理学療法の臨床に役立つ学術情報を日本語で読む。
【論文の概要】【解説】 地域在住脳卒中患者の歩行能力においては、従来はPerryら(1995)の報告をもとにした歩行速度による分類;屋内歩行(home, 0.80m/秒)のカテゴリーが広く用いられていた。一方で、このカテゴリーは実際の患者とは乖離があるとの意見も…
【論文の概要】【解説】 STSスコアは中高年の心臓外科術後のリスク評価として従来より用いられているが、認知機能、機能低下、サルコペニアなどの重要な項目が考慮されておらず、高齢患者では予測精度が高くないことも指摘されている。 SPPBは簡便に高齢者の…
【論文の概要】【解説】 本研究は2020年1月までに発表された、高齢者施設入居者の身体活動を定量化した研究をまとめ、今後の研究に向けた提言を行うために実施された系統的レビューである。 人口高齢化が世界的に進展する中で、社会的ニーズに対応する形で高…
【論文の概要】【解説】 歩行やサイクリング運動などダイナミックな下肢運動では、複数筋が協調的に活動することで運動を遂行している。この運動制御において、複数の筋群を協調的に活性化する組み合わせのパターンがあり、これを筋シナジーという1)。筋シナジ…
【論文の概要】【解説】 近年、BIAで測定されるPhase Angleは身体的健康(身体機能、栄養状態)の総合的な指標として注目されている。これまでの先行研究では地域高齢者、心疾患患者、透析患者、ICU患者、がん患者などの主に内部障害系の患者を対象とした研究…
【論文の概要】【解説】 オーバーヘッドアスリートにとって,肩や肘の故障はパフォーマンス低下に加え,長期の競技離脱を余儀なくされる場合も少なくない.近年は,プロ選手だけでなく,より若いカテゴリーの選手においても障害が増え,手術に至るケースも増加…
【論文の概要】【解説】 身体活動は循環器疾患、糖尿病などの非感染性疾患(生活習慣病)や高齢期のフレイルの予防に有効である。そのため、様々な理学療法の場面で、対象者の身体活動を高める支援が求められる。理学療法士は対象者が主体的に活動的な生活を継…
【論文の概要】【解説】 歩行能力の改善は、理学療法介入を行う上での主要な介入目標の1つである1)。歩行速度の評価は、信頼性2)、妥当性3)、反応性4)、解釈可能性2,4)に優れた評価手法であり、生活範囲の一部を反映する指標として用いられている5,6)。しかし…
【論文の概要】【解説】 バランスと筋厚の関係に着目して解説する。この論文では、体幹に横隔膜を含み、超音波にて体幹と下肢筋厚を計測し、姿勢動揺や安定性限界との関係について検討されている。高齢者は若年者と比較すると、より多くの姿勢動揺を示し、また…
【論文の概要】【解説】 Mini-BESTestはBalance Evaluation Systems Test(BESTest)の短縮版で、動的バランスに特化して開発されたバランス指標であり、0点から28点でスコア付けされる1)。脳卒中患者、パーキンソン病患者等、神経疾患患者を中心にその信頼性…
【論文の概要】【解説】 動作を物理的・心理的に遮るものがない研究室あるいはリハビリテーション室レベルでの歩行と、実際の生活の場での歩行は質的にも量的にも異なることはほとんどの理学療法士が認識し、臨床では実生活の場で動作を評価することも多い。し…
【論文の概要】【解説】 Sit-to-Walk(Rise-to-Walkと表記されることもある)は椅子座位姿勢からの目標地点まで歩くことが要求される課題であり、立ち上がりと歩行(開始)の2つの動作要素を含む。STWに関する基礎研究として、Magnanらは課題中のイベントの出…
