のお話を伺い,大変有意義な時間を過ごさせていただきました.
今回の研究は,健常男性を対象にして,肛門直腸圧測定の再現性を検討しました.尿器科領域の罹患数の多い癌として,男性の前立腺癌があります.その治療法の一つである前立腺がん摘除術後,高頻度で尿失禁を生じていることが報告されています.介入として,骨盤底筋トレーニングが推奨されております.こちらの報告では,術後の尿失量と骨盤底筋筋力は,筋力が回復してくることに伴って,尿失禁量が低下する傾向があることが報告され,骨盤底筋力が, 前立腺がん術後尿失禁量の減少に関与することが考えられます.本研究では,本研究では信頼性の検討し,良好な検者内ならびに検者間信頼性を得たことを,報告させていただきました.このような素晴らしい機会を頂き心より感謝しております. この場をお借りしまして,改めて深謝申し上げます.
(北海道医療大学リハビリテーション科学部理学療法学科 大内みふか)

 

今夏は久しぶりに「基礎理学療法学 夏の学校」に参加し、「脳損傷後における不安障害の発症メカニズム」という演題でポスター発表をさせて頂きました。恐縮なことにImpressive Presenter賞なるものを頂き、身が引き締まる思いです。ありがとうございました。
私は3年ぶりに本会に参加したこともあり、会の若返りが著しいこと、モデル動物を用いた研究が減り、ヒトの研究が増えていたことに驚きました。とはいえ、今回も楽しくかつ濃密に議論をすることができ有意義な時間を過ごすことが出来ましたが、もっと他分野の先生方と交流すればよかったとの反省もありますので、次回の課題にしたいと思います。
また、1つ思うこともありました。今回、僭越ながら若手研究者講演の座長をさせて頂き、タイムテーブル通りに進行をいたしましたが、もっと“「夏の学校」らしさ”があっても良いのかなと思いました。ヒトの研究であればモデル動物の研究者からの意見、最若手からの素朴な疑問(何気に核心をついていて怖いことが多い)、シニアの先生方からのツッコミなど、時間に縛られないセッションが1日目の最終テーブルにでもあったら楽しいかなと思っています。
最後になりましたが、充実した会を提供して下さった代表の角園先生はじめ運営幹事の先生方、快適な環境を作って下さったスタッフの先生方、誠にありがとうございました。
(金沢医科大学 解剖学II 田中 貴士)

鹿児島県で開催された第4回基礎理学療法学 夏の学校へ学びに行ってきました.まさに「夏」の「学校」であり,酸いも甘いも知っている分厚い世代と,全身から熱いエネルギーが滲み出ている若い世代が集まり,研究のことを暑苦しく語りながら過ごす場でした.夜中まで飲んだお酒はとっくに抜けていますが,その余韻が全然抜けておらず,そのおかげで日々の研究活動を頑張れています.ある発表者が冒頭で「夏の学校に育ててもらった」とコメントされていましたが,夏の学校から数日間経った今,その言葉がとても腑に落ちています.なぜかは分かりませんが,僕自身も確かに「育ててもらっている」という意識になっています.おそらく,身を削ってリハビリ研究をしている同志と共に,うまくいかなかった研究のことも笑い話にしながら,研究の進捗を語り,一緒に濃い時間を過ごす環境そのものが,そういう意識にさせるのかなと僕は思います.ちなみにですが,僕は『Thermal grill illusionによって誘発される疼痛は経頭蓋直流電気刺激によって軽減する』というタイトルでポスター発表させて頂きました.正直なところ,“痛みの錯覚(illusion)”というフワッとした実験なので,あんまり相手にされないと思っていましたが,そこはさすがの夏の学校で,神経障害性疼痛のリハビリに応用するための実験であることがキチンと理解されて嬉しかったですし,何より若者のフワッとした実験を受け入れてくれる土壌に感謝致します.最後に,このような育成の場を設けて下さった運営委員の方に御礼申し上げます.有難うございました.
 (畿央大学大学院健康科学研究科 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 大住倫弘)
 

今回、「抑制イメージ内容における脊髄神経機能の興奮性変化~加算平均と相関係数を用いて~」というタイトルのポスター発表をさせていただきました。我々の研究室では、イメージによる脊髄神経機能の興奮性変化を誘発筋電図のF波を用いて研究しています。このF波は、これまで振幅比や出現頻度、潜時といったパラメーターを用いることが一般的でしたが、分析には労力と経験値が必要となり汎用性が低い指標でありました。そこで、より簡易的にさらには波形の形から何か見解が得られないものかと現在、加算平均という手法を使用して検討しています。まだまだ初期段階の研究であり、様々な先生方とお話する機会を通して、本研究のさらなる深みを知るきっかけとなりました。この夏の学校には第3回と第4回の2度の参加となりますが、研究の世界では少ない女性研究者の先生方と、夜は1つの部屋に集まり“女子会”を開催しています。この集まりでは、研究の話だけではなく日ごろの教育であったり、臨床について女性ならではの悩みを相談でき、大変居心地のいい有意義な時間です。この夏の学校でお知り合いになれた先生方と、再びお会いできることを励みにまた研究に取り組んでいきたいと思います。最後に、実行委員長の角園恵先生をはじめ、運営に携わっておられる先生方に深く感謝申し上げます。来年は大阪での開催です。賑やかで活気あふれる大阪へのお越しを心よりお待ちしております。
(関西医療大学 保健医療学部 臨床理学療法教室 東藤真理奈)

