高齢者では、前後方向より左右方向のHarmonic ratio を保持し、より短い歩幅をとる戦略をとった。また高齢者では歩行変数のバラツキの増大が認められた。
考察
本研究では、左右方向のHarmonic ratio の差が認められなかった一方で、前後方向のHarmonic ratioに関しては、高齢者において歩行条件変化によって低下が認められた。したがって、高齢者は左右方向の歩行コントロールを優先する戦略がとられたことが推察される。本研究の結果は歩行パラメータやCOMの軌跡を扱った先行研究の結果を支持しており、既存の先行研究の結果をさらに発展させた内容であるといえる。
Hackney AL, Cinelli ME .: Young and older adults use body-scaled information during a non-confined aperture crossing task. Exp Brain Res. 225:419-29,2013