【論文の概要】【解説】 急性期病棟における65歳以上の患者の転倒発生率は、5.5~24.8%と報告されており、3.9%で骨折や頭蓋内出血などの重傷を負うと報告されている1-6)。先行研究においても、転倒予防に向けて転倒リスクの高い患者を予測することが推奨されて…
【論文の概要】【解説】 股関節と腰椎の運動学的関連性は広く周知されており、腰痛の原因として股関節の可動域制限を挙げることは決して珍しくはない。Shumら1)は、腰痛患者は物を拾う動作において、健常人と比較して股関節・腰椎の屈曲方向の運動範囲が小さく…
【論文の概要】【解説】 脳卒中片麻痺患者の予後予測は、様々なアウトカムを対象として、古くから連綿と取り組まれてきたリハビリテーションの命題ともいえる課題である。平成28年の診療報酬改定において、回復期リハビリテーション病棟の実績評価のアウトカム…
【論文の概要】【解説】 脳性麻痺患者における随意運動の低下は、痙性や関節拘縮の進行と重なることで様々な障害につながると考えられている1)。随意運動の評価は、運動障害を構成する重要な因子の一つと考えられているが、その評価は日本をはじめ世界的に行わ…
【論文の概要】背景、緒言 歩行開始に先行する先行的姿勢制御(Anticipatory Postural Adjustments;APAs)はステップ時の側方安定性を保つ為に重要な役割を果たす。脳卒中患者においては、臨床的にはAPAsの欠損や複数のAPAsといった歩行開始時の非典型的なAPA…
【論文の概要】背景、緒言 成長期のアスリートにおいては、腰椎分離症や椎間板障害が原因の腰痛を経験するものが多い。腰痛の因子として下肢筋タイトネスや骨盤と腰椎の協調性不良が報告されている。骨盤と腰椎の協調性は、腰椎骨盤リズム(以下LPリズム)とし…
【論文の概要】背景、緒言 急性足関節内反捻挫(以下、内反捻挫)は、スポーツ中に発生する足関節外傷の中で最も頻度が多く、これまでスポーツ選手の活動制限や後遺症に伴う様々な影響が多数報告されている。そのため、内反捻挫に対する適切な治療法や効果的な予…
【論文の概要】背景、緒言 複数の運動神経枝によって骨格筋が区分されることを神経筋区画(neuromuscular compartment: NMC)といい、ヒトと同様に動物で確認されている。動物実験によって、個々のNMCが異なる機能的役割を果たすことが示されているが、ヒトに…
【論文の概要】背景、緒言 慢性腎不全(CKD)は慢性炎症に特徴付けられる進行性障害で、CKD進行に伴う血液透析(HD)治療を実施する患者は急速に増えている。HD患者は心血管障害や骨塩量異常、筋異化作用等多くの併存疾患により身体機能・活動レベルが低下して…
【論文の概要】背景 継続する高負荷(VALR)と瞬間的な垂直方向の荷重率(VILR)は、多くのランニング関連の損傷と関係している。そのため、屋外でランニングする際の荷重による影響を推定するため、加速度計による最大加速度(PA)が使われるようになった。目…
【論文の概要】背景 パーキンソン病(PD)患者は疾患の経過の中で80-90%が認知症を発症することが報告されている。 PD患者の認知機能障害の程度と経過を評価するため、認知症(PDD: PD with dementia)と軽度認知障害(PD-MCI: PD with mild cognitive impairment)…
【論文の概要】背景と目的 退院後の再入院は多く、これは費用面からも問題であるが、再入院リスクの高い患者を同定する予測モデルは不十分である。このことは現在認識されていない大きな要因が存在することを示唆している。我々は一般内科病棟から退院して30日…
【論文の概要】背景 サルコペニアは筋肉量の減少および筋力低下によって特徴づけられる。また、COPD患者にとっては、加齢と疾患の両側面によって筋肉量の減少がみられる。筋肉量減少や身体組成の評価はいくつかの方法が提案されている。それらは高精度にもかか…