この度、鹿児島で開催されました第4回基礎理学療法学 夏の学校に参加し、「グラビティMRIによるハムストリングス各筋の伸張時の筋断面積の比較」というタイトルで若手研究者講演させていただきました。私は現在、任意な体位での撮像が可能な「グラビティMRI」を使用し、ハムストリングを伸張したときのハムストリング各筋の筋断面積の変化について研究を行なっています。基礎理学療法学 夏の学校には第1回の新潟以来の参加で、前回はポスター発表でした。今回は2日目の朝一での講演ということもあり、1日目の懇親会後のクロストークは何時まで行われるのか不安もありました。しかし、懇親会以上にいろいろな先生方と研究について、また研究以外についても深くそして熱いクロストークができ、とても楽しく有意義なものとなりました。私の研究についても「グラビティMRI」という、聞きなれないものだとは思いますが、多くの先生方に興味を持っていただき、さまざまな質問をしていただきました。この夏の学校でのクロストークのおかげでこれからの研究へのモチベーションがさらに高まりました。今後も質の高い研究を行なっていけるように、また夏の学校にも参加できるように精進していきたいと思います。
 最後に今回の夏の学校の代表の角園先生をはじめ、運営に関わった先生方に深く感謝いたします。このような貴重な経験をさせていただき本当にありがとうございました。今後、この夏の学校がさらに発展し、より良いものになることを祈っています。
(金沢赤十字病院リハビリテーション科 中泉 大)

今回、鹿児島で開催された「第4回 基礎理学療法学 夏の学校」に参加し、若手講演者講演で発表をさせていただくという貴重な機会を与えていただきました。今回は「不動化した骨格筋内のマクロファージの集積機序の検討」というテーマで発表させていただきましたが、自分の研究分野だけではなく他分野の先生方からも貴重なご意見をいただき、自らの研究について考察を深めることができる機会になったと感じております。加えて、同年代の先生方の研究ならびに発表の質の高さにも深く感銘を受けるとともに、多くの先生方とディスカッションでき、自分ももっと頑張らなくては、と刺激をいただくことができました。
また、今回の夏の学校では第3回に引き続き、夜の懇親会後に「女子会」が開催されました。1つの部屋に集まり、様々な話題で盛り上がりました。理学療法士として多くの分野で活躍されている先生方と一緒に教育や研究、働き方をはじめ、さまざまな話題でたくさんお話しさせていただきました。とても楽しい時間を過ごさせていただくとともに、今後のキャリアについて考え直すことのできるいい機会をいただきました。来年大阪で開催される第5回夏の学校でもさらに発展した研究成果について発表できるよう今後も研究活動に励んでいきたいと思います。最後になりましたが実行委員長の角園先生はじめ、実行委員の先生方、本当にありがとうございました。
(長崎大学病院リハビリテーション部 田中なつみ)

第3回 基礎理学療法学 夏の学校 が開催されました

先日の8月25日~26日、名古屋で、「第3回 基礎理学療法学 夏の学校」が開催されました。
多くの若手を中心とした研究者が集い、熱いクロストークが行われました。

​【開催概要】
日時: 2018年8月25日(土)~26日(日)
場所: サンプラザシーズンズ(愛知県)
代表:高松泰行(北海道大学)

「第3回 基礎理学療法学 夏の学校」を終えて
 
実行委員長 高松 泰行
(北海道大学大学院保健科学研究院)

 
 第3回基礎理学療法学夏の学校へご参加頂き,誠にありがとうございました.今回,81名の参加と、54演題のご登録を頂くことができました.非常に暑い名古屋での開催となりましたが,全国各地の若手の先生方による,それ以上に熱い討議がなされ,盛会となりました.
貴重な知見をご提示して頂きました講師の先生,ポスター発表による話題提供をして下さった先生,そして全ての参加者の先生に深く感謝申し上げます.
本会では,若手研究者の能動的参加を一つのテーマとし,フラッシュトーク,ポスター討議時間を拡大させていただきました.ポスター討議では,終了時刻を過ぎても熱心にディスカッションされている姿を見て,「これぞ夏の学校だ!」と深く感銘を受けました.至らない点も多々あったかと存じますが,自ら発信し,意見交換を行う場を提供できたのではないかと思います.
 また,アンケートにご協力頂き,ありがとうございました.高い満足度を得られたとのご回答を多々頂き,ほっと胸をなでおろしております.その他に頂いたご意見,ご要望を今後の夏の学校の運営に活かしたいと考えております.
 最後に,このような機会を与えて頂き,準備および運営にご協力いただいた石田和人先生,準備委員の方々に厚くお礼申し上げます.また,開催に際し,ご助言,ご協力頂きました運営幹事の先生,若手研究推進委員会の先生に,深謝申し上げます.
 第4回は鹿児島での開催となります.多くの若手研究者とお会いし,お話しできることを楽しみにしております.

