高齢者が安全運転または免許返納に取り組む上で、医療提供者は重要な役割を果たすが、運転に関するコミュニケーションは困難を生じることが多い。高齢者にとって好ましい運転に関するコミュニケーションを特定するために、2014年10月以前に公開され、高齢者、運転、質的研究、医療提供者とのコミュニケーションの4条件を満たす、22研究(高齢ドライバー518名)の結果を統合した。
結果として、高齢者が好む運転についてのコミュニケーションとして、以下の5項目が抽出された。1つ目は、高齢者にとって運転に関する話題は不安やストレスを伴うため、感情に対する配慮がされていること。2つ目は、性別や医学的診断、地理的特性などの個別的な状況や環境が考慮されていること。3つ目は、医療提供者が信頼と権威を有しており、健康問題としての運転に関する教育を受けていること。4つ目は、突発的ではなく、長い期間をかけて議論が行われていること。5つ目は、高齢者が運転に関して自己決定が行えるよう、客観的評価や連携したアプローチによるエンパワーメントがなされていること。
医療提供者は、以上を踏まえたコミュニケーションを通じて、人生の岐路にある高齢ドライバーを尊重し、自信を与え、家族を含めサポートすることが重要である。