【論文の概要】背景 慢性腰痛は生物学的・心理社会学的要素や姿勢異常を含む身体障害、局所的な椎間板の運動学的な障害や運動コントロールの障害、筋不均衡が主要な原因となる。慢性腰痛患者は体幹の硬さの増加、固有受容器の機能低下、腹筋や背筋の活動パター…
【論文の概要】背景 変形性股関節症(股OA)患者に対する人工股関節全置換術(THA)は疼痛の軽減、股関節の可動域の改善、筋力や安定性の改善のために一般的に施行される手術である。THA術前の身体機能、疼痛、内科的合併症など種々の要因が術後の活動能力や歩行…
【論文の概要】背景 初期接地時の膝関節にかかる接触力の増加は変形性膝関節症(以下、膝OA)を進展させるものである。先行研究では、初期接地時の下肢は衝撃が生じながら運動連鎖が働くとされ、過度の衝撃力は膝OA等の病態や原因として示されている。また、人…
【論文の概要】はじめに 加齢により動作のばらつきが増加することは知られている。特に、高齢者の歩行におけるばらつきの増加は転倒や移動能力障害などと関連性がある。運動時の加齢変化や運動機能のばらつきに関する報告は多数あるにもかかわらず、そのメカニ…
【論文の概要】背景 股関節・膝関節置換術後の入院期間は近年短縮されてきているが、これには回復期施設への転院数の増加が関係している。自宅に退院するか回復期施設へ転院するかの判断は、術後の経過が一様でないにも関わらず、術後早期に決定することが求め…
【論文の概要】背景 立ち座りの運動は、子どもの発達を診ていく上で重要な指標の一つであり、日常生活の自立や移動能力の発達において最も重要な要素の一つである。立ち座りのテストは、過去に機能的な下肢筋力の評価として行われてきた。繰り返しの立ち座りの…
【論文の概要】背景 Lateropulsionは、Davisによって最初に報告され、あらゆる姿勢において麻痺側に傾倒し、姿勢の他動的な修正に対し抵抗する現象である。またLateropulsionのない患者と比較して、退院時の機能水準がより低く、入院期間が長期化することが報…
【論文の概要】背景 現在、6分間歩行テスト(6MWT)は脳卒中患者の歩行持久力の測定として広く用いられている。また、脳卒中患者の歩行における麻痺側足底屈筋力の重要性は広く立証されているが、麻痺側足背屈筋の関与は報告されていない。目的 本研究の目的…
【論文の概要】背景 筋疲労は身体運動中に生じる最大随意力の低下を引き起こす。長時間の運動後に生じる筋疲労や中枢性疲労,神経筋機能の変質に関する研究は多く行われているが,筋疲労が一致タイミング反応(coincident timing response)の調整や運動イメー…
【論文の概要】背景 サルの聴視覚ミラーニューロンの発見は、ヒトの運動前野が行為の観察だけでなく行為に関連した音を聴いた時にも関与するという仮説の基になった。しかし、“行為-聴覚”の根底にある脳全体の構造と機能は十分解明されていない。目的 本研究…
【論文の概要】背景 内側広筋および股関節外転筋群は膝蓋骨トラッキングにおいて重要な役割を担っている。先行研究において内側広筋と外側広筋は膝蓋骨を安定させる作用を有している理由から、内側広筋と外側広筋の筋力強化を目的に屈曲角度の少ないスクワット…
【論文の概要】背景 頸椎に対する徒手療法は機械的な頸部痛や付随する頭痛に対し実施されている。その際、頭部や頸部を様々な肢位に固定するため、一時的に脳への血流が損なわれる可能性がある。また、血流量の変化が血管壁へのメカニカルストレスを増大させ、…
【論文の概要】背景 変形性膝関節症(膝OA)は、65歳以上の高齢者の約30%に発症し、膝OAの87%は両側に発症する。高齢者の日常生活は、膝OAによってしばしば制限される。人工膝関節置換術(TKA)は、重度膝OAの効果的な治療として一般的な手術方法であり、TKAに…
