理学療法の臨床に役立つ学術情報を日本語で読む。
【論文の概要】背景COPD患者では、息切れによりADL、QOLが障害される。そのため、COPD患者の息切れがどのような要因で生じるのかを理解することはこれら患者に運動療法や患者指導を行う上で重要である。COPD患者の息切れの要因に関する研究では漸増負荷中の検討…
【論文の概要】背景と目的深刻な痛みにより医師を受診する患者の30%以上で、筋肉の痛みは主要な不快感の原因となっている。これらの痛みは、ディスポネシス(課題を施行する際の不必要で無意識的な筋肉への誤った負荷)が原因であることが多い。ディスポネシス…
【論文の概要】背景正常な刺激の欠如と傷害を受けた神経単位からの過放電、切断後に再び認められる体性感覚の疼痛が幻肢痛発生の原因と考えられている。幻肢痛の治療は非常に困難であるが、治療方法として手術療法、心理療法、鏡や鏡箱による仮想現実を用いた方…
【論文の概要】背景腰痛症とそれに関連する障害は、西洋の社会での主要な社会的健康問題である。腰痛症は、英国労働者の主な休職原因であり、直接的なヘルスケア・コストは、2,932,000ドルと推定されている。英国のNHSにおける理学療法士は、年間におよそ130万…
【論文の概要】背景RA患者における前足部の機能不全に関する研究、特にMTP関節のROM制限の影響について明らかにされていない。MTP関節のROM減少は、歩行において下肢の運動とストライドの産出との協働を修正するような重要な変化を引き起こす[1.]と考えられる。…
【論文の概要】背景幻肢痛患者やCRPS患者において、感覚識別トレーニングは触覚の鋭敏さを増加し、皮質の再組織化を正常化し、痛みを減少させる。健常者において、刺激されている部位を見ている方が感覚野の反応、触覚の鋭敏さは大きくなる。目的触覚識別トレー…
【論文の概要】背景脳性麻痺を含む肢体不自由児者の健康管理は、健康促進のため障害を最小にするように変化している。身体活動の取り組みは、筋力低下や肥満等を防ぎ、機能的な独立を維持し、健康を促進することが期待できる。これまで、脳性麻痺の身体活動を向…
【論文の概要】背景脳血管障害者では、認知・運動機能に永続的な障害を抱えている。体重免荷トレッドミル歩行(Body weight support Treadmill Training:BWSTT)装置は運動障害を持った患者や心臓血管系の疾患に対する安全かつ有効的な歩行訓練が可能であり、…
【論文の概要】背景初期の人工股関節置換術(THA)あるいは人工膝関節置換術(TKA)の最適な術後プログラムは明らかとは言えない。自転車エルゴメーターによる運動は、continuous passive motion machine(CPM) と同様に固有感覚や筋の協調性、下肢の循環、罹患…
【論文の概要】背景膝内反変形を呈する内側型変形性膝関節症(膝OA)患者は、歩行中膝内転モーメントが増加すること、膝内転モーメントとOA重症度、膝内反アライメント、疼痛との間に関連性があることが報告されている。膝OA患者は、歩行中膝内転モーメントを減…
【論文の概要】背景脊髄損傷者にとって褥瘡治癒の遅延は生命を脅かす深刻な医学的状況に進展する可能性がある。一方、創傷に対する電気刺激electrical stimulation therapy:ESTは線維芽細胞活動の増加、コラーゲン蓄積や血管新生増加などにより治癒を早めるこ…
【論文の概要】Introductionシャルコー・マリー・トゥース(Charcot-Marie-Tooth = CMT)病はしばしば末梢の筋のアンバランスより有痛性凹足を呈し、病期の進行とともに足部の変形が進行し拘縮を呈する。本研究の目的は、足部底屈圧と痛みに対して凹足が及ぼす…
【論文の概要】背景と目的認知症は高齢者に共通して起こる症候群であり、認知症によって起こる認知機能の障害は、運動能力、ADL、IADLに影響を与える。認知機能低下のある人(Cognitively Impaired:CI)に対して身体的なリハビリテーションプログラムを実施し…
【論文の概要】背景膝蓋大腿痛症候群(patellofemoral pain syndrome:PFPS)に関する報告は多いが、その診断や治療法に関しては不明な点が多い。PFPSに対する運動療法においても、大腿四頭筋を分離せずに筋力強化を図るべきか、あるいは内側広筋斜頭(vastus m…
【論文の概要】背景転倒の評価法には、一定期間過去の転倒の経験を振り返る想起法がある。この想起法は、簡便で労力の少ない反面、記憶に障害のある者の評価を行う際には、慎重に実施する必要がある。一方、転倒が発生した際にカレンダーに印をつける方法(以下…
【論文の概要】背景高齢者にとって、大腿骨骨折は死因や能力障害の高い危険因子である。骨折後、半年で以前の生活レベルに戻れる割合は半分程度であり、その特徴として、健常側下肢に比較して骨折側下肢筋力の低下が挙げられる。この下肢間の機能的差異は、骨折…
【論文の概要】背景・目的慢性腰痛患者の機能回復目的として漸増抵抗運動(progressive resistance exercise:PRE)が用いられている。臨床では脊椎リハビリテーションプログラムの運動を各2セット、2セット目は抵抗量を増加したPREが行われているが、PREの有効…
【論文の概要】背景・目的最近、家庭で行なわれる課題指向型エクササイズが、脳性麻痺児の基本的運動能力や筋力及び歩行効率を改善する報告[1.]がなされた。その後、諸家[2.-4.]らが、脳性麻痺児や外傷性脳損傷児等の運動障害のある児に対する在宅プログラムに…
【論文の概要】背景と目的本研究の目的は、脳に損傷がある早期産児と無い早期産児の自発性運動の解析を行い、正常および異常な運動発達過程を知る手がかりを探ることにある。早期産児の上肢の自発性運動を時系列解析によって解析している。対象対象は7人の脳損…
【論文の概要】背景目的本研究の目的は、膝蓋大腿関節障害の治療における①足底装具、②靴の中敷(対照群)、③理学療法、④足底装具と理学療法の併用の臨床的効果について比較検討することである。仮説:膝蓋大腿関節障害に対する治療として、足底装具の適用は、靴…
【論文の概要】背景外科手術後の肺合併症は死亡率や入院期間延長の大きな要因である。これに対して理学療法が有効とされており、特に術前から理学療法を実施することで術後肺合併症を低下させることが報告されている。最近では、高リスクの冠動脈バイパス手術患…
【論文の概要】背景下肢の荷重位運動は臨床でよく用いられており、若い運動選手では下肢筋力や神経・筋系制御が改善するという報告はあるが、膝痛のある患者にとっては痛みが増悪することや、腫張や炎症を引き起こす可能性がある。非荷重位運動は、固有感覚の改…