対象は雄のWistar rats 36匹とし、体重は270–350gであった。「慣れたラット」は少なくとも実験の2週間前から毎日5分から10分間慣らすためになでられた。「未経験ラット」は皮膚刺激を全く行わないようにした。実験の3日前にペントバルビタールで麻酔して、マイクロダイアリシス法でドーパミン濃度を測定するためにガイドカニューレを左の側坐核に固定した。ガイドカニューレの固定後3日間実験用のケージに入れられた。実験は麻酔下と覚醒下で行われ、麻酔はウレタンを使用して自発呼吸のために気管に挿管した。実験中の麻酔の深さは角膜や屈曲反射で確認した。皮膚刺激の撫でる圧は過去の研究から80–100 mmH2Oとした。前肢は肩と手関節の間、背中は肩甲骨と腸骨稜の下角の間、後肢は鼠蹊部と膝関節の間とし、腹部は剣状突起と腸骨稜の間とし弱い力は15mmH2Oで行った。刺激の圧はバルーンを押して感覚を覚えて行った。刺激時間は5分間で4~5 cm/sの速さで65–75 strokes per min (1.08–1.25 Hz)の頻度で行った。覚醒下では左手で首のところを押さえて右手で軽く撫でた。有害な刺激は鉗子で同じ領域を5分間、3–5 kgの力で挟んだ。それぞれ3回ずつ行い、平均値を記録した。腹側被蓋野の損傷では、実験の2~3時間前に電気的に損傷された。プローブの位置を確認するため摘出した脳を2週間以上固定し、切片を作成してHE染色で確認した。統計はStudent’s t test またはANOVA後にダネットの多重比較検定を行った。