理学療法の臨床に役立つ学術情報を日本語で読む。
【論文の概要】【解説】 寒冷療法はスポーツ現場において外傷発生後の応急処置や運動後の疲労回復を目的として広く用いられており、トレーニング負荷や疲労と傷害・疾病の発生との関係を調査したシステマティックレビューでは、選手はトレーニング負荷の集中す…
【論文の概要】【解説】 NMESは、物理療法の一つの治療法として、以前から広く用いられてきた。近年、NMESによる治療は、慢性閉塞性肺疾患患者や慢性心不全患者に対して、または集中治療領域でも適用されるようになってきており、その対象範囲が拡大してエビデ…
【論文の概要】背景 近年、経頭蓋直流電気刺激(transcranial direct current stimulation : tDCS)は、脳の活動を変調させ、その機能を向上させる魅力的な治療として注目されている。前頭前野へのtDCSは、これまで認知能力の向上や精神・神経症状、痛み、気分…
【論文の概要】背景と目的 TENSは鎮痛目的の非侵襲的電気治療であり、様々な疾患や障害に使用されている。近年明らかになっているTENSの鎮痛メカニズムには、内因性オピオイドの血中、脳脊髄液内の濃度上昇、下行性疼痛抑制経路の賦活、脊髄レベルでの鎮痛作用…
【論文の概要】背景 慢性心不全(chronic heart failure: CHS)は、寿命の増加や医療の向上により、高齢者において世界的に増加している。CHS患者は運動耐容能が低下し、ADLや健康QOLが低下する。一般的にCHS患者は利尿薬や血管拡張薬などの薬物治療を行ってい…
【論文の概要】背景 末梢動脈疾患(閉塞性動脈硬化症)は、動脈瘤、炎症、アテローム性動脈硬化症、血栓塞栓が要因で動脈の狭窄や閉塞により制限された状態である。55歳以上の20%に下肢動脈の危険性があり、ほとんどが無症候性である。糖尿病はアテローム性に…
【論文の概要】背景 上肢機能回復の大部分は脳卒中発症後6カ月以内に起こると考えられており、その回復の量は非常に限られている。麻痺側上肢の機能回復には、スプリントや電気刺激装置、筋電計を利用した神経筋刺激装置と機能的電気刺激の有効性が示されている…
【論文の概要】背景 筋筋膜性疼痛症候群(MPS)は疼痛、筋スパズム、知覚過敏、動作制限、筋力低下を特徴とした疾患である。加えてMPSでは高感度のポイント(トリガーポイント)がみられ、これらのトリガーポイントや筋硬結は、ストレッチ、リラクゼーション、表…
【論文の概要】背景 過去の研究において、空間無視に対する治療法は複数報告されている。その中に、カロリック前庭刺激(Rode,Perenin,Honore&Boisson,1998)は、線分二等分を含む複数の無視症状を変化させるという報告がある。カロリック前庭刺激は前庭系を賦…
【論文の概要】背景 運動学習は脳卒中後の回復の重要な要素であるため、運動スキル学習の強化はニューロリハビリテーションにおいて、極めて重要な課題である。経頭蓋直流電気刺激(tDCS)は運動学習を改善させる見込みがあるアプローチである。 本研究の目的…
【論文の概要】背景 アスリートなどのパフォーマンス維持のために筋疲労の速やかな回復を図ることは重要である。筋疲労回復のための手段としては、ストレッチングやマッサージ、低負荷の運動などにより疲労が生じた筋の血流量を積極的に増加させることで乳酸な…
【論文の概要】背景 脳卒中後に痙縮を有する患者は39%と高いことが報告されている。脳卒中患者の足関節の痙縮は、足関節底屈筋が歩行中の1歩において積極的な機械的仕事の50%程度寄与しているということからも主要な関心事となっている。足関節背屈の減少は歩…
【論文の概要】背景高強度かつ非習慣的な遠心性運動では筋損傷が発生する。典型的な症状の一つとして遅発性筋痛(DOMS: Delayed-onset muscle soreness)が知られている。動作時や触診時の疼痛がDOMSの主症状であり,筋損傷に由来するその他の症状としては筋の…
【論文の概要】背景脊髄損傷者にとって褥瘡治癒の遅延は生命を脅かす深刻な医学的状況に進展する可能性がある。一方、創傷に対する電気刺激electrical stimulation therapy:ESTは線維芽細胞活動の増加、コラーゲン蓄積や血管新生増加などにより治癒を早めるこ…
【論文の概要】Objective本研究は変形性股関節症患者(Hip Osteoarthritis患者= Hip OA患者)の人工股関節置換術後(Total Hip Arthroplasty術後 = THA術後)に通常用いられる低頻度電気刺激(Low-Frequency Electric Muscle Stimulation = LFEMS)の有効性を評…
【論文の概要】はじめに脳卒中片麻痺の下垂足に対して機能的電気刺激FESが用いられているが、装具としての効果だけでなく、継続使用による治療的効果も報告されている。これらは表面電極を用いたFES装置であり、電極の装着位置を一定にすることが難しいなどの問…