COVID-19に関する情報(新興感染症の歴史)2
2)結核
項目 | 国内外 | 内容 | 出典 |
流行時期 | 国内 | BC454-AD124 弥生時代 | 鈴木隆雄,古病理学が語る病気と障害、Jpn J Rehabil Med 52:121-125, 2015 |
海外 | 70,000年前(遺伝子解析) 9,000年前(イスラエル海底遺跡の人骨) |
Comas I et al. Out-of-Africa migration and neolithic co-expansion of tuberculosis with anatomically modern humans. Nature Genetics, Sept1. 2013 | |
感染経路 | 国内 | 空気感染 | 東京都感染情報センター http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/tb/ |
海外 | |||
主な流行地域 | - | 全世界 | 石弘之:感染症の世界史、角川ソフィア文庫、東京、2018 |
主な臨床症状 | 国内 | 潜伏期間、半年から1年、初期症状は咳・痰・微熱、ときに血痰、食欲低下、体重減少、肺病変の拡大とともに呼吸困難。また骨や腸管、腎臓など肺以外の臓器にも病巣を作ることがある。 | 東京都感染情報センター http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/tb/ The natural history of pulumonary tuberculosis, WHO, 2001 |
海外 | |||
終息までに要した 期間 |
国内 | 1883年からの「肺病死亡数」では、終戦以降急激に低下、新結核予防法の発令で更に減速。 | 森亨:日本の結核流行と対策の100年、日本内科学学会誌91(1):129-132, 2002 |
海外 | 重工業化が早かった都市では17世紀に猛烈な流行を引き起こし18世紀には集団免疫を得て収束に向かう。遅れて感染が広がった国ではこれらに比較すると感染の流行は少なかったが1900年初頭に流行のピークを迎え徐々に減少していった。 | 砂原茂一、上田敏:ある病気の運命、東京大学出版会、東京、1984 | |
死亡率 | 国内 | 人口10万対1.8 | 平成30年 結核登録者情報調査年報 厚生労働省 |
海外 | 人口10万対27 | WHO Guidelines on tuberculosis infection prevention and control 2019 Global TB report 2019, WHO | |
感染者数 | 国内 | 罹患率人口10万対36 | TB Burden countries 2020.05.13, WHO statistics |
海外 | 罹患率平均人口10万対125 | ||
主な対策 (現在行われている予防策も含む) |
国内 | ・生後6ヶ月に至るまでにBCG接種 (感染症法) ・80歳以上の定期健康診断で結核患者の 発見を図る(健感発0427第1号) ・薬物療法 |
感染症法 |
海外 | ・Health workerへの感染防止 ・患者の呼吸隔離 ・患者への適切な治療の促し ・呼吸衛生、換気システム ・薬物療法 |
WHO Guidelines on tuberculosis infection prevention and control 2019 update | |
発生から終息までの経緯の要約 | 国内 | 古くから結核様の症状の報告はされている。1900年代に近代化に伴い感染者数が増大。1920年には罹患率が250を超えた。以降低下傾向にあったが、太平洋戦争の拡大とともに増大、推定で罹患率は241まで拡大。1949年から1953年までは減少率年間20%、以降年率9%の割合で低下。1996年以降反転して微増に転じている。 | 岩崎龍郎:日本における結核の歴史、結核56(8), 1981 |
海外 | 我が国より重工業化が早かったロンドンでは16世紀後半に結核による死亡率は700を超え1750年に900となって以降減少に転ずる。ストックホルムはやや遅れて1770年が700で1830年に900まで上昇し減少に転じた。フランスは我が国と類似した傾向で1900年初頭に200を超え以降徐々に減少し10を着るのは1970年である。 | 砂原茂一、上田敏:ある病気の運命、東京大学出版会、東京、1984 |