理学療法の臨床に役立つ学術情報を日本語で読む。
【論文の概要】【解説】 FESはTinettiによって転倒恐怖を定量的に評価するために開発された1)。FESはADLに基づく10項目について、転倒せずに実施可能かどうかを1点(完全に自信がある)~10点(まったく自信がない)の10段階で評価を行う。総得点は10点~100点…
【論文の概要】【解説】 本論文は、Mortenson WB、Dermers Lらの研究グループによる福祉機器を使用した介入効果についてのRCT研究であり、これまでシステマティックレビュー1)、使用者である要介護者と介入の効果2)、介助者の負担感についての評価尺度の開発3)…
【論文の概要】【解説】 PSTやGIRDは、野球やテニスなどのオーバーヘッドスポーツに共通して認められる機能不全である1, 2)。これらの機能不全は、肩峰下インピンジメント3)やinternal impingement4)を引き起こし、肩関節障害を引き起こすリスクの1つと認識さ…
【論文の概要】【解説】 急性期病棟における65歳以上の患者の転倒発生率は、5.5~24.8%と報告されており、3.9%で骨折や頭蓋内出血などの重傷を負うと報告されている1-6)。先行研究においても、転倒予防に向けて転倒リスクの高い患者を予測することが推奨されて…
【論文の概要】【解説】 股関節と腰椎の運動学的関連性は広く周知されており、腰痛の原因として股関節の可動域制限を挙げることは決して珍しくはない。Shumら1)は、腰痛患者は物を拾う動作において、健常人と比較して股関節・腰椎の屈曲方向の運動範囲が小さく…
【論文の概要】【解説】 近年、急性ハムストリング損傷のリハビリテーションとして、いくつかのプロトコールが提唱されている。Asklingら1)のL-protocolはハムストリング伸張位での遠心性筋力に重点を置き、復帰期間の短縮と再発予防への有効性を示している。M…
【論文の概要】【解説】 音楽を聴いた際に自然とビートにタップを合わせてしまうように、音楽への自然な運動の同期は、リズムに関与するプロセスが脳の運動領域に存在するためであると考えられている1)。ニューロイメージングの研究では、リズムを聴いただけで…
【論文の概要】【解説】【解説】TKA後には膝伸展筋力や歩行能力など,運動機能の低下が著明にみられるため,これらを回復させることは術後の理学療法にとって最大の課題である。このような運動機能の低下は術後早期に著明に生じることから,術後早期の高強度リ…
【論文の概要】【解説】 ロッカーソール(rocker bottom soles、以下、RS)は靴型装具におけるアウトソール加工のひとつであり、靴底に転がり(ロッカー)形状を設定したものである。これにより、歩行中立脚期に生じる足関節背屈や中足趾節関節背屈を補い、足…
【論文の概要】【解説】 脳卒中片麻痺患者の予後予測は、様々なアウトカムを対象として、古くから連綿と取り組まれてきたリハビリテーションの命題ともいえる課題である。平成28年の診療報酬改定において、回復期リハビリテーション病棟の実績評価のアウトカム…
【論文の概要】【解説】 フットウエアー(履物)のデザインやクッション性、硬さ、ヒールの幅や高さが歩行の運動学に与える影響はよく知られている。この研究はヒール高の変化(1.0,5.0,9.0㎝)で以前の研究で報告されている矢状面の下肢関節モーメントのみ…
【論文の概要】【解説】 人工関節置換術における術前リハビリテーションは教育や運動など,様々実施されているが,その実用性についてはこれまでに実証されていなかった。これまでにも術前リハビリテーションの有用性をシステマティックレビューにより検討した…
【論文の概要】【解説】 福祉機器(Assistive Technology)が介護者へ与える介護負担の数量的評価ツールの実証分析である。介助者の介護負担については、先行研究におけるZarit1)、Stress Process Model2)が参考にされている。これまで福祉機器を使用する介助者…
【論文の概要】【解説】 MI-Eは神経筋疾患患者の気道クリアランス方法としてしばしば用いられており、その有用性は多く報告されている。Chatwin等1)は肺炎を有する神経筋疾患患者に対するMI-Eの使用は排痰に要する時間を有意に減少させると報告しており、さらに…
【論文の概要】【解説】 日本のTHA, TKA, UKAにおける在院日数は諸外国に比べ非常に長く,医療費削減のためにも在院日数の短縮化が求められている。術後早期にリハビリテーションを開始することで運動機能の回復などが早まり,人工関節によるメリットを最大限…
【論文の概要】【解説】 呼吸リハビリテーションのステートメントには、COPDに対する活動的な生活への行動変容を目指したセルフマネジメント教育の重要性が述べられている。セルフマネジメント教育によって行動変容を成し遂げることがCOPDの呼吸リハビリテーシ…
【論文の概要】【解説】 腰痛を有する患者に対してどのタイミングで画像検査を行うべきかということは、賛否両論を呼ぶ問題である。多くの臨床ガイドラインにおいて、高齢者の腰痛に対して早期の画像検査を行うことが推奨されているが1-3)、これは明確なエビデ…
【論文の概要】【解説】 NMESは、物理療法の一つの治療法として、以前から広く用いられてきた。近年、NMESによる治療は、慢性閉塞性肺疾患患者や慢性心不全患者に対して、または集中治療領域でも適用されるようになってきており、その対象範囲が拡大してエビデ…
【論文の概要】【解説】 心不全患者の日常生活やIADLには加齢や心機能が影響するのみならず配偶者との死別や家族も高齢になると家庭からの支援が受けられない場合もある1)。本研究から心不全患者では対照群よりも退院後に在宅介護や介護施設利用率が高いことが…
【論文の概要】【解説】 2015年の時点で、全世界には4,700万人の認知症者がいると推計されている1)。超高齢社会である本邦においては、認知症の有病率は2.9%から12.5%と報告によって異なるものの年々上昇している2)。そのため、認知症者の認知機能を維持・…
【論文の概要】【解説】 うっ血性心不全患者は老年人口の増加からアメリカでは全入院患者の1/5にまで至り、高齢者の最大の入院理由であり、医療コストを軽減させるために再入院をいかに予防するかが課題となっている1)。遠隔モニタリング医療は毎日、関連する…
【論文の概要】【解説】 腱障害の病態生理学については様々な理論が提唱されており,明らかにはなっていない。以前は腱炎(tendinitis)と呼ばれていたが,慢性期において炎症性サイトカインが存在しないことから,非炎症性・変性疾患として捉える考え方が英語…
【論文の概要】【解説】 脳性麻痺患者における随意運動の低下は、痙性や関節拘縮の進行と重なることで様々な障害につながると考えられている1)。随意運動の評価は、運動障害を構成する重要な因子の一つと考えられているが、その評価は日本をはじめ世界的に行わ…