第7回日本リハビリテーション栄養学会


去る平成29年11月25日に仙台で行われた第7回日本リハビリテーション(以下、リハ)栄養学会学術集会に参加してきました。今年から、日本リハ栄養研究会が学会化・法人化されましたが、今回が学会化後初めての学術集会でした。
学術集会の参加者は、1,000人を超えていたそうで、リハ栄養の注目度がますます高まってきていると感じました。内容も著名な先生方の講演やシンポジウム、ポスター発表がとても充実しており、活気のある学術集会でした。
 

午前中、私は教育講座「肺炎に対するリハ栄養」の座長を務めてきました。講師は、長崎大学医学部リハビリテーション部の高畠英昭先生でした。肺炎に関する基礎知識から臨床での対応についてまで、大変分かりやすくご講演いただきました。その中で、高齢の肺炎患者では、入院後に「とりあえず安静・禁食」にされることが多いですが、このことにより栄養状態、身体機能、摂食嚥下機能が悪化してしまう、という内容がありました。それに対し、早期理学療法は肺炎患者の死亡率を低下させ、早期経口摂取と嚥下リハは摂食嚥下機能低下の防止に有用であることが示されていました。栄養・嚥下理学療法は、高齢者肺炎の重要な治療の一つであると思いました。
 

午後は、「栄養理学療法等は何か―構造構成的本質観取を用いた理論的研究―」という演題でポスター発表をしました。発表の内容は、構造構成的本質観取法により栄養・嚥下理学療法の定義を構築し、その概念を明確にしたものでした。多くの方にポスターを見ていただけましたが、今後、栄養・嚥下理学療法の概念が広まり、実践されていくことで、リハ栄養や摂食嚥下リハで活躍できる理学療法士が増えるとよいと思います。


次回の第8回日本リハ栄養学会学術集会は、平成30年12月1日(土)に香川県高松市で行われます。
教育講演では、当部門の運営幹事である山田実氏が登壇いたします。
また、当部門との共催企画もあります。是非多くの方にご参加いただけますと幸いです。



栄養・嚥下理学療法部門 運営幹事
田村外科病院 高橋 浩平