第9回日本リハビリテーション栄養学会学術集会

入場制限申し訳ありませんでした。

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令和1年12月10日
栄養・嚥下理学療法部門
運営幹事 高橋 浩平
 
2019年11月23日に福岡県福岡市のアクロス福岡で第9回日本リハビリテーション栄養学会学術集会が開催され、参加してきました。
今回、参加者は1250名だったそうで、さまざまな職種の方が参加されており、大変盛会でした。

中島と高橋は、リハ栄養学会と栄養・嚥下理学療法部門とで合同企画した理学療法士セッションに演者、座長として参加しました。このセッションのテーマは「低栄養患者に対する最適な理学療法を考える」で、シンポジウムを行いました。座長は宮崎慎二郎先生(KKR高松病院リハビリテーションセンター)と高橋が務めました。演者は、
中島 活弥運営幹事(一般財団法人 同友会 藤沢湘南台病院)「低栄養患者に対する理学療法の実践~急性期から」
宇野 勲先生(医療法人桜十字 桜十字病院 リハビリテーション部)「低栄養患者に対する栄養理学療法~地域包括ケア病棟での取り組み~」
の2人に発表していただきました。会場は満席で立ち見が出るほど、多くの方に来ていただきました。フロアからもたくさんの質問をいただき、活発なディスカッションが行われていました。低栄養状態だからといって活動量を減らしすぎると、廃用症候群が生じてしまいます。守りに入りすぎず、日中の活動量を確保し、理学療法では効率の良い運動指導やADL練習を行い、活動レベルの向上が図るべきということを、お二人の演者とも強調されていました。また、評価として理学療法士が得意としている筋力・筋肉量の評価やフィジカルアセスメントを用いて、モニタリングしながら運動療法の負荷量を考えていくと良い、ということも話されていました。低栄養患者に対して理学療法士がすべきことは多くあることに気付き、とても良いセッションになったと思いました。
 

また、山田実運営幹事が講師を務めたランチョンセミナー「サルコペニア改善に必要な栄養・運動介入」も拝聴してきました。サルコペニアに対しては運動と栄養が重要であることを改めて実感したのはもちろんですが、他にも多くのことを学べました。
講演の中で、病院では活動量が圧倒的に少なくなり、理学療法でのレジスタンストレーニングも負荷量が不十分な可能性があるという話がありました。また、予防理学療法の観点から、「患者は退院がゴールではなく、退院してからがスタートだ」という言葉がとても印象に残りました。退院後を見据えた栄養理学療法や退院後の予防理学療法の取り組みが重要であることを学べました。


さらに午後からは、高橋は教育講演の座長を務めました。講師は、国立健康・栄養研究所 栄養ケア・マネジメント研究室室長の高田和子先生で、テーマは「エネルギー消費量測定法の基礎知識とリハ分野への応用」でした。エネルギー消費量の評価は栄養理学療法やリハ栄養において、とても重要な評価ですが、推定式にはまだまだ課題が多いことを実感しました。やはり、体重や筋肉量、身体機能などでモニタリングしていくことが重要だと思いました。

他にも教育講演や研究発表などを聴いてきましたが、どれも勉強になることが多く、とても充実した時間を過ごせました。今後、私達自身も栄養・嚥下理学療法の実践、研究を進め、当部門としてもリハ栄養、栄養・嚥下理学療法の発展に貢献できればと思います。