                    約100名の参加者が集い、専門領域の枠を超えた熱いディスカッションが繰り広げられました

                    約100名の参加者が集い、専門領域の枠を超えた熱いディスカッションが繰り広げられました

◆ 参加者の声

 今回、名古屋で開催された「第3回 基礎理学療法学 夏の学校」では“薬理的中枢性コンディショニングを伴う運動療法の検討 ―神経栄養因子の発現から―”というタイトルでポスター発表をさせて頂きました。多くの先進的な研究発表があった中、Most Impressive Presenter賞に選出して頂き、大変光栄に存じます。私は現在、理学療法のコアとなる運動療法の効果を高めるためニューロモジュレーションについて、シナプス伝達制御に焦点を当てた薬理的な介入と運動療法の相乗効果に着目し研究を進めておりますが、ポスターセッションでは最先端の科学を追究されている先生方から多くの建設的なご意見を頂き、また、次に取り組むべき課題も明らかとなり、研究に対する意欲が更に高まりました。
 私は今回が初めての参加でしたが、北は北海道から南は鹿児島まで全国各地から集まった先生方・同年代の大学院生と交流することができ、とても良い刺激を受けました。夜遅くまで続いた情報交換会では、研究の話だけでなく臨床や海外留学などの話題も多く、大学院生である自分にとって、自身の将来の進路を考える上で貴重なお話に溢れており、大変有意義な2日間を過ごすことができました。
 最後に、実行委員長の高松先生をはじめとする実行委員会の先生方、スタッフの皆様にこの場をお借りして御礼を申し上げます。
(北海道大学 大学院保健科学院 井上貴博)

 今回,「第3回基礎理学療法学 夏の学校」において,「末梢神経に対するペア刺激が皮質脊髄路興奮性に与える影響について」というタイトルでポスター発表をさせていただきました. 私はベトナムのHAI DUONG医療技術大学を卒業した後,理学療法に関する研究を学ぶために現在の大学院に入学し,今回はじめて夏の学校に参加させていただきました.特別講演や他の先生方の発表はとても刺激的であり,また,私の発表に対して多くの先生方からアドバイスやご指導をいただくことができ,大変有意義な時間を過ごすことができました.また,情報交換会でははじめてお会いする先生方と交流させていただき,皆さんのことを研究のFamilyのように感じました.今回,私はImpressive Presenter賞を受賞させて頂き,名古屋は、私が若手研究者として第一歩を踏み出した特別な場所になりました.来年も夏の学校に参加できるように,今後も研究活動に取り組んでいきたいと思います.
(新潟医療福祉大学大学院 博士後期課程 Pham Van Manh)

 今回、「第3回基礎理学療法学 夏の学校」に参加させて頂きました。大会に参加するのは2度目となりますが、去年よりも幅広い領域の先生方が参加されており、年を重ねるごとに進化をしている会であると感じました。私は、神経生理の分野で研究を行っており、本大会では「運動イメージにより運動の正確さが低下する者は運動の正確さが低下しない者よりも脊髄前角細胞の興奮性が増加する」という題目でパネルディスカッションをさせて頂きました。運動イメージは時間的制約がなく、場所も選ばず、特別な機器も使用しない為に、有用な治療手段になりえると注目されておりますが、一方でまだまだ研究数自体が少なく、今後の発展が期待される分野であります。特に、運動イメージが脊髄レベルに与える影響や、手指における細かい動きを改善させるか否かについては、未だ充分な検討がなされていません。本大会では、運動イメージが脊髄レベルの興奮性と手指の巧緻性に与える影響、さらにその関連性について発表を行いました。多くの方に興味を持って頂き、ご質問にもお越し頂き、そのおかげをもちまして、Impressive Presenter賞も頂くことができました。感謝いたします。パネルディスカッションだけでなく、夜通しで(今回は深夜3時まででした)研究の話をアツく語り合うこともできました。ここで得られた経験を糧に、より質の高い研究をしていけるようこれからも頑張っていこうと思っております。最後に、実行委員長の高松泰行先生をはじめ、運営に携わっておられる先生方に深く感謝申し上げます。貴重な経験をさせて頂き、誠に有難うございました。
(関西医療大学 福本悠樹)

 今回,名古屋で開催された「第3回 基礎理学療法学 夏の学校」に参加し,ポスター発表をさせて頂きました.昨年長崎で行われた夏の学校から2回目の参加となりました.昨年は,初めての研究発表の場であった緊張感と,運営にも携わらせていただいたため,あまり多くの方とお話しすることができなかったのですが,今回は様々な分野の先生方からご質問やアドバイスをいただき,より一層有意義な時間を過ごすことができたと感じております.また,同年代の先生方の質の高い研究を目の当たりにし,私自身もっと頑張らなければと研究へのモチベーションが高まりました.今回の参加者の女性の割合はわずか1割程であったのですが,夜の懇親会後「女子会」と称して,1つの部屋に集まり様々な話題で盛り上がりました.理学療法士として,そして研究者として活躍されている女性の先生方とお話しすることができ,今後のキャリアを考える上でも大変有意義な時間となりました.次回鹿児島で開催される第4回夏の学校にも参加し,より発展した研究成果を発表できるようこれからも努力していきたいと思います.
(長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科 石川空美子)

