第57回日本理学療法学術大会
第11回日本理学療法教育学会学術大会



第11回日本理学療法教育学会学術大会は、完全Web開催となりましたが、大変多くの方にご参加いただき、盛会のうちに終了いたしました。ご参加、ご協力いただきました皆様に心より御礼申し上げます。

表彰演題

大会長賞
理学療法士教育における「臨床実習指導者効力感尺度」の信頼性の検証
永野 忍(九州医療スポーツ専門学校 理学療法学科)

優秀賞
回復期リハビリテーション病棟に勤務するセラピストのパフォーマンスとメンタルヘルスに影響を与える諸要因の関係-構造方程式モデリングによる分析-
西郡 亨(津田沼中央総合病院 リハビリテーション科)
 

理学療法教育の活性化
~ハード・ソフト・ハートの実践~

大会長挨拶(第2報)

 大会長挨拶第1報では、現地開催の告知しておりましたが、ご存じの通り、国内において、新型コロナウイルスの新規感染者が依然として全国規模で高い水準となっており、収束の見通しが立たない状況です。大会準備委員会及び当学会理事会において慎重に審議いたしました結果、第11回日本理学療法教育学会学術大会を2022年11月5日(土)・6日(日)に完全WEB(中継基地、福島県立医科大学保健科学部)にて開催させていただくことになりました。
 現代は、あらゆるものを取り巻く環境が複雑さを増し、感染や災害等で将来の予測が困難な状況にあることから、「VUCA(ブーカ)時代」と呼ばれ、激変する時代にあわせた理学療法教育が求められています。VUCAとは、Volatility(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性・不確定さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ)という4つのキーワードの頭文字から取った言葉です。
 私たち理学療法士を取り巻く状況も、高まる社会の要請に応え、働く場所は介護施設や訪問リハビリなど地域に広がり、対象者一人ひとりの環境や人間性を考慮し、信頼を得るため科学的根拠に基づいた理学療法の確立も求められています。また新型コロナウイルスの影響で、養成校や臨床現場はIT環境も含め強制的に変化しております。
 
 そのような現状に対応するため、2021年に、日本理学療法士学会の12分科学会は一般社団法人格を取得し、8部門は研究会へと発展しました。2022年には(公社)日本理学療法士協会においても、新生涯学習制度の運用が開始されます。そして学生を育てていくための理学療法士作業療法士学校養成施設指定規則の施行から2年が経過し、臨床実習も新しい指定規則による実践が行われています。
 このような激変の時代において私たち教育に携わる者が学びを止めるわけにはいきません。そこで第11回学術大会のテーマを『理学療法教育の活性化~ハード・ソフト・ハートの実践~』としました。
 
 私は病院でリハビリテーション科と教育研修室を兼務しています。臨床場面では緊急性が問われるとどうしても教育が後回しになり、人材育成が停滞する現状をこれまで体感してきました。そこで教育研修室では組織目的の達成に向けて職員の質向上をするために、教育のハード面、ソフト面、ハート面へ状況に合わせたアプローチを実践し続けてきました。本大会サブテーマにある、ハードとは、施設物品環境・IT・仕組み、ソフトは技能・知識、ハートは態度・価値観・あり方等です。本大会では教育に関する様々な実践を共有し議論や情報交換をすることで、皆さまの明日からの理学療法教育を活性化する一助になればと考えています。

  本大会は法人化した日本理学療法教育学会として、初の2日間単独開催となります。40演題発表、3つの講演と3つのシンポジウムを企画しております。学術的研鑽および卒前・卒後教育に有益な学術大会になるように最善を尽くしてまいります。
 なお、WEB開催におけるプログラムやご案内などにつきましては、準備ができ次第、順次ホームページでお知らせいたします。
 皆様にとって実りある学術大会となるよう、準備委員一丸となって一層邁進する所存ですので、何卒多くの皆様にご参加いただきますようよろしくお願い申し上げます。

 

2022年4月6日
第11回日本理学療法教育学会学術大会
学術大会長 本田 知久

開催概要

1.名称 第57回日本理学療法学術大会
第11回日本理学療法教育学会学術大会
2.会期 2022年11月5日(土)~11月6日(日)
3.会場 WEB開催(中継基地、福島県立医科大学保健科学部)
4.テーマ 理学療法教育の活性化
~ハード・ソフト・ハートの実践~
5.学術大会長 本田知久(総合南東北病院)
6.準備委員長 高野 稔(総合南東北病院)