理学療法の臨床に役立つ学術情報を日本語で読む。
【論文の概要】緒言 専門家らは、フレイルが健康への脆弱性を表しているということを認識はしているものの、それに関するコンセンサスや標準的な評価尺度は未だ得られていない。フレイルの主要な評価尺度には、身体的変数のみに依存する身体的フレイル(PFP)…
【論文の概要】背景、緒言 歩行開始に先行する先行的姿勢制御(Anticipatory Postural Adjustments;APAs)はステップ時の側方安定性を保つ為に重要な役割を果たす。脳卒中患者においては、臨床的にはAPAsの欠損や複数のAPAsといった歩行開始時の非典型的なAPA…
【論文の概要】背景、緒言 成長期のアスリートにおいては、腰椎分離症や椎間板障害が原因の腰痛を経験するものが多い。腰痛の因子として下肢筋タイトネスや骨盤と腰椎の協調性不良が報告されている。骨盤と腰椎の協調性は、腰椎骨盤リズム(以下LPリズム)とし…
【論文の概要】背景、緒言 重篤なICU患者は、重度の筋萎縮と筋機能の障害が生じる。これはICU関連筋力低下(ICU acquired weakness: ICUAW)といわれ、ICU治療終了後も長期に渡り生じ、その後の合併症の罹患率および医療費の増加をもたらし、患者のQOLを低下さ…
【論文の概要】背景、緒言 下肢と体幹との同時コントロールは応用歩行が求められる環境では重要視されている。特に歩行中における左右方向のコントロールは転倒リスクにも直結すると考えられている。そのため応用歩行中の左右方向のコントロール能力が高齢者の…
【論文の概要】背景、緒言 転倒の発生原因は複雑で、転倒の危険因子を同定することは転倒予防のために不可欠である。心血管疾患や神経疾患は転倒の重大な危険因子であるが、慢性腎不全(CKD)もまた、転倒の本質的な危険因子である。しかしながら、腎臓病と転…
【論文の概要】背景、緒言 歩行者が巻き込まれる交通事故は道路の横断中に発生する場合が多い。特に高齢者において安全に道路を横断する場合には運動機能のみならず、複雑な動作の組み立てなどのための高度な認知機能が求められる。したがって加齢に伴う道路横…
【論文の概要】背景、緒言 急性足関節内反捻挫(以下、内反捻挫)は、スポーツ中に発生する足関節外傷の中で最も頻度が多く、これまでスポーツ選手の活動制限や後遺症に伴う様々な影響が多数報告されている。そのため、内反捻挫に対する適切な治療法や効果的な予…
【論文の概要】背景、緒言 慢性期脳卒中患者は退院後もリハビリテーションのトレーニングを継続することで効果が得られる可能性がある。目的 本研究の目的は介護者による自宅での介入(Caregiver-mediated, home-based intervention, CHI)が身体機能や社会参…
【論文の概要】背景、緒言 日常の座位時間の増加は心血管リスクの増大と関係がある。また、女性は男性よりも日常生活における座位時間が長いと報告されている。近年の報告では長時間の座位保持が下肢の微小血管と大血管の血管拡張機能を減少させるといわれてい…
【論文の概要】背景、緒言 中殿筋は股関節外転運動の主動作筋として考えられており、片脚肢位にて骨盤を安定させる機能を持つ。中殿筋は3つのセグメントから構成され、それぞれが異なる役割を担っていると考えられている。表面電極・筋内電極を用いた筋電図学…
【論文の概要】背景、緒言 身体運動は認知機能の低下を遅らせる手段として有効であると報告されている。特に、認知機能の中でも処理速度や遂行機能に運動が有益であるとされている。しかしながら、これらの研究の多くは健常高齢者を対象としており、実際に認知…
【論文の概要】背景 脳性麻痺痙直型片麻痺児は足関節周囲の筋萎縮、筋力低下、選択的運動制御の減少が生じ、歩行中の転倒に繋がる。近年、痙直型脳性麻痺児の尖足に対してNeuromuscular electrical stimulation (NMES)が行われ、筋量、筋力、選択的運動制御へ…
【論文の概要】背景、緒言 関節リウマチ(RA)は、滑膜炎症、関節の腫脹および変形に特徴づけられる慢性かつ全身性の免疫疾患である。また、RA患者は心血管疾患(CVD)リスクが高いことが知られている。一方、高強度インターバルトレーニング(HIIT)は心血管…
【論文の概要】背景、緒言 癌性カへキシアは著しい骨格筋量の減少を伴い、これは運動耐用能や生活の質の低下を招き、死亡率を上昇させる。近年カヘキシア患者において、身体活動性と生命予後には正の相関があることが報告されているが、そのメカニズムは明らか…
【論文の概要】背景、緒言 ハムストリングスの柔軟性を高めるために、しばしば静的ストレッチ(SS)が用いられている。ハムストリングスの柔軟性に対するSSの急性または慢性効果はこれまでに多くの報告がある。先行研究では、筋腱複合体(MTU)および受動トル…
【論文の概要】背景、緒言 複数の運動神経枝によって骨格筋が区分されることを神経筋区画(neuromuscular compartment: NMC)といい、ヒトと同様に動物で確認されている。動物実験によって、個々のNMCが異なる機能的役割を果たすことが示されているが、ヒトに…
【論文の概要】背景、緒言 医療的な介入の30-40%は根拠に基づいた報告ではなく、さらに驚くべき事に提供されている介入の20%は効果がない、不必要あるいは有害であると報告されている。この10年間で脳性まひに関するエビデンスの基盤は急速に拡大を続け、新…
【論文の概要】背景、緒言 シェアストレスは動脈壁における血液の摩擦力であり、動脈機能に対する重要な血行動態刺激である。シェアストレスには、収縮期に動脈内を末梢へと向かう順行性シェアと拡張期に動脈内を心臓へと逆流する逆流性シェアが存在する。順行…
【論文の概要】背景 オーバーヘッドスポーツの活動によって生じる筋疲労は、肩甲骨位置や肩峰下スペースを変化させるため、オーバーヘッドアスリートに生じる肩峰下インピンジメント症候群や回旋筋腱板損傷を引き起こす重要な要因になると考えられている。 し…