介入:
1名の理学療法士が、股外転筋力強化のホームエクササイズをOA群全員に指導した。エクササイズの内容は、(1)側臥位での股外転運動(エクササイズゴムバンドを輪にして大腿遠位部に引っ掛ける)、(2)立位での股外転運動(バンドを下腿遠位部に掛ける)、(3)片脚立位(高さ10cm台に乗せた対側の足部を浮かせて、股外転筋に強調して収縮させるよう片脚立位となる)である。これらすべて左右、20回反復して行った。週3~4回の実施頻度で8週間継続した。8週の間に理学療法士によるフォローアップが2回行われた。
測定:
以下の項目の測定を介入前後に実施した。
(1)膝内転モーメント:
三次元動作解析装置を用いて歩行立脚期50%でのピーク値を5回測定した。
(2)股外転筋力:
等速性筋力測定機器を用いて、立位での股外転等速性求心性筋力(角速度60°/s、外転範囲0-30°)を測定。
(3)膝関節評価、活動レベル:
Western Ontario and McMaster Universities Osteoarthritis Index (WOMAC:疼痛5項目、可動域制限2項目、身体的機能17項目)、5回立ち上がりテスト(所要時間)、ADL評価(PASEスコア)を使用。
解析:
膝内転モーメント:全立脚期を100%に再計算後、5個のデータを加算平均し、立脚期50%のピーク値を求めた。ピーク値は体重と身長の積に対する割合に換算された。