【論文の概要】背景 扁平足は、柔軟性のないものと、柔軟性のあるものに分けることができる。柔軟性のある扁平足では、症状を認める扁平足(SFF)、症状を認めない扁平足(ASFF)に分けることができる。柔軟性のない扁平足では治療の必要性が唱えられている。…
【論文の概要】背景 脳性麻痺患者における下肢の選択的な運動コントロールの評価は、機能的な能力を予測する因子として支持されているにも関わらず、ほとんど関心をもたれてこなかった。脳性麻痺患者における足関節の運動コントロールに関する研究は行われてい…
【論文の概要】 高齢者の転倒の多くは、後方への動揺、椅子に座るための方向転換や後方ステップといったような後方への動きが要求されるような運動の移行期に起こる。これらの転倒は、後方動揺に対するステップ反応の低下と後方歩行の困難さと関連しているかも…
【論文の概要】背景と目的 変形性関節症患者の増加に伴い、人工関節全置換術を受けるまでに待機期間を要するなど、整形外科的サービスに関するさまざまな問題が生じている。このような問題を改善するため、慢性疾患の管理を支援する拡張的な役割を担う保健・健…
【論文の概要】背景 6分間歩行テスト(6MWT)は、呼吸循環器系分野において臨床および研究で広く用いられ、確立された評価方法として知られている。いくつかの先行研究において、歩行速度と下肢筋力において有意な関連性があるとを報告しているが、下肢筋力と6…
【論文の概要】背景 扁平足は足部の内側アーチが地面に接触するような状態で、どの年齢層でも起こり得る変形であるが、最も頻繁にみられるのは小児期である。小児の扁平足にはflexible flatfootとrigid flatfootがあり、前者は非荷重時のアーチは正常であるが…
【論文の概要】背景 脳性麻痺は関節と筋の間に多様な相互関係がある複雑な症候群である。移動パターンの異常はモーションキャプチャー技術を使用することで測定可能である。しかしどの異常が主要なもので、どれが二次的なものか、直接的に決定することはできな…
【論文の概要】背景 歩行可能な神経筋疾患(NMD)患児の持久力評価には6分間歩行テスト(6MWT)がよく用いられている。しかし、歩行能力を喪失したまたは喪失間近の患児の持久力を評価する適切なテスト法はない。目的 本研究では、近い将来に歩行能力を失うこ…
【論文の概要】背景 多発性硬化症(以下MS)の疲労は、MS評議会のガイドラインによると「身体的あるいは精神的なエネルギーの主観的な不足であり、個人や介護者の通常または行いたい活動を阻害することで知覚される」と定義されている。研究者によるが約8割ない…
【論文の概要】背景 機能的パフォーマンステストは下肢機能を評価するために用いられる動的なテストのことである。このようなテストは、関節の損傷によって影響を受けると予測される筋力や神経筋協調性、関節の安定性のような多くの要素を含んでいるため下肢の…
【論文の概要】背景 機能性ディスペプシア(FD)と過敏性腸症候群(IBS)に代表される機能性消化管障害(FGID)は、日頃の臨床においてしばしば遭遇する。これまでの研究により、一般住民におけるFDの有病率は、7.9~40%と国による違いがあることが判っている…
【論文の概要】背景と目的 大腿骨近位部骨折の主となる目標は、受傷前の身体機能レベルへ回復することであるが、ほとんどの者は受傷前のレベルまで回復することは難しい。運動療法はこのような骨折による悪影響を軽減するために最も有効な戦略の1つである。 …