 

 2018年8月25-26日におきまして、愛知県で開催された「第3回基礎理学療法学 夏の学校」に参加し、若手特別講演の機会を賜り、発表させて頂きました。
 この夏の学校に関しましては、今回初めて参加させて頂きました。私は大学卒業以来、ずっとモデル動物を用いたリハビリテーションの基礎研究に専心しておりましたので、臨床でご活躍される先生方も数多く参加されるこの会への参加は不安もあったのですが、大変アットホームかつフレンドリーな会で気後れなく楽しむことが出来ました。加えて、他の基礎研究者の先生方から臨床で実践される先生方まで胸襟を開いてのディスカッションを行うことができ、新たな刺激を頂きました。
 私自身は「リハビリテーションによる機能代償における皮質-脳幹路のダイナミズム」というタイトルで、脳出血後のリハビリテーションによる皮質-脳幹路の変化と運動機能回復との関係性について講演をさせて頂きました。少しニッチな内容かな、とも思える発表であったのですが、講演後には多くの先生方からコメントを頂き、興味を持って頂けた事を大変嬉しく感じました。本会のように基礎から臨床まで開かれたディスカッションが出来る機会は大変貴重ではないかと考えます。また若手の多い会、参加者同士の距離の近い会であるという事からも、新たに基礎的な研究に興味を持たれた方への入り口としても好適な会ではないかと感じました。
 本会は来年、鹿児島で開催されると聞き及んでおります。更に発展した研究成果を報告できるよう、引き続き研究活動に邁進していきたいと存じます。
 実行委員長の高松先生はじめ、実行委員の先生方、本当にありがとうございました。
(名古屋市立大学医学研究科 脳神経生理学講座 石田 章真)

 今回、基礎理学療法学 第3回 夏の学校に初めて参加させて頂き、若手研究者講演で研究発表をさせて頂きました。以前に理学療法学術大会で発表させて頂いた際には、サルの研究と聞くと、敬遠されがちな印象がありましたが、本学会では、専門知識をお持ちの方が多く、有意義なディスカッションができて、とても充実した時間を過ごすことができました。
 夏の学校には、同じ養成校出身の方もおらず、皆さんと打ち解けられるか不安でしたが、ポスターでのディスカッションや情報交換会を通して、様々な先生方と交流を持つことができ、今後の研究活動を発展していく上でも貴重な機会となりました。私よりも若い研究者の方も参加しており、今後さらに研究者の輪を広げていく機会として発展を願っています。是非次回も参加したいを思いました。
 このような機会を企画運営して頂いた高松大会長はじめ、大会運営委員の方に御礼申し上げます。ありがとうございました。
(横浜市立大学 医学部 生理学教室 中島和希)

第2回 基礎理学療法学 夏の学校 が開催されました

去る8月19~20日、長崎で、「第2回基礎理学療法学 夏の学校」が開催されました。
多くの若手を中心とした研究者が集い、熱いクロストークが行われました。

​【開催概要】
日時: 2017年8月19日(土)~20日(日)
場所: 矢太樓南館(長崎県)
実行委員長:   本田祐一郎(長崎大学病院)
担当運営幹事:中野治郎(長崎大学)
 

「第2回 基礎理学療法学 夏の学校」を終えて
 
実行委員長 本田 祐一郎
(長崎大学病院 リハビリテーション部)

 
平成29年8月19日(土)~20日(日)の2日間,長崎にて「第2回 基礎理学療法学 夏の学校」が開催されました.そして,今回は100名を超える参加者を迎え,登録された71演題すべてに対して非常に活発な討論が展開される盛会となりました.
特別講演では石田 和人 先生(名古屋大学大学院)より「動物実験と理学療法研究」という内容で御講演頂き,自験例を交えながら理学療法学分野における動物実験の必要性や利点,問題点について貴重なお話を賜りました.また,今回はより多くの「若手研究者講演」を企画するために領域を7つに拡大し,計17名の若手研究者から様々な興味深い講演を聴講することが出来ました.さらに,ポスター発表では研究概要を説明するために「ポスター1分プレゼン」を新設し,参加者全員の投票から印象的であった発表者を「Most Impressive presenter/Impressive presenter」として選出しました.加えて,「パネルディスカッション」では「機能障害に対する基礎理学療法学的アプローチの探索-末梢組織への治療介入効果の検証」というテーマを掲げ,基礎研究と臨床をつなげるトランスレーショナルリサーチの実例を3名の先生方からお話し頂きました.今回のパネルディスカッションを通して,改めて,基礎研究で得られた成果を臨床に還元することは非常に難しい課題であると感じました.同時に,若手研究者が「患者さんのために」という思いのもとで研究と臨床の両面で研鑽に励むことが,この困難な課題を解決するための大切な糸口になるという希望を抱くことも出来ました.今後も「夏の学校」の大テーマである「若手研究者のクロストーク」をさらに発展させ,機能障害に苦しむ患者さんを救う一助となることが,多くの若手研究者が集う「夏の学校」が担うべき役割のひとつではないかと考えます.
最後にこの場をお借りし,多大な御助言,御助力を賜りました,運営幹事の先生方に厚く御礼申し上げます.また,準備から当日運営までお力添えを頂いた沖田 実 先生(長崎大学大学院)が主宰する運動障害リハビリテーション学研究室の方々に深謝申し上げます.
第3回は名古屋での開催となります.次回も数多くの若手研究者が集まる意気軒昂な「夏の学校」になりますよう祈念し,実行委員長の総括の言葉とさせて頂きます.
本当にありがとうございました.

