第7回学術大会  大会長基調講演

明るい未来を拓く予防理学療法実践

吉田 剛
高崎健康福祉大学保健医療学部理学療法学科
学科長

略 歴
1985年 国立療養所東京病院附属リハビリテーション学院卒業
2006年 群馬大学大学院医学系研究科保健学専攻 博士号取得
2009年 高崎健康福祉大学保健医療学部理学療法学科教授
2014年 日本予防理学療法学会運営幹事
2015年 栄養・嚥下理学療法部門代表運営幹事

資 格
理学療法士・ 日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士
専門理学療法士( 神経 )

活 動
日本予防理学療法学会運営幹事(第7回大会長),
栄養・嚥下理学療法部門代表運営幹事(第3回研究会会長),
日本理学療法士協会代議員,理学療法学編集委員会査読委員

論 文
1)喉頭位置と舌骨上筋群の筋力に関する臨床的評価指標の開発およびその信頼性と有用性.日本摂食
嚥下リハビリテーション学会誌7(2),143-150,2003.
2)脳血管障害による嚥下運動障害者の嚥下障害重症度変化と嚥下運動指標および頸部・体幹機能との
関連性.日本老年医学会誌43巻6号,755-760,2006.
3)Clinical characteristics of swallowing disorders caused by cerebrovascular disease
: a study using newly- developed indices for the basic elements of  swallowing movement
    and neck range of motion.JJPTR10(1),11-15,2007.

講演要旨
 今年は本来はオリンピックイヤーで、パラリンピックを終えて3週間後に群馬県高崎市に今年4月に完成したGメッセ群馬で本学会を開催する予定で準備して参りました。残念ながら新型コロナウィルスの蔓延で、9/26-27開催の本学会は中止を迫られ、何とか200題もの応募演題の発表の場を作ろうとこのようにWEB学会として開催することになりました。準備委員長をはじめ準備委員会の本学スタッフと各部門の運営幹事の先生方のご協力を受けて、このように開催できる運びとなりとてもうれしく思っています。
 本学会のテーマを「明るい未来を拓く予防理学療法実践~栄養と運動で健康寿命を延伸」としたのは、予防理学療法のエビデンスが世の中から求められている今、私たちが利用者に提供している予防理学療法の中身を自分たちで再度検証しながら効果判定を行う必要性を感じたからです。我々は、多くの健常と考えられている国民をより健常でいられるようサポートし、フレイル、サルコペニアへと進行しないよう地域のネットワークを作っていく必要があります。そこでは、ポピュレーションアプローチで多くの人を救うためにより効果的な方法を模索しながら各地で様々な取り組みがなされてきました。一方でハイリスク者も混在したグループにおいては、有害事象をも引き起こす可能性があるため、一般的に良いとする運動も適応を考慮して行ってもらう必要がありました。〇〇体操というご当地体操は数多く普及して、集いの場で多くの人がそれを目的に集い、楽しみながら継続するのに必要な動機付けを行ってきました。
 今はコロナの影響でなかなか集いの場も機能しにくい状況となり、対象者の健康寿命を永らえるためには新たな戦略が求められています。そんな状況の中、皆で情報を持ち寄り、感染症を予防しながらフレイルを予防する方法をこの学会を通して考え出すことができれば幸いです。