理学療法の臨床に役立つ学術情報を日本語で読む。
【論文の概要】背景回復期(phaseⅡ)心臓リハビリテーション(以下,心リハ)では,身体機能の維持,二次予防や再入院の防止のために,運動療法,栄養指導,生活指導や冠危険因子是正教育等を多職種で系統的に介入する「疾患管理プログラム」を実施する。しかし…
【論文の概要】背景障害を受けた中枢神経系への幹細胞治療は,神経機能に回復をもたらすことが分かっている。幹細胞の一つである神経幹細胞(NSC)の移植は,ニューロンよりむしろ多数のアストロサイトと少数のオリゴデンドロサイトの供給につながる。したがっ…
【論文の概要】背景歩行は日常生活に重要である。しかし脳卒中発症により歩行能力は低下し,6か月を経過すると筋力も低下する。脳卒中発症後の身体活動レベルの研究はわずかであり,しかも高齢者を対象としたものである。近年の脳卒中の研究により日常活動レベ…
【論文の概要】背景脳卒中は,成人における身体障害の主な原因であり,治療により機能改善を図ることで患者自身やその家族の経済的負担や苦しみを軽減することができる。このことから,脳卒中医療におけるリハビリテーションは,重要な礎石として認識されている…
【論文の概要】背景PFPSの原因は膝蓋骨のトラッキング不足による膝蓋大腿関節に生じる過度な圧力と考えられている。そのため、多くの介入は膝蓋骨のアライメントと運動の補正を目的としており、具体的には大腿四頭筋、特に内側広筋の筋力増強、ハムストリングや…
【論文の概要】背景近年、新生児のMRIは、低酸素性虚血性脳症(hypoxic-ischemic encephalopathy、以下HIE)の病変パターンに関する詳細な情報により長期的帰結の早期予測が可能となり、周産期の低酸素性虚血障がいの研究に使用されている。早期神経画像は、臨…
【論文の概要】背景人工股関節全置換術(THA)を受けた最近の患者は、以前にTHAを受けた患者より若くより活動的な傾向がある。よって、術後の高い身体機能獲得が期待される。それゆえ患者はTHA後の身体機能の回復程度について、より説明を求めるようになってき…
【論文の概要】背景腱板構成筋群は、肩関節運動において関節窩に上腕骨頭を求心位に引き付ける重要な役割がある[6.9.13.]。そのため、特に棘上筋のエクササイズに目が向けられている。棘上筋の筋力強化エクササイズの最初の提案は、1982年JobeとMoynes[7.]が報…
【論文の概要】背景脊髄損傷後の合併症では発熱の頻度が高く、その原因として感染症、血栓塞栓症、異所性骨化、体温調節障害などが報告されている。この原因を究明することは発熱の予防にもつながり、リハビリテーションを円滑に進めるために重要である[1.-4.]…
【論文の概要】目的筋ジストロフィーやALS(筋萎縮性側索硬化症)のような神経筋疾患の患者では、咳が弱化し、咳時の最大流速が低下する。結果として上気道を良好な状態に保つことが難しく、その部位での過剰な分泌物の貯留が大きな問題となり、非侵襲的陽圧換…
【論文の概要】背景閉鎖運動連鎖での運動は、下肢外傷後のリハビリテーションプログラムでは不可欠な部分である。着地やカッティング(方向転換)中の下肢の運動について、性差があることが報告されてきている。しかし、下肢のリハビリテーションとして行われて…
【論文の概要】背景履物は高齢者の転倒に関連しているが、靴の特性が高齢者のバランスに有益かあるいは有害かは不明確である。目的靴の特性がバランスとステッピングに対しどのように影響しているか体系的に調査した。方法研究デザイン:介入研究対象:29人の地…
【論文の概要】背景脊髄損傷後の神経因性疼痛は十分に解明されておらず、治療に難渋する。この難治性疼痛のメカニズムの要因の可能性として、運動指令と感覚からのフィードバックの不一致が挙げられている。目的本研究は二つの目的で行なわれている。一つ目は、…
【論文の概要】背景重度なCOPD患者に対する歩行車の使用は、歩行耐久性を改善すると報告[1.-3.]されている。しかし、歩行車使用による心循環器系の反応について検討した報告は少なく、そのメカニズムについてはほとんど検討されていない。目的本研究の目的は、C…
【論文の概要】背景COPD患者は、買い物や家事といった動作を含む日常生活活動においても困難を感じており、しばしばこれらの些細な動作においても日常的に介助者からの支援を受けることを余儀なくされている。先行研究で実施したCOPD患者において掃除や黒板消し…
【論文の概要】背景歩行は複雑な運動スキルであり、状況や判断に応じた変化に適応するため脳と身体との相互作用システムに基づいている。高齢者において、歩行スキルのわずかな障害が転倒リスクや日常生活の障害、そして高齢者施設への入所や死の帰結と関連する…
【論文の概要】背景疼痛や軟部組織の腫脹はRA患者における関節炎の早期の症状であり、薬物療法による早期治療にもかかわらず、多くのRA患者の荷重関節に関節破壊や変形がみられる。その結果、RA患者のQOLに相当な影響を及ぼす機能障害や正常歩行における潜在的…
【論文の概要】背景脳卒中を起こした人において歩行速度に改善が見られた際に、機能が向上した、機能障害が減ったと患者がコメントすることがある。しかしながら、それらの関係性、つまり臨床的に意味のある最小限の歩行速度の変化や、脳血管障害患者における機…
【論文の概要】背景脊髄損傷者(spinal cord injury:SCI)の65~85%は持続する疼痛を経験し、1/3は損傷部以下の激しい疼痛に悩まされている[1.]。この疼痛は、効果的なリハビリテーションを進める上で障害 となり、日常生活の妨げともなっているが、原因は十…
【論文の概要】背景臼蓋上腕関節での内旋可動域制限は、しばしば肩関節疾患で注目されている。この内旋可動域測定では、評価者内信頼性が非常に優れていることが報告されている。しかし、評価者間信頼性は、公平性には不十分であると報告されている。臨床では、…
【論文の概要】背景と目的加齢は足部・足関節の構造と機能に変化をもたらし、地域在住高齢者の約3割に足部の問題がみられるとされている。また足部の肢位、柔軟性、筋力、感覚に問題があると、バランス機能が低下し転倒リスクが増大するとされている。我々は、…
【論文の概要】背景睡眠時無呼吸(OSA)に対する減量の効果は、これまでいくつかの検討がなされているが[3.-7.]、専門家や政府研究班の推奨する10%の減量が十分であるか否かを立証するには至っておらず、経験上妥当とされているだけで科学的根拠は薄いといわれ…
【論文の概要】背景非特異的慢性腰痛症患者にエクササイズは有効である。しかしながら、最も効果的なエクササイズは判明していない。目的この研究は慢性腰痛に対するモーターコントロールエクササイズ、スリングエクササイズ、一般的エクササイズの効果を比較し…
【論文の概要】研究デザイン比較対照なしの前向きコホート研究背景ACL損傷後、手術をする場合でも、保存的治療をする場合でも、運動療法プログラムは膝機能を早期回復するためには必要なことである。ACL損傷後の早期リハビリテーションプロトコールに関する研究…