対象
地域在住の高齢者72名(69.5±6.1、男性43名、女性29名)とした。除外条件は神経筋疾患、人工関節を有する者とした。
身体組成測定
体組成は二重エネルギーX線吸収法(DXA)を用いて評価した。マルチスキャン法によって、大腿部と下腿部のMFLMを測定した。まず、下肢全体のMFLMを測定し、次に、下腿部のMFLMを測定した。大腿部のMFLMは下肢全体から、下腿部のMFLMを引くことで求めた。
筋力測定
Isokinetic Dynamometerを使用して評価した。測定項目は膝関節伸展と屈曲、足関節底屈、背屈の最大等尺性収縮筋力とし、両下肢を測定した。測定肢位は股関節屈曲85°、膝関節屈曲45°、足関節底屈20°とした。3回測定し、最大随意収縮(MVC)を記録したものを代表値とした。
Muscle quality算出
MQは対応する筋群の筋力のMFLMあたりの強度とした。大腿部のMQは次の式で得た((膝関節伸展MVC+膝関節屈曲MVC)/下肢上部のMFLM)。足関節のMQは次の式で得た((足関節底屈MVC+足関節背屈MVC)/下肢下部のMFLM)。両側のMQは両下肢の筋力の合算とMFLMの合算から得た。
歩行測定
GAITRiteを使用し測定した。歩行条件は通常の歩行速度とし、2回測定した。
空間的パラメータとしてステップ長、ストライド長、ステップ幅、ストライド幅を測定した。時間的パラメータとして、ステップ時間、ストライド時間、遊脚期時間、立脚期時間、二重支持時間を測定した。歩行のばらつきは各時間的、空間的歩行パラメータの標準偏差とした。
統計分析
偏相関とステップワイズ重回帰分析を使用した。統計分析にはSPSSを使用し、有意水準は5%とした。