◆ 参加者の声

今回、「犬の正常歩行を運動学・筋活動の視点から明らかにする」という題でポスター発表をさせていただきました。獣医療の高度化に伴い、動物に対する理学療法のニーズが高まっているものの、基礎知見は不足しております。それらを明らかにし、機能不全を抱える動物とその家族・飼育者の役に立つことを目標にしています。これまで、動物理学療法分野の発展にご尽力されている先生方はじめ様々な分野の先生方・家族・友人…に支えられてきました。本当に感謝です。夏の学校では、参加されている先生一人ひとりが非常に興味深く・質の高い研究に取り組まれており、自分も頑張ろう!と強く思いました。夜はお酒を交わしながら研究のアドバイスをいただき、密度の濃い2日間を過ごすことができました。素敵な先生方に出合えるだけでなく貴重な発表の機会をいただき、運営に関わられた先生方、本当にありがとうございました。また、Most Impressive presenter賞を受賞させていただき、自分の研究に対する大きな励みになりました。誠にありがとうございました。最後に、どんな機能不全を抱えても今を生きる動物の姿に、いつも胸を打たれます。社会での位置づけが異なる動物ごとに命の価値をも変化する“人間と動物の関係”において、ヒトという動物である自分に何ができるのか?ということも問いながら、夏の学校で得られた経験を生かし一歩ずつ進んでいこうと思います。
(酪農学園大学大学院 獣医学研究科 理学療法士 吉川和幸)

2017年8月19-20日に長崎県で開催された「基礎理学療法学 第2回 夏の学校」において、ポスター発表で参加させて頂きました。私はロボット工学者であることから、理学療法学視点の研究発表はとても新鮮であり、価値ある情報を多々得ることができました。なお、単に知識を得ただけではなく、研究発表によっては「この工学技術を用いれば、よりよい結果につながるのではないか?」など知識を提供したいと思ったところもありましたので、理学療法学とロボット工学の異分野融合研究に大きな可能性を感じました。そのため今後も、理学療法士の方々と積極的に交流し、その中でニーズを把握、その情報を元にハードウェアとソフトウェアを統合したプロトタイプ・システムを製作・提供したいと考えております。その上で、理学療法士の方々からフィードバックをもらいシステム改善していく、実用化を目指したニーズベース開発研究を推進していきたいです。そのような理由から、ニーズをお持ちの方はお気軽に私までご連絡して頂けると助かります。最後に、私はポスター発表においてヘッドマウントディスプレイ型バーチャルリアリティのデモを行わせて頂きましたが、多くの方に興味を持って頂き、そのおかげを持ちましてImpressive Presenter賞を受賞させて頂きました。誠にありがとうございました。来年も、皆様に興味を持って頂ける最新テクノロジーのデモを行う予定ですので、何卒宜しくお願い申し上げます。
(岐阜大学 工学部 機械工学科 松下光次郎)

今回,「第2回基礎理学療法学 夏の学校」に参加し,パネルディスカッションの座長をさせていただきました.「機能障害に対する基礎理学療法学的アプローチの探索-末梢組織への治療介入効果の検証」というテーマのもと,若手研究者を中心に活発なディスカッションがおこなわれ,改めて基礎研究と臨床をつなぐ“トランスレーショナルリサーチ”の難しさと重要性を実感させられました.夜の懇親会においては,細かな研究手法のアドバイスから,プライベートな相談まで多岐に渡り,他の学会ではできないディープな話をすることができました.実行委員として至らない点も多くありましたが,長崎の夜景を眺めながら空が白むころまで大いに盛り上がりをみせ,大変有意義な時間を過ごすことができました.来夏,名古屋での「第3回基礎理学療法学 夏の学校」で,今回参加された先生方,また,新たに参加される若手研究者の先生方とお会いできることを楽しみにしています.
(新潟医療福祉大学 濱上陽平)

平成29年8月19-20日に開催された「第2回 基礎理学療法学 夏の学校」に参加し、パネルディスカッションで発表させていただきました。今回の開催地である長崎は、私が理学療法士として、また研究者として第一歩を踏み出した特別な場所でもあります。このような機会に「機能障害に対する基礎理学療法学的アプローチの探索-末梢組織への治療介入効果の検証」というテーマで臨床と研究をつなげるトランスレーショナルリサーチに関する発表ができたことを大変光栄に思います。
合宿形式で行われる本会の狙いの一つに「時間に制限されない深い議論と情報交換の場を提供し,お互いの認識を高めて競争心を刺激するとともに,自分の専門以外の研究への好奇心を沸き立て,コラボレーションを促進する」という事があるそうですが、懇親会の雰囲気はまさにその通りでした。ご参加いただきました皆様、夜遅くまで活発なディスカッションお疲れ様でした。最後に、実行委員長の本田祐一郎先生をはじめ、運営に携わっていただいたすべての先生方に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
(豊橋創造大学 横山真吾)

