さんさんファーム(産業理学療法活動を皆で広げる場)
【さんさんファームの目的】
本会では、会員の皆様の産業理学療法活動事例を報告し、共有する場として、「さんさんファーム」を開設しました。本ページでは、より身近な産業理学療法の実践内容や、きっかけ等を、会員の皆様同士でご共有いただく事で、産業理学療法の活動のヒントを得ていただく事を目的としております。
【本取組のねらい】
企業等での活動は、守秘義務や情報公開制限、企業のニーズが必ずしも研究目的ではないことも多く、厳格な学術的要件が、活動実態の集積の難しさを生んでしまう可能性も考えられます。一方、会員の皆様におかれましては、学術的な介入効果等の知見だけではなく、「産業理学療法へ踏み出すきっかけ」や、「どんな事例があるのか?」等を知りたいという声を多く伺っております。
本ページの症例報告は、後者のヒントにつながるよう、学術大会よりももう少し気軽に、「臨床的・実践的活動をされた経験を共有できる場」となればと考え、開設しました。
ぜひ皆様が取り組まれたご活動をご報告ください!
★本ページは1~2か月ごとの更新とし、年間を通しての表彰等も、今後検討していきます。
【応募方法】
下記の募集要項に記載の応募方法にてご申請下さい。
さんさんファーム募集要項
<申請書類>
活動概要(WordまたはPDFファイル ※執筆規定は募集要項参照)
掲載用写真(画像データ:1枚)
投稿承諾書(誓約書)
【本件へのお問い合わせ先】
日本産業理学療法研究会 学術職能委員会(さんさんファーム担当者)
E-mail : info@jspoh.jspt.or.jp
- 取り組み紹介 No.007【2026.6.13更新】
- 取り組み紹介 No.007【2026.6.13更新】
【タイトル】
「企業従業員に対するスポーツ庁考案の身体診断「セルフチェック」の実践報告」
【報告者】
西宮の沢整形外科
今田康大 氏
【キーワード】
小売業、セルフチェック、個別エクササイズ指導
【活動概要】
小売業本社に勤務する従業員30名(平均年齢45.7歳)を対象に,スポーツ庁考案の身体診断「セルフチェック」と個別エクササイズ指導を理学療法士が実施した.「セルフチェック」は自己実施可能である一方,個人で正確な評価を行うことが困難な側面もある.実施直後のアンケートでは,参加者の96%が理学療法士によるチェックに意義を感じ,69%が継続的な身体チェックを希望した.実施1か月後のアンケートでは,運動頻度なしの人数が67%減少し,全体で2.88%のプレゼンティーズム改善が認められ,行動変容および労働生産性への効果が示唆された.
「セルフチェック」とエクササイズ指導は一人当たり20分以上を要するため,大人数への実施にはスタッフ人数や時間・場所が課題となる.しかし,本手法は理学療法士の強みである個別的な運動指導を生かせるツールであり,今後の産業分野における活用が期待される.

- 取り組み紹介 No.006【2026.6.13更新】
- 取り組み紹介 No.006【2026.6.13更新】
【タイトル】
「介護従事者に対する腰痛予防研修と職場内実践の取り組み」
【報告者】
医療法人社団二三会みずほ内科クリニック
木下貴文 氏
【キーワード】
介護従事者、腰痛予防、職場環境
【活動概要】
腰痛予防対策の推進を目的として, 当法人内のディサービスセンターおよびショートステイに勤務する介護従事者を対象に腰痛予防研修会を開催した. 事前に健康状態および腰痛に関するアンケート調査を実施し,現場における課題を把握した.その結果,排泄介助や入浴介助時に腰痛の訴えが多くみられた.この結果を踏まえ,作業管理(作業姿勢の工夫や適切な靴の提案など) ,作業環境管理(低床椅子や手すりの導入など) ,健康管理 (腰痛予防体操など) , 労働衛生教育 (十分な睡眠やバランスのとれた食事, 気分転換など)に関する内容で研修を実施した.さらに,研修ではグループワークや腰痛予防体操の指導も行い,現場で実践可能な対策の共有を図った.研修後は各部署の朝礼時に短時間の腰痛体操が導入され,継続的な実践に繋がっている.今後も定期的な職場巡視を通じて改善状況の確認と助言を行い,職場環境の改善に努めていく.


- 取り組み紹介 No.005【2026.6.13更新】
- 取り組み紹介 No.005【2026.6.13更新】
【タイトル】
「院内職員の健康課題に対する肩こり改善セミナー」
【報告者】
医療法人社団誠富会成田整形外科
近藤 貴紀 氏
【キーワード】
病院職員、肩こり改善、職員アンケート
【活動概要】
当院では健康経営優良法人認定取得に向けた取り組みとして,職員アンケートで生産性低下要因として最も多かった肩こりに着目し,職員向け肩こり改善セミナーを実施した.対象は医師,理学療法士,看護師,医療事務,リハビリ助手,放射線技師の21名で,多職種が共に学び合う温かい雰囲気の会となった.内容は肩こりのメカニズム講義,姿勢・頸部アライメント評価,動作テスト,セルフケア指導を組み合わせ,勤務前や短い空き時間でも取り組める実践的な方法を中心に構成した.特に簡単なセルフチェックを最初に行い,自分の身体の状態に気づいてから運動へ移行できるよう工夫したことで,参加者が前向きに取り組む姿が見られた.事後アンケートでは満足度100%となり,「姿勢を見直したい」「家でも続けたい」などの声が寄せられた.また,他職種から身体に関する相談が増えるなど,職員間のコミュニケーション活性化にもつながった.

