理学療法の臨床に役立つ学術情報を日本語で読む。
【論文の概要】背景 脳性麻痺者は出生前後の脳損傷によって運動が障害される。神経筋の制御がどのように行われているか理解することで、脳性麻痺の病的な運動を識別できるようになる。目的 本研究の目的は、(1)健常者が示したシナジーと脳性麻痺者のシナジー…
【論文の概要】背景、緒言 慢性腎不全(CKD)は慢性炎症に特徴付けられる進行性障害で、CKD進行に伴う血液透析(HD)治療を実施する患者は急速に増えている。HD患者は心血管障害や骨塩量異常、筋異化作用等多くの併存疾患により身体機能・活動レベルが低下して…
【論文の概要】背景 脊髄小脳失調症(SCA)は常染色体優性遺伝の神経変性疾患であり、SCA患者は歩行時や立位時の失調、ジスメトリア、または四肢の失調を含む小脳症候群を示し、転倒リスクを増加させることが報告されている。失調症状を完治させる治療法は確立…
【論文の概要】背景 実環境における歩行は活動量計や自己申告によって評価される実際の生活環境における歩行の実態を示し、身体機能の低下や脳卒中の再発の予防に重要であることが報告されている。しかしながら、脳卒中後遺症者においては同年代の健常高齢者と…
【論文の概要】背景 特発性肺線維症(IPF)は、生命予後が不良であり、治療法も限定された慢性肺疾患である。薬物療法では生存率の改善は得られず、現在承認されている薬物療法でも疾患の進行を遅らせる程度である。2011年のATS/ERS/JRS/ALATによるステートメ…
【論文の概要】背景 年間30%の高齢者が転倒し、その20-30%は中等度~重篤な外傷を引き起こす。生活機能低下や要介護状態につながりかねない重要な課題である。近年、転倒予防ための運動プログラムが多く存在するが、重篤な転倒に対する効果を大規模RCTで示さ…
【論文の概要】背景 継続する高負荷(VALR)と瞬間的な垂直方向の荷重率(VILR)は、多くのランニング関連の損傷と関係している。そのため、屋外でランニングする際の荷重による影響を推定するため、加速度計による最大加速度(PA)が使われるようになった。目…
【論文の概要】背景 慢性疼痛において、情動に関与する扁桃体や海馬、側坐核、島皮質、前帯状回、前頭前野などの多くの脳領域に機能的および形態学的変化が起こることが示されている。そしてこれらの変化は、痛み関連恐怖心(pain-related fear: PRF)と表現さ…
【論文の概要】背景と目的 WHOによると認知症は高齢者のADL依存を引き起こす主因であり、公衆衛生において重要視されるべき問題であるとされている。認知機能低下はバランス機能低下に関連し、その影響は認知症のタイプと重症度により異なるとされている。本研…
【論文の概要】背景 脳卒中患者に対するリハビリテーションではセラピー時間を増大させることが良好な結果に繋がることが多数報告されている。そのセラピー時間を増大させ、かつスタッフが関わる時間を増大させず可能な1つの方法として、監視下のもとグループ…
【論文の概要】背景 骨粗鬆症や閉経後の骨量減少は世界中で大規模な社会的及び経済的負担を招いている。定期的な運動や身体活動はより高い最大骨量(PBM:peak bone mass)を獲得し、PBMの維持や老年期の骨量減少を予防する効果的な介入である。しかしながら、…
【論文の概要】背景 パーキンソン病(PD)患者は疾患の経過の中で80-90%が認知症を発症することが報告されている。 PD患者の認知機能障害の程度と経過を評価するため、認知症(PDD: PD with dementia)と軽度認知障害(PD-MCI: PD with mild cognitive impairment)…
【論文の概要】背景 従来、妊娠中の骨盤帯痛は身体の不活動と関係があるとされており、妊娠中の有害事象の危険因子の一つとされている。目的 初産婦における妊娠前の余暇時間中の運動と骨盤帯痛の関係を調査すること。方法 この研究はノルウェーの母子を対象…
【論文の概要】背景 近年、経頭蓋直流電気刺激(transcranial direct current stimulation : tDCS)は、脳の活動を変調させ、その機能を向上させる魅力的な治療として注目されている。前頭前野へのtDCSは、これまで認知能力の向上や精神・神経症状、痛み、気分…
【論文の概要】背景 特発性肺線維症(IPF)は、慢性の進行性疾患で、生命予後が不良である間質性肺疾患である。患者の5~10%は毎年IPFの急性増悪を経験し、死亡率に影響を及ぼす。IPFは、呼吸困難や肺機能、低酸素血症、運動耐容能などの悪化を来たし、QOLも低…
【論文の概要】背景 高齢者の脆弱性骨折は、重要な医療社会問題の一つである。たいていの骨折は低バランス能力、転倒、骨強度の低下が組み合わさって生じる。筋機能、動作協調性、骨量を改善し、かつ骨折リスクを減じる介入が必要である。振動トレーニングは筋…
【論文の概要】背景 脳卒中後の上肢運動障害に対するCI療法の効果は、多くの臨床研究で検証されており、推奨される上肢運動障害の治療方法のひとつである。しかしながら、在宅でのリハビリテーションでCI療法の効果は明らかにされていない。目的 研究の目的は…
【論文の概要】背景 大規模コホート等において、運動療法や身体活動を増加させることはQOL向上、様々な疾患の予防、さらに死亡リスクを下げることが示されている。また、無作為化比較試験で薬物療法にある程度の死亡抑制効果があると報告されている。しかし、…
【論文の概要】目的 短下肢装具(AFO)は、脳卒中患者が独歩するのをアシストしてくれる重要なものである。そこで、今回は、足関節底屈制限角度の違いが、脳卒中患者のマヒ側で股関節と膝関節の運動力学的要素に与える影響を調べることにした。方法 被験者は…
【論文の概要】背景 認知的および情動的要因は、腰痛を含む多くの疾患において、ヒトの痛み経験に影響を与えることは知られている。痛みに影響を与える心理的要因には、気分、認知、予測、行動様式、注意、教育歴などが含まれるが、近年のシステマティック・レ…
【論文の概要】背景 有酸素運動によって得られる運動耐容能の改善は、酸素供給量の増加と酸素抽出能の増加によって生じる。間質性肺疾患(ILD)患者においても有酸素運動による運動耐容能の増加は報告されているが、その特徴は明らかにされていない。目的 本…
【論文の概要】背景 近年、ワイヤレスセンサーを用いることによって脳卒中患者の活動性を的確に再現性をもって評価できることが報告されている。また、脳卒中患者の歩行能力に関して、SIRROWSトライアルとして、歩行速度に関するフィードバックの提供が有意に…
【論文の概要】背景 島は大脳皮質の一領域で外側溝の奥にあり、注意や感覚運動などの神経ネットワークに関与していることが報告されている。また、アクションビデオゲームは高度の注意と手と目の協調性が必要であり、アクションビデオゲームの経験が課題の遂行…
【論文の概要】背景と目的 TENSは鎮痛目的の非侵襲的電気治療であり、様々な疾患や障害に使用されている。近年明らかになっているTENSの鎮痛メカニズムには、内因性オピオイドの血中、脳脊髄液内の濃度上昇、下行性疼痛抑制経路の賦活、脊髄レベルでの鎮痛作用…
【論文の概要】背景と目的 退院後の再入院は多く、これは費用面からも問題であるが、再入院リスクの高い患者を同定する予測モデルは不十分である。このことは現在認識されていない大きな要因が存在することを示唆している。我々は一般内科病棟から退院して30日…