長崎で開催された「第2回 夏の学校」に参加させて頂きました.今回,私はパネルディスカッションでの演者を務めさせて頂くという貴重な機会を与えて頂きました.私のような若輩者の発表に対してもたくさんの貴重なご意見を頂け,このような経験ができるのが「若手研究者のクロストーク」を掲げる「夏の学校」の醍醐味ではないかと感じました.
また,深夜までお酒を酌み交わしながら行われた様々な議論も印象的でした.普段は関わることができないような分野の研究者の方々とも気兼ねなく話をすることができ,自身の研究を発展させるための“ヒント”をたくさん頂くことができました.今回,運営に関わらせて頂いた身としても「夏の学校」がさらに発展していくことを祈念致します.ありがとうございました.
(長崎大学病院 リハビリテーション部 佐々部陵)

第1回 基礎理学療法学 夏の学校 が開催されました

去る8月20~21日、新潟の湯沢で、「第1回基礎理学療法学 夏の学校」が開催されました。
多くの若手を中心とした研究者が集い、熱いクロストークが行われました。

【開催概要】
    日時:2016年8月20日(土)13:00~21日(日)13:00
会場:NASPAニューオータニ
             〒949-6101 新潟県南魚沼郡湯沢町湯沢2117-9
             http://www.naspa.co.jp/
     内容:特別講演,口述討論会,ポスター討論会,専門理学療法士必須発表会など

     実行委員長:新潟医療福祉大学 椿 淳裕
 

  

「第1回基礎理学療法学 夏の学校」が盛会のうちに終了いたしました!
 
実行委員長 椿 淳裕
(新潟医療福祉大学 理学療法学科 / 運動機能医科学研究所)

 
8月20日(土)~21日(日)の2日間,新潟でも関東に近い越後湯沢で,「第1回基礎理学療法学 夏の学校」が開催されました.全国から,他職種4名を含む85名の参加と,59演題の申し込みをいただくことができました.
若手研究者の研究活動の活性化と理学療法学研究の深化を図ることを目的として,「夏の学校」が企画されました.特別講演では第2回「夏の学校」の担当運営幹事である中野先生から,トランスレーショナルリサーチの意義についてお話しいただきました.2日のモーニングセミナーでは,市橋先生が関わってこられた理学療法学研究について「研究暦書」として講演いただきました.いずれも若手研究者にとって,非常に有意義な内容でした.
登録のあった59演題の中から,「若手研究者講演」として3領域10演題を発表いただきました.また参加者から「パネルディスカッション」の企画が持ち込まれたことは,「夏の学校」の開催意義としてとても大きく,実行委員会として非常にうれしい誤算でした.
最後になりましたが,準備に際しましては,日本基礎理学療法学会の運営幹事の先生方のご指導・ご協力がなければ,進めることができませんでした.この場をお借りしまして,深謝申し上げます.
第2回は長崎です.今回参加された方も,参加できなかった方も,長崎で熱い2日間を過ごしましょう!!

◆ 参加者の声

今回は,ロボット工学という他分野からの参加であり,また内容も基礎理学療法学というよりは認知神経科学への応用に関するものであったにも関わらず口述討論会の講演者に選ばれてしまい,『こんな発表で興味を持ってもらえるのだろうか?』と発表直前まで半信半疑でいましたが,自分の分野とは違った観点から様々な質問・コメントを頂くことができ大変勉強になりました.また,基礎理学療法学に関する最新の研究成果をいろいろと聞くことができ,皆さんの研究を促進するのに工学分野の技術・知識がまだまだお役に立てそうだということがわかったことが,自分にとって今回基礎理学療法学夏の学校での一番の収穫でした.基礎研究の知見を臨床研究・現場にそのまま応用することはまだ難しいようなので,今後はロボット技術やVR技術によってその橋渡しができればと考えています.
(埼玉大学 理工学研究科 原 正之)

2016年8月20-21日に、新潟県で開催された「基礎理学療法学 夏の学校」に参加し、口述発表をさせていただきました。
私は現在、筋ジストロフィー症に対する細胞移植治療法をテーマに研究しておりますが、今回の夏の学校では「細胞移植後のDMDモデルマウスに対する等尺性収縮トレーニングによる移植治療効果の促進」というタイトルで発表いたしました。
私にとって、マウスに対する理学療法学的介入実験は始めての経験ですので、理学療法学研究の専門家であられる多くの先生方とのディスカッションは大変勉強になりました。先生方よりいただいたアドバイスは、実際の実験にすぐに応用できるような有益なものばかりであり、先生方とのディスカッションの最中からも、今すぐにでも実験に取り掛かりたいという衝動に駆られ、ワクワクしておりました。
一日目夜の懇親会では、全国各地から集まった同年代の若手研究者と、そしてシニアクラスの研究者と、心行くまで、基礎理学療法学研究について(、そして子育てについて)ディスカッションでき、大変有意義な時間を過ごすことができました。
来年、長崎で開催される「第二回 夏の学校」では、さらに進んだ研究成果を発表できるよう、引き続き地道にコツコツ研究活動を続けていこうと思います!!
実行委員長の椿先生はじめ、実行委員の先生方、本当にありがとうございました。
(京都大学iPS細胞研究所 竹中 菜々)

