理学療法の臨床に役立つ学術情報を日本語で読む。
【論文の概要】背景 骨盤底筋トレーニング(PFMT)は腹圧性尿失禁(SUI)を有する女性に対して最も一般的に用いられている理学療法の治療である。目的 尿失禁を有する女性に対するPFMTの効果を無治療群、プラセボもしくはシャム治療群、その他の非活動的なコント…
【論文の概要】背景 パーキンソン病に対する運動療法は運動症状を短期的に改善させることが明らかにされている。これまでの研究からリハビリテーションは疾患の進行を抑制する神経保護作用がある可能性があるが、疾患の重症度が異なっていたり、多様な抗パーキ…
【論文の概要】背景 サルコペニアは筋肉量の減少および筋力低下によって特徴づけられる。また、COPD患者にとっては、加齢と疾患の両側面によって筋肉量の減少がみられる。筋肉量減少や身体組成の評価はいくつかの方法が提案されている。それらは高精度にもかか…
【論文の概要】背景頸部痛は事務職員にとって健康上の大きな影響を与える問題であり、長期的にみると、患者自身や社会にとって大きな社会的・経済的損失を招くものである。しかし質の高い無作為化比較試験はほとんど報告されておらず、事務職員の頸部痛を予防す…
【論文の概要】背景 有酸素運動は神経栄養因子、神経可塑性、認知に影響する行動学的介入の一つであり、脳卒中による回復や神経可塑性を促進する可能性があるが、神経可塑性を測定する適切な方法や運動の効果は完全には解明されていない。脳梗塞モデル動物を使…
【論文の概要】背景 肩関節は障害を起こしやすい関節の一つである。肩関節痛の経過は様々であるが,41%の症例では,1年後も何らかの症状が継続すると報告されている。肩関節痛を呈する症例のうち,30-86%に,肩峰下インピンジメント症候群が認められるとされ…
【論文の概要】背景・目的 老化(Aging)は、脳の海馬にさまざまな機能的な変化をもたらす。老化によって記憶力の低迷があげられ、これまでの研究から高齢者の脳では、海馬の委縮やシナプス結合部の衰退、可塑性の低下などが言われている。運動は、これらの老…
【論文の概要】背景 慢性心不全(chronic heart failure: CHS)は、寿命の増加や医療の向上により、高齢者において世界的に増加している。CHS患者は運動耐容能が低下し、ADLや健康QOLが低下する。一般的にCHS患者は利尿薬や血管拡張薬などの薬物治療を行ってい…
【論文の概要】背景皮膚の触覚刺激は様々な身体の機能に影響を与える。それらは、未熟児の成長を促進する、呼吸と免疫応答が改善する、血圧と脈拍が減少する、副腎皮質のカテコールアミン(アドレナリン)が減少する、脊髄の血流が増加する、分娩時の痛みがコン…
【論文の概要】背景 肩関節痛は最もよくみられる疾患の一つであり,その罹患率は2.4~4.8%と報告されている。また,肩関節痛はインピンジメント症候群に起因するものが多いとされている。インピンジメント症候群に対する介入としては,一般的に抗炎症剤と理学…
【論文の概要】背景・目的 転倒は高齢者の機能障害等を引き起こす主要要因となっており、骨折の起因の5-10%が転倒であり、股関節の骨折に限ってみればその90%以上が転倒によって引き起こされている。乏しい身体パフォーマンス(特に下肢筋力低下やバランスの…
【論文の概要】背景 末梢動脈疾患(閉塞性動脈硬化症)は、動脈瘤、炎症、アテローム性動脈硬化症、血栓塞栓が要因で動脈の狭窄や閉塞により制限された状態である。55歳以上の20%に下肢動脈の危険性があり、ほとんどが無症候性である。糖尿病はアテローム性に…
【論文の概要】背景 慢性腰痛は生物学的・心理社会学的要素や姿勢異常を含む身体障害、局所的な椎間板の運動学的な障害や運動コントロールの障害、筋不均衡が主要な原因となる。慢性腰痛患者は体幹の硬さの増加、固有受容器の機能低下、腹筋や背筋の活動パター…
【論文の概要】背景・目的 手の良好な機能は日常生活においてとても重要である。老化に伴って脳のボリュームは減少し、病理学的な異常な蓄積は、認知機能の低下とよく相関がみられる。老化によって良好な運動機能の低下はみられるけれども、関連性を結び付けら…
【論文の概要】背景 腱板断裂の罹患率は約20%であり,保存療法にて改善がみられない場合には,修復術が選択される。通常,修復術後には,患部を保護し治癒を促進するために,固定する期間が必要である。しかし,修復術後に再断裂を起こす割合は25%を超えるとの…
【論文の概要】背景・目的 脳卒中片麻痺に対するリハビリテーションアプローチは数多く開発されているが、特に上肢に対するアプローチで十分と思えるものはない。システマティックレビューでは最適な量は示されていないが、治療時間と反復回数が麻痺の回復と関…
【論文の概要】背景 脳梗塞後の運動機能の自然回復に対して、脳は限られた適応力を持っている。リハビリテーションは長期的な帰結を改善させる。動物モデルでも電気刺激や薬物治療の効果が示されているが、これらの治療選択の効果は限られたものである。リハビ…
【論文の概要】背景・目的 高齢化社会を迎え、転倒に関連する事項が着目されてきている。転倒経験者や転倒に対して恐怖心をもっている高齢者は、再び転倒するリスクが年齢ともに高まる報告も先行研究よりされている。転倒に効果的な運動プログラムが出来れば健…
【論文の概要】背景 変形性膝関節症は最も一般的な関節疾患であり、45歳以上の罹患率は12.5%と報告されている。外側ウェッジインソールは変形性膝関節症の保存療法の一つとしてよく用いられている。外側ウェッジインソールは、大腿脛骨関節のアライメント異常を…
【論文の概要】背景 上肢機能回復の大部分は脳卒中発症後6カ月以内に起こると考えられており、その回復の量は非常に限られている。麻痺側上肢の機能回復には、スプリントや電気刺激装置、筋電計を利用した神経筋刺激装置と機能的電気刺激の有効性が示されている…
【論文の概要】背景 肺動脈性肺高血圧症(PAH)は慢性進行性疾患であり、患者は労作性呼吸困難、疲労、不活動性の増加、さらなる症状の悪化を来し、体調不良などの苦しみが続く。近年、十分管理、監視された運動トレーニングプログラムは状態が安定したPAH患者の…
【論文の概要】背景 これまでのランダム化比較試験のシステマティックレビューにより、変形性膝関節症(膝OA)に対する運動療法は疼痛や能力障害の改善に有効であることが報告されている。しかし、最も効果的の高い運動療法の種類等は明らかになっていない。その…
【論文の概要】背景・目的 身体活動(Physical activity)はアルツハイマー病発症リスクを減少させるという報告や、身体活動の高い人は認知機能が正常であるなどの身体活動の有効性を示した疫学調査の報告はたくさんある。また、脳の海馬の萎縮は、記憶障害と認…