【論文の概要】背景 足部形態は、下肢の筋骨格系の状態の長期的変化に影響を及ぼすと考えられ、下肢の力学的アライメントや動的な機能を変化させうる。とりわけ、内側型膝OA患者で非手術例に対する治療的介入として、足部装具や履き物での調整が行われる。しか…
【論文の概要】背景筋強直性ジストロフィーは多様な表現型を有する常染色体優性多臓器性疾患である。筋強直性ジストロフィー1型(スタイナート病;DM1)は最も頻度が高い成人発症型の筋ジストロフィーであり、有病率は1/20,000である。DM1の原因は、ミオトニン…
【論文の概要】背景立ち上がり動作を用いたテストは、最初は下肢筋力測定に有効な評価指標として紹介された。5回反復立ち上がりテスト(5回反復STSテスト)は、当初、虚弱高齢者の死亡率と能力障害の身体機能評価法として使用された経緯がある。同様に、高齢者…
【論文の概要】背景脳卒中の治療ガイドラインは、標準的な評価指標にて評価を行うことを推奨している。また、ガイドラインに提示されている評価法は、歩行機能のさまざまな側面を検出できるようにデザインされており、信頼性や妥当性、反応性などが確認されてい…
【論文の概要】背景最近の調査結果は実行系機能が高齢者の歩行、特に複雑で挑戦的な状況下での歩行調整に重要な役割を持っていることを示唆している。そして実行系機能の低下は転倒リスクの一因となる。そのため実行系機能と転倒についての関連を明らかにする必…
【論文の概要】背景静止立位時の指尖接触によって姿勢動揺が改善することがよく知られている。止血ターニケットによる虚血は、ヒトの立位や歩行時の感覚入力を部分的にブロックするために一般的に使用された。そこで、止血ターニケットを上腕部に巻くことによっ…
【論文の概要】背景Q角は大腿四頭筋の作用線と膝蓋腱の方向の二線からなる角で、膝関節のアライメント異常の指標となる。Q角の異常は膝伸展力の発揮を阻害すると考えられている。また、男性で15°、女性で20°を超えたQ角は、膝蓋大腿関節痛、膝蓋軟骨軟化症や膝…
【論文の概要】背景パーキンソン病(PD)は神経難病の中では有病率が高い。臨床的には、安静時振戦、固縮、動作緩慢によって評価される進行性疾患であり、姿勢の不安定性と歩行障害が発生し、転倒傾向は増大する。これらの身体状況は、QOLを悪化させる。PDはか…
【論文の概要】背景糖尿病性神経障害は、糖尿病患者における足部の潰瘍や下肢切断の主要な原因となっている。実際に、糖尿病患者の約15%は足部潰瘍に罹患しており、非外傷性下肢切断の約50%以上は糖尿病に由来している。このことからも、早期から糖尿病性神経…
【論文の概要】背景姿勢制御は、日常生活動作に必要とされる運動技能を高める基本的能力であり、初期の運動発達のための重要な因子である。支持基底面上に身体分節を制御することは、変化する環境と課題要求に適応可能な正確で信頼性のある知覚と運動を必要とす…
【論文の概要】背景立位姿勢制御時には下肢の筋活動に伴って身体の細かな変動がおこる。静止立位における主要な筋活動は足関節底屈筋群に起こり、前後方向の身体動揺に関連している。一方、足底内在筋の弱化がバランス障害の一要因として報告されていることから…
【論文の概要】背景長年、幼児の歩行の発達変化の主な指標として、歩幅(連続的なステップ間距離)が用いられている。この研究は各研究者によって調査結果は一致しており、初期歩行者は歩幅が著しく短く(~12㎝)、歩隔(~15㎝)よりも短い。歩幅は独歩から最…
【論文の概要】背景近年、新生児のMRIは、低酸素性虚血性脳症(hypoxic-ischemic encephalopathy、以下HIE)の病変パターンに関する詳細な情報により長期的帰結の早期予測が可能となり、周産期の低酸素性虚血障がいの研究に使用されている。早期神経画像は、臨…