今回は新潟で行われた「第1回 夏の学校」に参加させていただきました.「夏の学校」は合宿形式ということで,様々な先生方と研究のことや将来の理学療法のことなど,様々な議論を行う事が出来ました.いつもであれば自分の研究分野に近い分野の研究の先生とのコミュニケーションが中心でしたが,年齢の近い先生方と議論でき非常に楽しい時間を過ごすことができました.同じ基礎理学療法の研究を行っている先生方とのディスカッションは新しい視点で自分の研究を見つめなおすことや,他の先生とのコラボレーション出来れば…などと色々と考えるきっかけを頂きました.また同世代の先生方が「面白い」研究を行っているのを見ると,感心するとともに自分も頑張らなくては…という刺激をいただくことができました.次回の長崎で開催される「第二回夏の学校」にも参加し,刺激を受けることや,自分も他の先生方に刺激を与えられるようにしたいと思います.
(新潟医療福祉大学 中村雅俊)

第1回「夏の学校」では、多くの若手研究者が集い、基礎から臨床まで幅広い分野での興味深い基礎理学療法研究の発表がありました。各々の専門分野の垣根を越えた議論ができたことは非常に有意義な機会となりました。また、私は臨床の傍ら大学院での研究活動を行っていることもあり、長崎大学中野治郎先生のご講演の中で出ていた“トランスレーショナルリサーチ”基礎と臨床をつなぐ理学療法研究の重要性に共感しました。基礎理学療法の発展には、基礎分野の研究者と臨床分野での研究者の融合が必要であり、「夏の学校」はその最適な機会だと感じました。講演や発表時間以外にも美味しい料理やお酒を味わいながら、若手研究者と交流を深められたこともまた「夏の学校」の特徴だと思いますし、柔軟な思考で議論することで自分の研究に役立つ新しい視点を発見することもできました。最後に、このような素晴らしい会で貴重な発表機会を頂戴した実行委員の先生方にお礼申し上げます。ありがとうございました。
(滋賀医科大学附属病院・京都大学大学院 谷口匡史)

平成28年8月20-21日に開催された「基礎理学療法学 第1回夏の学校」に参加・発表させて頂きました。会場は越後湯沢のリゾートホテルで、きっと会の雰囲気もリゾートな感じでゆるい会かなと行きの道中は思っていました。しかし、実際に到着してみると発表は様々な分野の多くの基礎研究に従事する先生方が、豊富なデータを提示して先進的な意見を公表しており刺激を受けました。また自分の発表終了後にも建設的かつ愛情のある貴重なsuggestionを頂き、研究へのモチベーションが高まりました。夜の懇親会でも多くの先生方と交流する事ができ、熱い時間を過ごすことができました。帰り道では研究への意欲に満ち溢れていました。大西先生、椿先生、江玉先生をはじめとする新潟医療福祉大学の先生方に御礼申し上げます。今後も積極的に参加し、発表されていた先生方のように理学療法分野の基礎研究の発展に寄与できるよう研究を進めていきたいと考えております。
(福井大学医学部附属病院 松尾英明)

竜馬に負けない特別講演をされる中野先生

竜馬に負けない特別講演をされる中野先生

質問に立つ金子先生

質問に立つ金子先生

河上会長あいさつ

河上会長あいさつ

ポスターセッションも熱気があります

ポスターセッションも熱気があります

熱い議論はいつまでも続きます

熱い議論はいつまでも続きます

表彰式(栄冠は誰の手に?)

表彰式(栄冠は誰の手に?)

最後を締める大西先生

最後を締める大西先生


「基礎理学療法学 夏の学校」 キックオフミーティング が開催されました!

実行委員長 菅田陽怜
(大分大学福祉健康科学部理学療法コース)

 はじめに、本会開催に当たりご理解とご協力を賜りました日本基礎理学療法学会運営幹事の先生方に心より感謝申し上げます。また、講師としてご参加いただきました先生方におかれましても、遠方よりお越しいただき誠にありがとうございました。本キックオフミーティングは、大分県の若手の皆様のご協力と、全国各地からお集まりいただいた若手の先生方のもと、盛況のうちに幕を閉じることができました。
 今回のような若手を中心とした企画は、他の研究分野(生物物理若手の会、細胞生物若手の会など)では積極的に行われていますが、理学療法分野においてはそれほど広く知れ渡っていません。そのような中、日本基礎理学療法学会では若手の情報交換の場を作るべく、「基礎理学療法学 夏の学校」が企画されました。今回のキックオフミーティングは、この「夏の学校」の開催に向けた前段階、すなわちキックオフ段階という位置づけです。他の学際領域と同様に、「基礎理学療法学 夏の学校」は今後の理学療法研究の発展に広く貢献していくものと考えています。そのような中、「基礎理学療法学 夏の学校」の発足に向けた前段階である「キックオフミーティング」の運営に関われたことを大変うれしく思いました。
 次回は8月に新潟で第1回「基礎理学療法学 夏の学校」が開催されます。皆様ぜひご参加いただき、理学療法研究を若手で盛り上げていきましょう。