- 取り組み紹介 No.004【2025.7.22更新】
- 取り組み紹介 No.004【2025.7.22更新】
【タイトル】
「30代から始める生活習慣予防!」
【報告者】
北星病院 リハビリテーション科
澤野 純平 氏
【キーワード】
生活習慣病予防、健康増進、若年労働者
【活動概要】
我が国の死因の上位は生活習慣病が占め,特に30代からリスクが増加するとされている.理学療法士として運動指導の観点から若年層への予防支援は重要である.
今回,市内製造業の30代を対象に「30代から始める生活習慣病予防!」と題した講習会を開催.生活習慣チェックや運動を中心とした予防知識の提供,筋力トレーニングの実践を行った.事前後アンケートでは,健康増進への関心や肥満防止への意識の向上がみられた.

- 取り組み紹介 No.003【2025.7.22更新】
- 取り組み紹介 No.003【2025.7.22更新】
【タイトル】
「看護職を対象とした腰痛予防 -大阪府看護協会市南支部主催研修会-」
【報告者】
大阪急性期・総合医療センター
岡原 聡 氏
【キーワード】
保健衛生業、看護師、腰痛予防
【活動概要】
「看護職と腰痛」について日本看護協会ではホームページを作成されており,現場スタッフの課題意識も高い.今回,大阪府看護協会市南支部より声を掛けて頂き,課題解決の一助に向けた研修内容を検討した上で「わたしたちの腰痛予防について知ろう」が決定され対面開催された.「職場における腰痛予防対策指針」や「重量物取り扱い業務の規制」を踏まえ職業上の腰痛発生場面を想定して,実技を交えて実施した.また下肢筋力のロコモ度や柔軟性チェックでは参加者が賑やかに自身の状態を確認できた.
研修後アンケートにより,看護職に適した予防体操,自身の運動機能に合った介助方法に高い関心があり,仕事中の姿勢把握,セルフケアマネジメントなどは役立つポイントとして認識されていた.新型コロナ感染症拡大後に対面開催の実技研修会が減少した現状のなか,保健衛生業における人員の健康増進,労災予防,職能技術向上に資する有意義な機会として活動できた.

- 取り組み紹介 No.002【2023.11.30更新】
- 取り組み紹介 No.002【2023.11.30更新】
【タイトル】
「重症心身障がい児(者)病棟における体位変換・移乗練習の重要性」
【報告者】
山口宇部医療センター
石光 雄太 氏、佐伯 達矢 氏(看護師)
【キーワード】
重心病棟、腰痛、実技練習、環境整備
【活動概要】
重症心身障がい児(者)病棟(重心病棟)は一般病棟と比較して医療的ケアや介助の頻度が増えるため,腰痛有症率が高いことが報告される.
当院は大島の分類1と4の症例が多く,全介助での体位変換が呼吸器感染症や褥瘡予防で必須である.また日中は生活リズムを整えるために車いすや床マットの上で過ごされる方も多い.そのため,ベッドから車いす,車いすから床マットといった移乗動作を頻繁に実施しており,基本的に全介助となるため,身体的負荷が強く,腰痛を訴える職員も少なくない.
そこで当院の重心病棟に関わるスタッフに対し,年1-2回ほど基本的な体位変換や移乗動作方法の実技練習を行っている.具体的内容として介助者の触れ方による感じ方の違いや事前の環境整備などの安全策の検討,実施後の除圧の重要性,介助者と対象者の距離やベッドの高さなどの環境的要因と介助人数の違いによる身体的負担感の違いについて実施している.
上記を実施することによって,対象者としての経験も可能となり,より対象者へ配慮ある医療的ケアや介助が実施できるようになると考えられる.同時に介助者自身も負担の少ない方法を学ぶことで労働災害を予防することに繋がると考える.

- 取り組み紹介 No.001【2023.10.27更新】
- 【タイトル】
「建設業に関わる中小企業への産業理学療法展開の1例―1年間を振り返ってー」
【報告者】
木村 倖晴 氏、中野 聡太 氏
【キーワード】
建設業、健康経営支援活動、アンケート調査、介入、体力測定
【活動概要】- 2022年9月〜2023年8月までの1年間,建設業に関わる企業(従業員30名)に1ヶ月に1〜2回の頻度で赴き,健康経営の支援活動を行なった.
- まず,役職者に従業員の健康に関する問題や仕事内容等のヒアリングを行った.
- 次に,従業員に健康状態と労働に関するアンケート調査を実施し,健康に関する問題点を抽出した.問題点として身体に痛みを抱えて勤務している従業員が多いこと,身体的負担になる作業が多いことが挙げられた.
- 介入として,従業員の体力測定やストレッチ,体操指導,職場巡視や健康経営優良法人申請の補助などを行った.
- 体力測定について,ロコモティブシンドローム,筋力や柔軟性,労働生産性などを測定項目とし,2023年3月に1回目,同年6月に2回目を実施した.介入の結果,運動機能の向上,ロコモティブシンドローム該当者の減少やプレゼンティーイズムが改善する傾向を認めた.

