研究デザインは、単純盲検無作為比較検定である。65歳以上の36名の健常高齢者を無作為に2グループ(バランス訓練群[n=17]と転倒予防教育群[n=19]に分けた。
訓練群については、FallProofプログラムによるバランス訓練を1週間3回(1回1時間)で8週間にわたりフォローアップした。
評価は、床反力計を使用して足圧中心点(COP)を抽出 ②臨床的評価としてFullerton Advanced Balance(FAB) Scale、The Physical Activity Scale for the Elderly (PASE)、Activities-specific Balance Confidence (ABC) scaleの評価とした。
課題条件は、1) 閉眼立位条件、2) 閉眼立位二次課題条件、3) 閉眼立位振動条件、4) 閉眼立位二次課題振動条件の4つの課題として、各3回計測してその平均値を採用した。課題2)、4)の二次課題では3桁の数字の逆算、課題3)と4)の振動付加では、5秒間の静止立位保持後、10秒の振動刺激を加えたのち30秒の振動刺激無しとした。
解析は振動刺激終了後からの30秒間、6回(1回5秒間)にわたり、時間間隔1~時間間隔6の各時点で5秒間のCOP平均動揺速度を計測した。振動刺激は、80Hzの振動をバイブレーターによりアキレス腱および前脛骨筋腱にあたえた。