◆場所:ホテル豊の国(〒870-0815 大分県大分市南春日町12番5号)
◆日付:2016年1月30-31日

参加者:72名
特別講演:1演題
若手研究者講演:6演題
ポスター発表:27演題

※ 盛りだくさんの企画と熱心な議論が続き、非常に有意義な2日間でした!
本年8月、開催予定の、日本基礎理学療法学会「夏の学校」(in 新潟)にも、是非ともご参加下さい。

◆ 参加者の声

これまでに複数の学会の「若手研究者の会」の合宿や活動に参加してきました。今回のキックオフミーティングは、そのどれにも引けをとらず、今年から始まる基礎理学療法学夏の学校への期待を高めるに十分な内容であったと思います。自分の専門分野外の研究内容であっても、理学療法という共通したキーワードのある研究は、どれも興味深く、問題解決法や自分の専門性を活かして他の研究の問題解決にアプローチできないかと、自然に考えることができました。自分の研究への助言やコメントも、多くいただき、合宿形式だったので発表後も十分に時間をかけて議論することができました。
(長崎大学大学院 吉岡 潔志)

今回開催されたキックオフミーティングでは、次世代を担う大変優秀な若手研究者の先生方と触れ合うことができ、また色々なご意見を頂き、痛烈に現在の自分を反省するとともに今後の活力が漲りました。一気に色々な輪が広がった気がしております。このような合宿が今後継続していけるように、微力ながら頑張っていきたいと思います。8月には第一回夏の合宿が新潟で行われます。食べ物もおいしく、非常にロケーションの良い場所ですので是非多くの先生方に参加していただき、暑い夏を過ごしたいと思っております。最後になりますが、河上先生、菅田先生をはじめとする運営スタッフの先生方にお礼申し上げます。大変ありがとうございました。
(新潟医療福祉大学 江玉 睦明)

今回、夏の学校キックオフミーティングに参加することで、新しい知識を習得するとともに若い研究者同士のつながりを深めることができたと思う。特に、他分野の研究者とディスカッションをすることは、今まで考えていなかった新しい視点の発見につながった。今後も積極的に参加し、自身の知見を深めていきたいと思う
(名古屋大学大学院 渡邊 龍憲)

平成28年1月30、31日に開催された「基礎理学療法学 夏の学校」キックオフミーティングに参加・発表させていただきました。本会は、若手研究者同士やシニア・若手研究者間など、形にとらわれず深い議論や情報交換ができる新たな場として発足したものです。私は霊長類モデルを用いて中枢神経損傷後の運動機能回復と神経可塑性変化について研究を行っています。発表に際し、同日にキックオフされたU-23サッカー代表の日韓戦にも負けないしびれる議論を多くの方々と行うことができ、今後の研究に大変参考となるものでした。
(京都大学霊長類研究所 髙田 裕生)

「基礎理学療法学 夏の学校」キックオフミーティングが大分県大分市で開催され,2日間にわたって特別講演や若手研究者の講演,研究情報交換会が行われました.
まず,シニアクラスの研究者による特別講演と若手研究者による講演がありました.先生方がこれまで手がけてきた研究から現在取り組んでいる研究に至るまで,幅広いテーマの講演を聴かせていただきました.諸先生方が臨床経験から得た疑問や問題点を解決するために,研究に取り組まれている真摯な姿勢を感じることができ,理学療法士が研究に取り組む意義を再認識することができました.また,研究情報交換会では20名以上の先生方に混じって私自身も情報提供をさせていただきました.この会の開始時間前からポスターの前で積極的に討論する姿が多くの場所で見られ,密な議論がかわされていました.私自身も多くの同年代の先生方と議論する機会をいただき,数多くの意見やアドバイスをいただくことができました.その後の懇親会でも研究に関する話題は尽きず,日が変わるまで同年代の研究者と研究について語り合うことで,多くの刺激を受けました.本会に参加することで,数多くの先生方と基礎理学療法に関する議論をすることができ,刺激的な時間を過ごすことができました.
(新潟医療福祉大学 齊藤 慧)

広いお座敷でポスター発表,制限時間を忘れて熱弁してしまいます

広いお座敷でポスター発表,制限時間を忘れて熱弁してしまいます

リラックスした空気の中で、活発な議論ができました

リラックスした空気の中で、活発な議論ができました

講演も自由な雰囲気で大変刺激になりました

講演も自由な雰囲気で大変刺激になりました

河上代表幹事(大分大学)の発声で、正に「夏の学校」が産声を挙げました!!

河上代表幹事(大分大学)の発声で、正に「夏の学校」が産声を挙げました!!

※ 開催にあたり、
「優秀ポスター賞」の選出と表彰が行われました!

◆◆受賞者◆◆
竹中 菜々 先生 (京都大学iPS細胞研究所)
タイトル「デュシェンヌ型筋ジストロフィー症に対する細胞移植と筋収縮トレーニングの治療効果」

竹中先生、おめでとうございます! 次回は、あなたの番です。是非、「夏の学校」へご参加下さい