【論文の概要】背景腱板構成筋群は、肩関節運動において関節窩に上腕骨頭を求心位に引き付ける重要な役割がある[6.9.13.]。そのため、特に棘上筋のエクササイズに目が向けられている。棘上筋の筋力強化エクササイズの最初の提案は、1982年JobeとMoynes[7.]が報…
【論文の概要】背景人工股関節全置換術(THA)を受けた最近の患者は、以前にTHAを受けた患者より若くより活動的な傾向がある。よって、術後の高い身体機能獲得が期待される。それゆえ患者はTHA後の身体機能の回復程度について、より説明を求めるようになってき…
【論文の概要】背景履物は高齢者の転倒に関連しているが、靴の特性が高齢者のバランスに有益かあるいは有害かは不明確である。目的靴の特性がバランスとステッピングに対しどのように影響しているか体系的に調査した。方法研究デザイン:介入研究対象:29人の地…
【論文の概要】背景歩行は複雑な運動スキルであり、状況や判断に応じた変化に適応するため脳と身体との相互作用システムに基づいている。高齢者において、歩行スキルのわずかな障害が転倒リスクや日常生活の障害、そして高齢者施設への入所や死の帰結と関連する…
【論文の概要】背景脳卒中を起こした人において歩行速度に改善が見られた際に、機能が向上した、機能障害が減ったと患者がコメントすることがある。しかしながら、それらの関係性、つまり臨床的に意味のある最小限の歩行速度の変化や、脳血管障害患者における機…
【論文の概要】背景疼痛や軟部組織の腫脹はRA患者における関節炎の早期の症状であり、薬物療法による早期治療にもかかわらず、多くのRA患者の荷重関節に関節破壊や変形がみられる。その結果、RA患者のQOLに相当な影響を及ぼす機能障害や正常歩行における潜在的…
【論文の概要】背景と目的加齢は足部・足関節の構造と機能に変化をもたらし、地域在住高齢者の約3割に足部の問題がみられるとされている。また足部の肢位、柔軟性、筋力、感覚に問題があると、バランス機能が低下し転倒リスクが増大するとされている。我々は、…
【論文の概要】背景臼蓋上腕関節での内旋可動域制限は、しばしば肩関節疾患で注目されている。この内旋可動域測定では、評価者内信頼性が非常に優れていることが報告されている。しかし、評価者間信頼性は、公平性には不十分であると報告されている。臨床では、…
【論文の概要】背景RA患者における前足部の機能不全に関する研究、特にMTP関節のROM制限の影響について明らかにされていない。MTP関節のROM減少は、歩行において下肢の運動とストライドの産出との協働を修正するような重要な変化を引き起こす[1.]と考えられる。…
【論文の概要】背景脳性麻痺を含む肢体不自由児者の健康管理は、健康促進のため障害を最小にするように変化している。身体活動の取り組みは、筋力低下や肥満等を防ぎ、機能的な独立を維持し、健康を促進することが期待できる。これまで、脳性麻痺の身体活動を向…
【論文の概要】Introductionシャルコー・マリー・トゥース(Charcot-Marie-Tooth = CMT)病はしばしば末梢の筋のアンバランスより有痛性凹足を呈し、病期の進行とともに足部の変形が進行し拘縮を呈する。本研究の目的は、足部底屈圧と痛みに対して凹足が及ぼす…
【論文の概要】背景転倒の評価法には、一定期間過去の転倒の経験を振り返る想起法がある。この想起法は、簡便で労力の少ない反面、記憶に障害のある者の評価を行う際には、慎重に実施する必要がある。一方、転倒が発生した際にカレンダーに印をつける方法(以下…
【論文の概要】背景と目的本研究の目的は、脳に損傷がある早期産児と無い早期産児の自発性運動の解析を行い、正常および異常な運動発達過程を知る手がかりを探ることにある。早期産児の上肢の自発性運動を時系列解析によって解析している。対象対象は7人の脳損…