さんさんファーム(産業理学療法活動を皆で広げる場)

【さんさんファームの目的】
本会では、会員の皆様の産業理学療法活動事例を報告し、共有する場として、「さんさんファーム」を開設しました。本ページでは、より身近な産業理学療法の実践内容や、きっかけ等を、会員の皆様同士でご共有いただく事で、産業理学療法の活動のヒントを得ていただく事を目的としております。

【本取組のねらい】 
 企業等での活動は、守秘義務や情報公開制限、企業のニーズが必ずしも研究目的ではないことも多く、厳格な学術的要件が、活動実態の集積の難しさを生んでしまう可能性も考えられます。一方、会員の皆様におかれましては、学術的な介入効果等の知見だけではなく、「産業理学療法へ踏み出すきっかけ」や、「どんな事例があるのか?」等を知りたいという声を多く伺っております。
 本ページの症例報告は、後者のヒントにつながるよう、学術大会よりももう少し気軽に、「臨床的・実践的活動をされた経験を共有できる場」となればと考え、開設しました。
 ぜひ皆様が取り組まれたご活動をご報告ください!
★本ページは1~2か月ごとの更新とし、年間を通しての表彰等も、今後検討していきます。

【応募方法】
下記の募集要項に記載の応募方法にてご申請下さい。
 さんさんファーム募集要項
 <申請書類>
活動概要(WordまたはPDFファイル ※執筆規定は募集要項参照)
掲載用写真(画像データ:1枚)
投稿承諾書(誓約書)

【本件へのお問い合わせ先】
日本産業理学療法研究会 学術職能委員会(さんさんファーム担当者)
E-mail  : info@jspoh.jspt.or.jp

取り組み紹介 No.002【2023.11.30更新】
取り組み紹介 No.002【2023.11.30更新】
【タイトル】
「重症心身障がい児(者)病棟における体位変換・移乗練習の重要性

【報告者】
  山口宇部医療センター
  石光 雄太 氏、佐伯 達矢 氏(看護師)

【キーワード】
 重心病棟、腰痛、実技練習、環境整備

【活動概要】
   重症心身障がい児(者)病棟(重心病棟)は一般病棟と比較して医療的ケアや介助の頻度が増えるため,腰痛有症率が高いことが報告される.
   当院は大島の分類1と4の症例が多く,全介助での体位変換が呼吸器感染症や褥瘡予防で必須である.また日中は生活リズムを整えるために車いすや床マットの上で過ごされる方も多い.そのため,ベッドから車いす,車いすから床マットといった移乗動作を頻繁に実施しており,基本的に全介助となるため,身体的負荷が強く,腰痛を訴える職員も少なくない.
  そこで当院の重心病棟に関わるスタッフに対し,年1-2回ほど基本的な体位変換や移乗動作方法の実技練習を行っている.具体的内容として介助者の触れ方による感じ方の違いや事前の環境整備などの安全策の検討,実施後の除圧の重要性,介助者と対象者の距離やベッドの高さなどの環境的要因と介助人数の違いによる身体的負担感の違いについて実施している.
  上記を実施することによって,対象者としての経験も可能となり,より対象者へ配慮ある医療的ケアや介助が実施できるようになると考えられる.同時に介助者自身も負担の少ない方法を学ぶことで労働災害を予防することに繋がると考える.


取り組み紹介 No.001【2023.10.27更新】
【タイトル】
「建設業に関わる中小企業への産業理学療法展開の1例―1年間を振り返ってー」

【報告者】
  木村 倖晴 氏、中野 聡太 氏

【キーワード】
 建設業、健康経営支援活動、アンケート調査、介入、体力測定

【活動概要】
  • 2022年9月〜2023年8月までの1年間,建設業に関わる企業(従業員30名)に1ヶ月に1〜2回の頻度で赴き,健康経営の支援活動を行なった.
  • まず,役職者に従業員の健康に関する問題や仕事内容等のヒアリングを行った.
  • 次に,従業員に健康状態と労働に関するアンケート調査を実施し,健康に関する問題点を抽出した.問題点として身体に痛みを抱えて勤務している従業員が多いこと,身体的負担になる作業が多いことが挙げられた.
  • 介入として,従業員の体力測定やストレッチ,体操指導,職場巡視や健康経営優良法人申請の補助などを行った.
  • 体力測定について,ロコモティブシンドローム,筋力や柔軟性,労働生産性などを測定項目とし,2023年3月に1回目,同年6月に2回目を実施した.介入の結果,運動機能の向上,ロコモティブシンドローム該当者の減少やプレゼンティーイズムが改善する傾向を認めた.